とあるお話
ある王様が何人かの盲人たちに、ゾウという生きものがどんなものか教えてやりたいと思い、家臣に命じ、1匹のゾウのもとに連れていかせました。
盲人たちは、ゾウの体をさわって、どんな生きものか確かめます。
生まれて初めてゾウに触れた彼らは、たいへんよろこびました。
ところが、、、
城に帰ってきた盲人たちに、王様が問いかけます。
「
ゾウとは、どんな動物だったかな?」
ひとりが答えました。
「はい、王様。ゾウとは、奇っ怪な生きものであります。まるでロープみたいです。それがまた、丸まったり伸びたり、うにょうにょとよく動くのでございます」
それをきいた隣の人は驚き、
「あなたはなにを言っているのだ。ゾウとは、固い壁みたいな動物ではないか」
その隣の人がまた身を乗り出し、
「きみらは、どうかしている。王様。どうも、正確に理解したのは私だけのようです。 ゾウは、太い柱のような動物でした」
それからさらに、ちがう!
ゾウはウチワみたいな動物だ」 「いや、ツノのおばけみたいだった」、「そうじゃない、杖にそっくりだ」、「王様。この者らは、みな間違っております。ゾウは、ホウキのような生きものでございました」 とそれぞれが主張し、しばらく言い合いになりました。
実は
じつは、ゾウを「ロープみたいだ」と言った人は、ゾウの鼻だけを撫でたのでした。
壁みたいと言った人は腹を、柱だと言った人は足を、ウチワだと言った人は耳、なにかツノみたいなものとおもった人は牙、杖だとおもった人は尾の根元、ホウキだと感じた人は尾の先を、それぞれ部分的に撫でただけだったのです。
それを聞いていた王様は笑いだし、「みんな正解だけど、みんな間違いだよ。全体を知らないとそうなるんだ」 と言ったとか。
見るだけ、聞くだけでは・・・
何かを知るときには、一部分だけを見ても本当にしたことにはならない。むしろ誤った知識となってしまうという例えですね。
今の世の中はネットで調べれば様々な情報がありますが、情報を収集できても、それが本当に知りたいことの全体像を網羅しているのかがわかりません。
全体像を知っている人(=専門家)に相談すれば、たくさんある情報の中からあなたの欲しい情報を取り出してくれます。