決算書などは銀行員はすべて数値化します。

ということは経営者のみなさんも自らの業績を数値化する必要があります。

数値化することによって同業他社との比較ができます。

よそとくらべてもしかたない・・・って思うかもしれませんが、銀行員はよそと比べます。

ですから自らの企業が今業界の中でどの立ち位置なのかを把握しましょう。


まずはP/L。

基本はすべて売上です。

ほとんどの数値は○○÷売上で数値化されています。

これは企業の利益を表示するのに使います。

売上高総利益率=売上総利益(粗利)÷売上

売上高営業利益率=営業利益÷売上

売上高販売管理費比率=販売管理費÷売上

売上高経常利益率=経常利益÷売上

売上高総利益率は同業他社との粗利を比べます。

営業利益率は本業の利益を比べます。

販売管理費率は経費を比べます。

経常利益率は特殊要因を除いた基本的な利益を比べます。

これなら計算も単純なので数値化できますよね?


では同業他社の数値はどうやったらわかるのでしょうか??

これは国が公表しています。

中小企業庁が「中小企業の財務指標」という本を毎年出しており、この数値ならみなさんでも把握することができるでしょう。

ただし、これは2~3年前の数値になっています。

銀行は別の数字を使っています。

しかしその数字は独自のものです。なぜなら銀行は膨大な量の決算書を保有しており、それらを数値化しているのである程度リアルタイムの業界ごとの数字を把握しているのです。

ただし中小企業のみなさんはそこまで同業と必死になって比べる必要はありません。

しかしあなた自らの企業を比べる必要があります。


銀行は売上が上がった下がった、利益が増えた減ったで一喜一憂しません。

数年間の事業実績を比べて流れをみています。

したがってみなさんは自らの業績を数値化し、数年間を比べるようにしてください。

売上だけではないことに気づくはずです。


粗利がよくないなとか、経費が多いとかの感覚的なものはあると思いますが、実際比べるのは数値化する必要があります。

利益率の計算は単純なのでぜひさっそく行ってください。


当時国民新党亀井大臣の肝いりでできました。
当初の案は元金および利息の返済を止めて、かつ新たな資金調達に答えなさいというものでした。
しかし金融業界から猛反発に合いました。
返せない企業に新たに貸しなさいと言われても無理です。
結果どうなったかというと、借入の返済条件にできる限り誠実に対応するように努力しましょう、ということになりました。
しかし従来から条件変更は行っていますので何も変わったわけではありません。
ただし大義名分はできました。つまり新たに貸さずに返済条件を変えることにより資金繰りを安定させる手段です。
具体的に言うと毎月元金10万円と利息1万円の返済をしているとします。これを元金を減らして利息のみ支払うことです。
これを我々はリ・スケジュール、略してリスケと呼んでいます。
前に話したリファイナンスとは違います。
リファイナンスは借入を新しくして前の借入を返済することです。
リスケは借入はそのままで返済条件を変えることです。
本来の意味は微妙にちがいますがここではこのように定義させてください。

ではリファイナンスとリスケはなにがちがうのでしょうか。
毎月の返済額が減るのは同じですよね。
ただしリファイナンスは前向きな意味での取り上げとなるため、新たな資金調達が可能です。
リスケは資金調達できないから条件を変えるのです。

このため来年は資金調達できない企業が増加することが予想され、リスケを行う企業が増加すると思われます。

何が言いたいかというと、自分の会社の保証協会枠はいくらあり、いくら使っているか把握しましょう。
仮に枠がいっぱいなら動ける間にできる限りのリファイナンスをおこないましょう。
枠がまだある場合は、資金繰りに余裕があるならば、借りれるうちに枠を使うという行為はオススメしません。
銀行は借りれるうちに使いましょうと提案してきますが、来年はさらに厳しいと思われます。できる限り資金枠を広げるように、無駄な借入のうち、保証協会分の返済を進めましょう。
資金繰りにあまり余裕がない場合はいまのうちです。借りれるうちに目一杯借りたほうが得策です。来年は借りれないかもしれませんからね。
枠もなく資金繰りに余裕もなくリファイナンスだけでは厳しい方は、どっちみち資金調達できないならリスケを申し出ましょう。
あっさり応じてくれます。さすが亀井効果です。
努力義務とは言え時限立法なのであっさり受けてくれるのもいまのうちです。

どの選択肢がいいのか判断するためにも保証協会枠の把握は必要ですよね。




代位弁済の資金を税金で賄うため、また通常市場から退場すべき企業を延命させるだけに陥っているため、最近では別枠だからといって保証がおりないケースが散見されてきました。
もちろんある程度の規模があり一般枠でも借入負担が少ない企業は問題ないとおもいますが、年商規模400百万ぐらいまでの企業は80と80の目一杯は難しいです。
おそらく月商の3ヶ月から4ヶ月が資金枠として捉えるべきです。
その資金枠の範囲で一般枠と別枠が使えるだけとなりがちです。
特にその傾向は今年度から顕著です。
実際に保証協会のかなり上の方から聞いた話ですが、昨年まで通せた案件も今年は通せなくなっているとのことです。

これは私の勝手な見解ですが、来年はさらに締め付けが厳しくなり、一時の貸し渋りに発展しかねません。
銀行としては保証協会の保証が下りない企業にプロパー融資はできません。信用力が元々弱いからです。保証協会の枠があればプロパーも考えれるかもしれませんが、ほとんど枠いっぱいでしょう。
緊急保証が一般枠と同じように見られると、前に説明したように、制度がちがうので一本化の巻き直しができません。
また資金枠が狭くなるので新たな調達が難しくなります。
したがって倒産リスクが高まります。
しかし倒産はさせたくない。でもこれ以上の保証をしたくない。
ではどうするのか?
ここで亀井さん登場となるわけです。