(元記事)
https://www.citylab.com/equity/2019/03/berlin-transit-fare-frauenticket-women-equal-pay-day/585064/  by Feargus O'Sullivan Mar 15, 2019

 

(内容)

 

月曜日、ベルリンを電車移動する女性たちはいつもより少しだけ料金が安く、そして少しだけ男性よりも安いことに気づいた。

3月18日に限り、ベルリン市交通局(BVG)「Frauenticket」という特別パスを販売した。通常7ユーロのところを21%引きの5.5ユーロで市内のどこでも行ける1日チケットである。BVGは、ドイツの全国的な「Equal Pay Day」である3月18日を記念してこのチケットを販売したのである。この割引率はドイツ人女性労働者の賃金が男性労働者より低い割合に相当している。

この特別チケットは同じサービスに対して割高にすることで男性を逆に差別していると言うこともできる。しかし、こうした議論について、BVGは率直にプレスリリースを出している。

今回の行動で男性が逆差別を感じているとすればそれは私たちの本望ではありません。もしそう感じるなら謝罪します。ですが、平均21%安い賃金の女性には一体誰が謝罪してくれるというのでしょう?ベルリンの殆どの男性は今回の行動を理解するだけでなく、サポートしてくれています。なぜなら、この連帯を示す小さな行動は、女性が年間ベースで奪われている収入に比べれば微々たるものだからです。

生物学的女性であろうと、トランスジェンダーであろうと、
Frauenticketは女性として生活する全ての人が利用できると、BVGは言っている。

この運動は3月8日の国際女性デーを受けて行われたものである。今年、ベルリンは初めて祝日として国際女性デーを祝ったが、1991年のベルリンの壁崩壊前に東ベルリンで年一度行われていた祝日をリバイバルしたものだった。また他のドイツの州より祝日が少なかったベルリンの状況を一部改善する意味もあった。

こうした二つの動きは、ベルリンやドイツが特段に進歩的で女性フレンドリーな場所だという印象を与えるかもしれない。しかしながら、実際のところ現在のドイツにおける雇用機会均等は非常にお粗末なものである。ドイツの男女賃金差はヨーロッパ各国の中で下から三番目に大きく(エストニアやチェコより下)であり、5.5%以下の差しかないイタリア、ルーマニア、ルクセンブルクより格段に大きいのである。

ドイツには教育機会についても男女差があり、カレッジ・レベルでのSTEM(科学、技術、工学、数学)学科入学における女性の占める割合は28%しかなく、家庭の外に出て働く女性に対する文化的態度は特別厳しいものがあり、女性にとってのこのシステマティックな財政的、制度的障害という背景に対して、たった1日であれ割引チケットを通じて不平等に光を当てる試みは、非常にタイムリーで穏やかなものであると思われる。


(Global Gender Gap)

  Germany 0.766  Japan 0.66

(ベルリン地下鉄)