朝の登校。正男は学校に向かって歩いてた。今日はいつもの学校へ向かう道とは違う道を歩いてた。


いつもの道を歩くと昨日のゲートボール場を通ってしまうので違う道を歩いてた。


今日の正男の足取りは軽い。


だって友達がいるんだもの!!


正男は久しぶりに学校への道のりが遠く感じた。こんなに遠く感じたのは高校の入学式以来だった。


なぜ入学式に遠く感じたのかは「高校に入ればなにかが変わる・・絶対そうだ・・」


と思ってちょっと期待していたからだ。


しかし高校一年は中学のころとまったく変わらないいつもの生活だった。


しかーーし!!高校2年は違う!


だって友達がいるんだもの!!


登校中、4人の高校男子が楽しそうに一緒に登校していた。


ふっ!俺も今日から俺もお前らの仲間入りだ!


と、頭の中で考えた。


ようやく学校につき、いつものように3階まであがり、教室に入り、席に着き、授業を受けて、弁当食べて、


パシリに使わされ、また授業を受けて、そして下校した。








え?







いやいやいやいやいやいやいや!!!!



ちょっと巻き戻し!!!!


きゅるる・・・



ようやく学校につき、いつものように3階まであがり、教室に入り、席に着き、授業を受けて、弁当食べて、

パシリに使わされ、また授業を受けて、そして下校した。




おい!!!!



いつもとかわんねーーYO!!


あーーー、友達と思ってたのは俺だけだったとか?


・・・死ねよおれ・・・・


正男はトボトボと家にかえっていった。昨日の楽しい思いでを振り返り、ゲートボール場はやっぱり


避けてかえった。


家について、晩御飯の時間。今日のおかずは・・・


野菜炒め・・・・なに考えてんだよ・・・肉ねーじゃん!!!


正男は3分で晩御飯を終え、部屋に向かった。


部屋のドアを開けようとした瞬間!部屋の中から「ピピピピピ・・・・」


え?・・・・電話!????


これは正男の携帯のの着信音だった。


正男は勢いよく部屋に入り、携帯をとった。


しかし電話ではなくそれはメールだった。


正男はちょっと感動していた。


正男の携帯が初めてメールの着信音を吐き出したのだった。(親はメールが使えない。)


メールはドーダンからだった。


メールの内容は・・・・





    6/12  19:05

SUB 落としたい!!

Frm ドーダン

__________

深夜3時にスコップとオニ


ギリを持って種米小学校


の畑前集合!!

正男はライブステージの上で高らかにシャウトしていた。

「ハッッローーーーーーーーーーーー!!!!!」

そのシャウトに大勢の観客が狂喜乱舞。

そして軽快にドラムがリズムを刻みだし、ギターとベースが重なった。

正男はギターをかき鳴らしながら、叫びまくった・・・・・

と、突然後ろのドアがガラっとあき、暗い部屋に蛍光灯の光がついた。

正男はかき鳴らしていたギター(コンポのリモコン)をぴたりと止め、

体が石化したように動かなくなった。そしてドアの方から

「・・・・・・ご飯食べなさい。」・・・・・ガラ・・・・

ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

母ちゃんに見られたーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ああああああああああああああぁあああああああああああぁぁぁぁあ

「家出だ・・・家出しかない・・・んで誰もいない山の中に家を建ててそこでひっそり暮らそう・・・」

と、昨日までの正男ならドラえもんののび太適な行動を考えただろうが、今日の正男はちがった。

いや、いいじゃないか・・・だって俺には友達がいるんだもの!

