タイに住んでいる日本人を見ると、年末年始に必ずしも帰国しているというわけでもない。しかし、自分に関して言えば、親戚などとの集まりなどもあるため、帰国することが習慣となっている。
 年末年始は航空券の価格が高い。バンコクと東京の往復だと、JALやANAといったレガシーキャリアの直行便では10万円をゆうに超え、エアアジアなどのLCCの直行便であっても7万円台となる。荷物料金を含むとなると8万円台となる。そういった状況でおトクなのは経由便である。香港経由のキャセイパシフィック航空、上海経由の中国東方航空、北京経由の中国国際航空は年末年始にも関わらず6万円ほどでバンコクと東京の間を往復できる。荷物料金を含んでいて、2回の機内食がつき、場合のよってはマイレージも加算される。
 さて今回は、北京での1時間半ほどの乗り継ぎを含むバンコク・羽田の往復便を利用する。

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 自分が登場する北京行きの便だけが遅延している。


 これが乗り継ぎがある場合のリスクで、最悪、乗り継げなかったり、乗り継げたとしても荷物が届かないロストバゲッジが発生したりするが、心配しても仕方がない。


 中国国旗をリュックサックにつけたりする中国旅行者の気持ちがよく分からない。旅行先で、歓迎されなくなりそうだ。


 機内にライター、マッチを持ちこもうとした非常識な旅行客がいたために全員が、機内に持ちこむ荷物の再検査を受けることになったのだが、さらに複数個が出てくる。
 乗り継ぎ時間が1時間半しかないのに、すでに1時間が遅延してしまう。


 機内の安全の関するビデオはかわいい。


 中国はなんでも、パンダを推せば贖罪されると思っている。


 機内食はあまりおいしくはない。
 乗務員に英語で話しかけたところ、英語のできる乗務員を呼んでくるのでお待ちくださいといったような反応をされたが、それでどうやって国際線が成立しているのだろうか。


 映画などを見つつ、北京へと向かう。


 零下8度の北京へと到着する。
 飛行時間4時間半(バンコクと北京は案外近い)ほどで、30度以上気温が下がる。空気は冷たく乾燥していて、辛い。


 荷物検査など、空港職員の手際は悪く、愛想もない。本当に首都なのか、疑わしい。中国での乗り継ぎならば、上海の方がよい。


 ライチのジュースが唯一の買い物であった。
 結果的に言えば、羽田行きの便もやや遅延していたため、乗り継ぎは間に合った。


 2回目の機内食はお粥である。ザーサイを入れて食べるとおいしい。
 香港問題によって中国に対する心象の悪くなった一年であったが、中国文化は魅力的だし、次に北京に来るときは空港の外を観光してみたいと思うばかりであった。


 ソウル付近上空を通過していく。
 バンコクを1時間遅く離陸した時はどうなるかと思ったが、結果的に言えば人も荷物もほぼ定刻に羽田空港に到着することができたのであった。