いやいや、これで終わるかな?

 

何か若いころはなんでもできるって思ってて、なまじ国立大学なんて入ってしまったものだから、俺って頭いいなんて思ってしまって、しかも親の年収が一千万越えててしかも親をバカにしていたものだから、一千万なんてだれでも取れる額だと大いに勘違いしてしまい、父親よりも年収の低い仕事なんてこの俺様ができるわけがないと、結局何の下積みもせずに生きてきたらいつの間にか父も死に、私もこの歳になってしまい、年収一千万はおろか、400万さえもらえないありさまで、時給千円程度のアルバイトでさえ落とされるありさまで、どうにかこうにか派遣のコールセンターのパートに収まったわけだがそこもどうにも雲行きが怪しい。

 

いやあ、今から20年近く前に女子高生と付き合ってたことがあって、その時に彼女の家にいったことがあって、築50年くらいのオンボロアパートで彼女のお父さんが警備員の服をきて光る棒をもって家を出るところだった。私は彼女のお父さんをみて「あんな大人にはなりたくない」というか「なるはずがない」と思っていたのだけど、今の自分を顧みてどうだろうか。

 

警備員もコールセンターもだれも好き好んでやるものではないし、所詮バイトの域を越えない仕事。いやあ、まさか自分が将来こんなことをやっているだなんて。ほんとびっくり!

 

まあしかし考えてみれば若いころから哲学的なことばかり考えてきてお金とかより宗教とか心理学が好きで、人生の目的はお金ではなく自分の成長にあるんだと信じて疑わず、ただただ昨日の自分より今日の自分を目指してきた結果がこれなんだからまあ仕方がないと言えば仕方がない。

 

自分は口があまり上手じゃないからきっと今の仕事をしているのだと思う。できないからやる。やってればきっとうまくなってくると思う。なかなか言葉がでてこなかったり、うまい言い回しが浮かばなかったりで結構後悔とかしてたんだけど、毎日人と話すから、しかも次々と人と話すから、後悔している時間もないし、失敗してもすぐ次にチャンスが訪れるからそのうち口がうまくなるかもしれない。

 

まあこの部分は著しく私には不足していた部分なのでこの部分が成長するのなら今の苦境もしかたのないことだろう。しかし私はこの部分を強化した先に何があるのだろうか?

 

私は昔の彼女のお父さんのようにこれで終わってしまうのだろうか?

 

まあとにかくクビになるまでやってみようか。