家づくりって楽しいですよね。あきらめることも多いですが、自分の趣味が大きな物体になる楽しさは家づくり以外になかなか経験できないと思います。だから四六時中、空想して楽しみます。でも、その空想プランはふわっと消えてしまうので、思いついたことをノートに書き込むことにしました。

おそらく、私にとって今回が人生最後の家づくりになるだろうから、あーだこーだ考えた記録を残しておきたいなと思ったわけです。



思いつきで始めたので、ノートは家にあったもの。残しておくなら、もっといいやつにすればよかったと若干後悔しています。

 


やってみてわかったのは、土地が狭いから完全にテトリスになること。なるべく廊下を減らしたり、階段下などにデッドスペースをつくらないようにしないと必要なものが収まりません。




その視点で考えると建売住宅にもよく考えられた間取りはあるし、参考になります。ただ、私の場合は9本のサーフボードとキャンプ道具のフルセットがあるので、それを収めるためのスペースが必要。きついけど絶対に無理そうでもないから、処分する踏ん切りもつかない。これはなかなかの難題です。理想的な置き場はこんな感じ。サーフボードはモノとして好きだからできれば飾りたいのですが、奥さんの意見は違います。当然か。




さらにむずかしいのが、家は立体ということ。間取り図で平面的には分割できても、立体になると頭がこんがらがります。階段の上は?下は?もう他の思考が停止します。それでも家のことを考えるのは、やはり楽しい。実際の間取りプランには役立たないと思いますが、今後やり取りする際に設計者の苦労や工夫がわかる気がします。


ちなみに水野氏が家を建てたときには、細田氏から「まずは自分で考えてみろ」と言われたと聞きました。それで何とか間取りを引いてみたら、細田氏は既にずっといい案を考えていた。家に愛着を持たせるために、できないとわかって考えさせたと。

いい話です。

そもそも話ですが、ハウストラッドは建築デザイン会社です。タッグを組む建築会社がいなければ家は建ちません。つまり彼らが考えた間取りやデザインを具現化するには建築会社はとても重要です。


私は前回の家づくりの際に、建築会社で残念な思いをしました。家には保証期間があるため、その期間は嫌でも付き合わないとなりません。だから今回は契約する前に建築会社の方と会っておこうと思い、その場をつくってもらいました。




やってきたのはこちら、株式会社優建の高森社長。事前にホームページを見ると、サイトデザインはさえないし、メッセージもフワっとしているし、本当に大丈夫なのかなーと思っていました。


私が質問したのは、耐震性と断熱性について。住宅展示場でいろいろプレゼンされると、やはり気になります。高森氏によると、優建では耐震等級1と断熱等級4が標準仕様とのこと。予算を足せば、いろいろな技術は導入できますと。ちなみに耐震等級の目安はこちら。ALSOKさんから拝借しました。


もちろん、耐震性も断熱性も優れているのがいいけど、そこは予算あっての話。水野氏も含め三者で話したところ、耐震等級は1のまま、断熱については吹き付け断熱を追加しようという話になりました。こればかりは自分をどう納得させるかですね。

私の場合は、こんな感じ。断熱性は日々恩恵を受けるけど、耐震性は大地震が起きるまで何もない。仮に大地震が起きたときに、オプションで強化していれば絶対大丈夫というものでもない。それに毎日を快適に過ごすには、デザインや設備にお金を掛けることも大事かなと。


ちなみに前の家のときは東日本大震災より前だったからか、私がバカだったからか、こんな話は一つもしませんでした。それでも震災でビクともしなかったのは、なんだかんだいって良い建築会社だったのかも知れません。

ひきつづき、初回の打ち合わせでの話。今回はデザインの方向性についてです。

 

ドリームプランと同様、好きなディテールも一旦まとめてテーブルに乗せます。彼らの施工実績や、こちらで集めたPinterestなどの画像を見ながらあれこれ話す、とても楽しい時間です。



全面本棚とかいいな、とか。



こんな空間をつくりたいなとか。



この床いいじゃんとか。



玄関ドアはこういうのとか。



この打ち合わせをして気づいたのは、自分たちの方向性がまとまっていないこと。床材とか、ヌックとか、天井という部分的な好みは集められますが、全体として見るとぜんぜんバラバラなんですね。

かといって、〇〇スタイルでバッチリ統一するのも何だか照れくさい。我ながら面倒なやつです。

 

