リボンわたしの自己紹介ストーリーリボン

 

 

 

自己紹介③

夢に見た海外就職でも大挫折。

もう立ち直れない・・・と思ったその時

私に訪れた転機。

 

 

前回までのストーリーはこちら。

【自己紹介①】身の程知らずの女子アナ志望。そして今の私ができるまで。

【自己紹介②】不採用通知の束に追い打ちをかけた失恋。そして私は・・・。

 

 

 

 

 「いいから早く、日本に帰って来なさい!」

 

 

 

 

ついに母親のみならず、

電話口で父親がこう言った。

 

 

 

 

 

 

2000年6月。

わたしは香港のコンビニの

公衆電話の前で固まっていた。

 

 

 

香港での生活は

決してうまくいっていなかったが

いま日本に帰るのは、

いやだったのだ。

 

 

 

 

 

当時の私は

大きなストレスをかかえていた。

 

 

 

大げさではなく、

うつ病寸前のところを

なんとか生き延びる日々だった。

 

 

親が心配するのも無理はない。

 

 

 

 

 

 

全てを日本において

香港へやってきた自分。

 

 

 

煌びやかなネオンと

超高層ビルに圧倒され

 

 

私、ここが好きかもしれない!!

 

 

 

そんなワクワクが

止まらなかったのは

仕事を始めるまでの数週間。

 

 

 

 

 

ホテル勤務(研修)が始まった頃

やる気が空回りしていた私は

 

 

なんとか

新しい仕事を覚えようと

頑張っていたけど、

 

 

 

 

結論から言うと

実力不足でダメだった。

 

 

 

 

まず、自分の英語は

使えない英語だった。

 

 

 

研修を受けるための

テストの点数では

合格だったのだが、

それだけでは通用しない。

 

 

 

臨機応変な現場の英語は、

やはり話せない。

 

 

 

そのことに

現地に入ってから気が付く。

 

 

 

 

 

研修という名の下に

 

「何か教えてもらえるのか」

と思った自分が悪いのだが、

 

 

 

誰も何も教えてくれないままで

急にホテルのフロントに立ちつくし

役に立たない自分を責めた。

 

 

 

 

 

ホテルのお客にも

上司にも怒られて

 

たった一人で、

孤独をかみしめながら

なんとか、自分を奮い立たせる。

 

 

 

我慢ばかりが

降り積もっていた。

 

 

 

そういう日々にも

ほころびが出てきて

 

 

朝起き上がれなくなったり

 

出勤前には公園のベンチに

しばらく座って

呼吸を整えてからでなければ

出勤できない日も出てきたのだ。

 

 

 

 

 

夢に見た海外就職は

とことん冷たい現実

を見せてくれた。

 

 

 

 

 

 

学生のころ、

ホテルが好きだと思ったけれど

 

 

そこで働くことは

素敵だと思ったけど

 

 

 

それは勘違いだったんだね

 

 

 

 

 

わたしはそう悟り、

悲しみをこらえながら、

声を殺して泣いた。

 

 

 

 

 

 

彼氏も失ったけど

 

 

またひとつ大きな、

すごく信じていたものを失った。

 

 

 

 

 

 

自由だった

学生時代が懐かしく

 

 

口うるさかった

家族が恋しくなり

 

日本の全てが良く思えた。

 

 

 

 

 

 

あんなに憧れた海外生活が

こんなにもみじめなものだと

誰が想像できただろう。

 

 

 

 

 

一人で食事すること。

 

 

 

フードコートで

決して美味しくもなく

安い食事をして、

 

 

そこでふと

明日も同じように

たった一人の

自分のことを想った。

 

 

 

 

 

 

それはとてつもなく恐ろしく

長く深い闇に思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

何も見えないのに、

何かを探したくて

もがいている自分がいる。

 

 

 

 

 

けっして

日本を離れたからと言って

 

自分は「変わること」などできない。

 

 

 

 

香港はまざまざと、

それを見せてくれた。

 

 

 

 

 

たった4か月で、

私は海外生活に

深い挫折を覚え、

 

 

またしても

自信を無くしていた。

 

 

 

 

 

 

狭いアパートの家賃は高く

給与は出ていたけど

お金に全く余裕がないし、

頼りになる人も周りにいなかった。

 

 

 

 

 

 

そう、自分ひとりしか、頼りにならない。

 

 

 

この情けない、自分しか。

 

 

 

 

 

 

 

ひとしきり泣いた後、

わたしは自分の夢や憧れに

決着をつけることにした。

 

 

 

 

 

今の生活にけじめをつけよう。

 

 

 

 

 

 

 

そう、次の一歩とは

ホテルを辞めること。

 

 

 

 

 

 

私は再び動き出した。

 

 

 

 

 

続く。

 

 

次回はこちら!

 

【自己紹介④】私が退職届と一緒に上司に叩きつけたモノ。