若干わけわからんが・・・正男には友達ができた。ドーダン。学校一の変人。

あの自転車ダイブをした後、ドーダンの自転車はチェーンが切れてタイヤが変形し壊れてしまったが、

「やっべー・・・やっべー・・・超体いてぇ・・ふは・・・ふははは」

「よく骨折れてなかったよね・・・ぶふっ」

二人は走りながら大笑いした。なぜ走っているのかというと、ゲートボール場に突っ込んだとき、

ゲートボールにいそしんでいた、老人がすごいスピードでこっちに走ってきて、

二人は怒られると思い、自転車を置いて全速力で逃げ出した。二人とも腕にかすり傷だけですんだのは

奇跡だった。

そのあと、「正男くん!携帯教えてよ!」

「え、うん!」

こんな簡単なやりとりで携帯の番号とアドレスを交換した。

正男の携帯に父ちゃんと母ちゃん以外のメモリーが初めて記録されたのだった。


ここから忙しい高校生活がはじまるのだった。

長崎正男はなにがなんだかわからなかった。


今一緒に並んで歩いている「ドーダン」という男は背が高くてほっそりして、若干アゴが割れていた。


小学校6年生のころ正男のメガネのレンズをエアガンで叩きわった男だった。


正男はメガネが壊れたことを親に言ったら死ぬほど怒られるから泣きながら帰れないでいたら


ドーダンの父さんが使っていた古いメガネのレンズを持ってきた。


レンズの形は正男のメガネとよく似ていたがよーく見ると結構簡単に見分けがついた。


だが二人はそれを持って近所のメガネ屋に行き、無理やりレンズをつけてもらったのだった。


正男は今でも親にそのことを言えずにいた。だからメガネは小学校の頃から変わっていない。


っていうか親気づけよ!!


どうして一緒にあるいてるんだ?


「いつもさぁ、なに聞いてるの?そのヘッドフォンでさ」


結構無言のまま歩いていた二人だがドーダンが急に聞いてきた。


「え、あー。俺ロックが好きなんだ。」


「まじで!?おいも・・お・・・おいも・・・好きばってん・・・」


やっぱ変なやつだ・・・と正男は思って、苦笑いしたがドーダンはそのまま続けた。


「正男くんはいつもそういうの聞いてたのか。ミッシェルガンとか聞かない?!」


「ミッシェルガンエレファント!?聴くよ!ラストライブは死ぬほど行きたかったよ。


 でも岩手にはこないしね・・・」


正男は、音楽の話は大好きだったが、正男は音楽を話しているという自覚はあまりなかった。


今この瞬間、正男は友達っぽい会話だなーー・・・っとふつふつ喜びを感じていた。


「おおーー!俺もすっごい行きたかったよーーー!!」


「だよね!CDで聴いたんだけどライブの最後の世界の終わり。鳥肌がたっちゃったよ!」


「うおおおぉぉぉおおぉ!!」


ドーダンは狂ったねじ巻き人形のように自転車にまたがりながら上半身だけ暴れだし、


自転車にまたがりながら、


「正男くん!!乗れよ!のっちゃっいなよ!!」


正男はちょっと笑って自転車の後ろの荷台にまたがった。


ちょうど結構急な下り坂の場所だった。下り坂の先はゲートボール場、ちょうど左にカーブしていた。


老人たちがゲートボールにいそしんでいた。


ドーダンは勢いよくペダルをこぎ始めた。自転車のスピードと正男の恐怖感がシンクロした!


「うぉおおおぉぉおおぉぉ!!」


すごいスピードだった。

ちょうどカーブあたりに差し掛かって正男は叫んだ!


「ど、ドーダン止めてーーー!!」


「ぶ、ブレーキがきかないーーー・・・」


え?


彼らはカーブを曲がりきれず空を飛びETになったのだ・・・







が、すぐ失速し、二人はゲートボール場に突っ込んだ。

一日の授業がすべて終わりようやくいやーな学校から脱出する時間がやってきた。


急いで教科書をバッグにしまい、ヘッドフォンを首に下げてダッシュで学校を抜け出した。


学校からでた瞬間にちょうどいい気温ときれいな夕日のオレンジ色が町中を支配していた。


正男は夕方が好きだった。昼なら腹が立ちそうなカップルの馬鹿笑いや、大勢の友達に囲まれて大笑い


しているやつらを見ても夕方なら許すことができた。


正男は走りながらちょっと大きめの声で歌い始めた。


この世の沙汰はUSODARAKE♪


この世の沙汰はUSODARAKE♪


この世の沙汰はU・S・O・D・A・R・A・K・E~♪


夕方に歌う歌でもないだろwと突っ込みたくなるわけだが・・・


走っている最中に正男はハッと気がついた。前を見ると学生服を着た高校生が自転車にまたがり、


ニヤニヤしながら正男を見ていた。


しまったーーーーー!!?聞かれた!?


正男は急に歌を鼻歌に変え、ふーふんーふ~ん~♪(;-0-)と顔を真っ赤に変えそのまま走った。


「正男くん!!」


と声をかけられてしまった。


ぎゃーーーーー!!!どうしよーーーー!!!