デザインの話をしていても彼らの「絶対ダメ」は、ちょいちょい出ました。たとえば、天井も床もウッドにするのはいいけど、同じフローリングにするのは「絶対ダメ」。確かにそう言われて他社の例を見ると、それをやっちゃってる物件はけっこうあります。そうした「絶対ダメ」を知ったうえで見ると、いろいろダサいものがわかってくる。もうあの頃には戻れません。


部屋を明るくしたいなら、壁は白の一択。光を反射させるわけですね。で、その取り込み方も東西南北で変わってくる。他にも建具のラインはきれいに揃えるとか、壁面収納はある程度オープンにしないと印象が重くなるとか「絶対ダメ」が彼らのデザインをつくっているのでしょう。

 

このあたりを決め込むにはまだ時間があるので、まずはその間に「絶対ダメ」の手ほどきを受けて、一から出直そうと思います。

いよいよハウストラッドとの打ち合わせ。酒屋の倉庫を改装した事務所には洒落たカフェを併設。バリスタが淹れるおいしいコーヒーを飲みながら、制限なしのドリームプランを伝えていきます。まずは要望をすべて採り入れたプランと見積もりを出してくれ、そこから削ってリアルプランに収めていくという流れです。

 



後で削ればいいので、たいていの要望はひとまず聞き入れられますが、いくつか絶対おすすめしないと言われたものもありました。たとえば、全館空調は「夫婦共働き&子供は学校」なので日中も空調する必要はないし、冷蔵庫大の機械室が邪魔。だったら床暖房と吹き付け断熱の方が絶対いい、と。


それからサイザルの床もリビングに敷くのは絶対やめた方がいいと言われました。子供が小さいうちはいろいろこぼすし、お父さんも酔ってワインとかこぼすでしょ、と。図星です。

 

彼らはときどき「絶対」と言い切るのですが、それがとてもありがたい。私は気になることがあると調べたくなるタイプで、当然、住宅設備についてもネットで検索しまくりました。正しい情報ならそれで問題ないのですが、玉石混淆なのがネットの世界。たまにガセネタや生活環境が違う発信者の情報をつかむわけですね。


それを「お宅には合わないから絶対やめろ」と言い切ってくれるのは、素人としてはとても頼もしい。素人がネットで調べた浅知恵なんて知れてますからね。それより彼らの経験やセンスを濾過した上での「絶対」は、疑う余地もなく無駄な時間を節約できます。

 

自分たちがいいと思うものをつくっているからこそ「絶対」と言い切れるのでしょうね。

3回建てないと理想の家はつくれない。4回でしたっけ?そんな話をよく聞きますが、都合リノベを4回もした私は、なかなかの経験者かもしれません。最後のリノベは、ハウストラッドによるもの。今回はそのときの話です。

 

リノベの目的は、狭いⅡ型のキッチンをどうにかすること。若い頃は家で料理もしなかったので、キッチンは簡単な造作。見た目は良かったけど、収納が少なくて使い勝手は正直ダメでした。これがリノベ前のキッチンのようす。



普段のキッチンの姿。電子レンジは冷蔵庫の上。



使う時だけテーブルが出現。するのですが、やはり出しっぱなしになります。


冷蔵庫の上は危ないので、電子レンジを移動。作業スペースがなくなりました。



可動棚は鉄製の本棚にキャスターを付けただけ。めちゃくちゃ重く、上段の奥は物が取れない。



このころ子供が生まれて料理するようになり、キッチンをリノベしようという話になったわけですが、ここでまた私が面倒なことを考え始めます。


「システムキッチンの機能は欲しいけど、ツルンとした感じは嫌だ。いい方法はないものか?ただし金はない」そんなタイミングで友人に紹介されたのがハウストラッドでした。

 

彼らが提案してくれたのは「ベースはIKEAのシステムキッチンで、扉だけ造作する」というアイデア。なるほど、それならコストを抑えつつシステムキッチンの使い勝手と見た目を両立できます。しかも、インテリアの中心的存在だった60年代のデンマーク製ウォールユニットをキッチンの一部に使って全体をなじませるという発想。驚きました。



リノベ後がこちら。写っていませんが、写真右側に冷蔵庫と大きな収納があります。


 

レイアウトは、予想外のL型。使いやすいキッチン動線の基本は「シンクと冷蔵庫とコンロの三角形」なのだそうですが、狭いスペースで見事に実現されており、さらに食洗機もオーブンもビルトイン浄水器も設置できました。そのうえL型キッチンではデッドスペースになりがちな角の奥も、ダイニング側に引き出しをつけて解決。ホットプレートやカセットコンロをテーブルに出しやすく、使いやすさもバッチリです。



 

私は細田氏が一休さんに見えました。そして、いつか彼らと家を建てたいと思うようになったのです。