芸歴１８年の覚悟 一発屋も辞せず！

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＜スギちゃん（お笑い芸人）＞

「ワイルドだろぉ～」の決まり文句で、今やＯＬや子供からも大人気だ。女性誌「ａｎ・ａｎ」のインタビューを受けたり、日本テレビの昼ワイド番組「ヒルナンデス！」の「小６の男女に聞いた好きな男性お笑い芸人トップ１０」第１位に輝いた（２位タカアンドトシ、３位はんにゃ）。３月２０日に開催された「Ｒ—１ぐらんぷり２０１２」で準優勝してから、毎日のようにテレビで見かける売れっ子。快進撃はいつまで続くのか。
　本名・杉山英司。愛知県出身。特技はマジック。愛知県立尾西高校在学中は野球部に所属していた。
　芸歴１８年。よしもとクリエイティブ・エージェンシー東海支社所属のお笑いコンビ「フランクフルト」のメンバーとしてデビュー。９８年に同コンビ解散後、元「はらはら時計」の沢原宜之と「霊血サンデー」を結成して上京する。コンビ名は「メカドッグ」に変遷。過去に３回、犬に噛まれたことが名前の由来となった。「雷波少年」（日テレ）や「お笑い登龍門」（フジテレビ）などに出演。代表的な芸は胸にクッションのようなものを入れて漫談をする「おっぱい先生」だった。
　０８年４月にメカドッグ解散。以後ピン芸人に転向する。
　人柄は温厚。「ワイルドだろぉ～」の芸風とは真逆だ。複数の芸能事務所を渡り歩いたせいで、芸人に知り合いも多い。「雷波少年」で２カ月間、一緒に寮生活を送っていた松田洋昌（ハイキングウォーキング）が、自身のブログ「くだらない毎日」で１２～１３年前のエピソードを要約、次のように披露している。
　寮で食事をしている時、おかずの冷ややっこに大量の醤油をかけた。しかも食べ終わった小鉢の半分くらいに残っていた醤油を、なんと飲み干す。ビックリした松田が「体に悪いですよ」と注意すると、「俺、そういうの気にしないから」とむしろ足りないというそぶり。「今考えると、確かにワイルドだった」（松田）
　ワイルドの元祖といえば、電撃ネットワーク。リーダーの南部虎弾が次のように評する。
「『Ｒ—１ぐらんぷり』で準優勝する少し前から注目していた。優勝者より準優勝者のほうがブレークしている。でも、本物かどうかはこれからだね」
「仕事が忙しくて洗濯する時間が無い」とブログ（スギちゃんのワイルド日記）で嘆くと、下着類や少量の衣類も乾燥できる布団乾燥機が送られるなど、ファンに愛される芸人。その半面、一発屋と呼ばれていることは確かだ。本人は「一発屋でもいい」と開き直っている。
「テレビに出ずっぱりだと、あきられやすくなる。ライブこそ芸人の神髄だ。頑張れ！」（前出の南部虎弾）
　だが、３８歳でやっとブレークしたスギちゃんは、アイドル並みの忙しさで、テレビに引っ張りだこなのだった。

（日刊ゲンダイ2012年5月17日掲載）
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