正男はその場に固まり、「な、なに?」と聞いた。


ニヤニヤして近づいてきたのは学校一の変わり者の「ドーダン」だった。


「一緒に帰ろうぜ!」

種米高校のお昼休み、長崎正男はお弁当を食べ終え、


いつものようにヘッドフォンをあてて音楽を聴いていた。聞いている音楽は「くるり」の図鑑という


アルバムだった。


あー・・・このころのくるりは最高だったんだけどなぁ・・・今のくるりは一体どういうことだよ。


聴いててホントにつまんない。


などと愚痴を頭の中でしゃべっていた。くるりのメンバーやファンのみなさん、本当にごめんなさいw


と、突然長崎正男の肩にポンポンとなにかがあたった。


あー・・・きたか・・・


と後ろを振り返りヘッドフォンをはずした。


「コーラ3本よろしく!」


正男は金を受け取り、またヘッドフォンをあててダッシュで学校一階の自販機にむかった。


そうです。正男はパシリにさせられていたのです。でもこれはお金を渡されてまだいい方で、


お金を渡されないときもあった。それはおまえの金で買って来いといういやーな意味であった。


死ね!あいつら死ね!!掛け布団と敷布団間違えて寝ろ!!


と悪態を頭の中で叫びまくりながら階段を駆け下りていった。


ようやく自販機前につきいざ買おうと思ったら、もらったお金がどこにもなかった。


ポケットに入ってない・・・・


落とした・・・?ヘッドフォンしてたから落とした音もきこえなかったのか・・・


あーあーああーあーあー・・・神様・・・俺を一体どうしたいんですか?俺がなにをしたんでしょうか・・・


なにかーがちーがうと考える頭ーは真っ白に~♪


なにかーがちーがうと考える頭ーは真っ白に~♪


くるりの青い空が無常にも正男の頭の中を流れていった。

彼は高校2年生、長崎正男。片玉だけ度数があわなくて形の異なる眼鏡をかけている。


彼は今自分の部屋で漫画を読んでいた。そして読みながらふと思った。


俺はどうしてこんなに友達がいないのだろう・・・


そうです。彼には友達がいませんでした。まったく。


学校へいっても話す相手がいなく、昼休みになっても一人でお弁当をたべていた。


彼にとっては学校は間違いなく勉強だけを教わる場所だった。


ここは田舎、種米町。どのくらい田舎かというと、最寄の24時間営業のコンビニまで車で30分。


あーあーあーあーあーーーあー、友達がほしい。お・と・も・だ・ち・がほ・・し・・・い・・・・・・


がく・・・・


一人こ芝居を終えた正男は漫画を床において立ち上がった。


もう高校2年だよ・・・おかしいだろ・・・一人や二人いてもいいんじゃない?


なにも彼女がほしいとかいってるわけじゃないじゃない・・・友達だよ?友達・・・


・・・・・・神様は正男をみてちょっと鼻で笑った。だって手を合わせて部屋の天井に向かって


お祈りしてるんだもの。


こんなことばっかりやってるから友達ができないんじゃない?


正男の頭の中で神様が半笑いで言った。


うるさいよ、これだから神様ってさ・・・


・・・・本物の神様ごめんなさい。さっきいったことは嘘です。正直に誤ったから友達一つください。


・・・・すいません。友達一つって、友達は物じゃないですものね?言い直します。


友達一人ください。


でも天井からは友達はふってきませんでした。


あたりまえだよw とみんな突っ込みたがるでしょうが静かに見守りましょうw


正男は


そろそろあれをやるか・・・・


とおもむろに部屋の電気を小玉にした。部屋にうすーいオレンジ色の光が支配した。


よし・・・と正男は金を貯めて必死に買った、1万五千円のヘッドフォンを装備しコンポの再生ボタンを


おした。


その瞬間ヘッドフォンから超爆音が鳴り始めた。CDはナンバーガール、ラストライブの


札幌OMOIDE IN MY HEAD 状態


この瞬間だけ正男はコンポのリモコンをギターとし、


ナンバーガールのボーカル向井秀徳へと姿を変えるのであった。


その光景ははたから見たらかなり異様だった。


これをやってる瞬間だけ、正男はギターの達人とかし、全ての人間から注目される人間になるのだった。


手は激しくギターをかき鳴らし、家族に聞こえないようにシャウトしてるふりをした。


40分ほど一人ライブは続き、正男は額の汗をぬぐいながら「ふ~。」といった。


そして頭の中の神様もしゃべった。「バカじゃないの?w」