<あらすじ>
反社会的勢力の構成員坂田周平の家屋に五人の面をかぶった人たちが乱入してくる。
坂田の妻は頭部を拳銃で撃たれ射殺される。
お面の一人は幼いころの思い出を語りだし現実逃避を始める。
坂田は頭部に被弾するが一命をとりとめた。


坂田は医療刑務所に収監され、警察に見立てでは坂田周平による無理心中ということになった。
十五年後、刑期を終えた坂田は元弟分の藤田晶に身受けされて仮釈放された。
反社会的勢力はバーで飲んでおり、坂田を見かけた男が以前藤田と組んで血の雨を降らせた過去を振り返る。
すっかり姿が変わって生きた屍のようになった坂田を憐れむ。
バーからの帰り道、昔坂田に組を潰された河野晴夫が恨みで坂田の左腕に包丁を突き立てるが、坂田がノーリアクションだったので捨て台詞を残し立ち去る。
近くで一家惨殺事件が発生し、警察は包丁が突き立っていた坂田を事情聴取する。


取り調べに当たった捜査一課長の篠塚幸太郎は、あまりの現場の凄惨さに幼いころの思い出を語り始めてしまう。
坂田は形相が一変して篠塚がお面の一員であると確信する。
現場で凶器となった包丁が坂田に刺さっていたことから、また罪を擦り付けようとしていると坂田は指摘する。
篠塚は拳銃で警察官三人を射殺し、罪を坂田に擦り付けようとする。
篠塚が坂田に拳銃を向けた時、坂田は左腕に残留していた包丁の先を抜き取り、篠塚の右手の甲を切り裂いた。
続いて坂田は拳を握って包丁の先を挟み込んで、篠塚の胸部に突き立て残りの四人を問い詰める。
篠塚は巴投げで坂田を投げ飛ばし、坂田は様子を見に来た警察官の伊藤を殴りつけて気絶させる。
発砲音を聞きつけたテレビ局が警察署に押し掛け、中から警察手帳を提示しながら坂田が出てくる。
坂田はカメラに向かって言う『人は皆 犯した罪を償なわければならない すべからく全員がだ』
坂田は伊藤の警察手帳を投げ捨て、その場を立ち去る。


伊藤が篠塚に坂田が凶行に及んだようにその場を整えるように命令し、その時篠塚に御前と呼ばれるお面の首魁?から電話が入る。
ジャーナリスト神山桜治は過去の鬼憑伝説のビデオを観る。
神山は坂田が凶行に及んだのでなく、却って被害者である可能性を直感する。
坂田は昔なじみの理髪店に行って頭髪を整えた。


河野がバーで飲んだくれているところに坂田が乗り込み、坂田はビールジョッキで河野を殴りつける。
坂田は河野を締め上げ、罪を擦り付けようとした工作だと吐かせる。
河野はこの絵を描いたのは坂田の状況を把握している藤田だと告白する。
竹本クリーニングに藤田組の若い構成員が坂田に包丁が刺された経緯を知っているものが訪れる。
竹本クリーニングの主人竹本誉は背後から特殊警棒で構成員の後頭部を殴りつける。
竹本は遺体を溶かす手配をし、クリーニング店にはお面がかけてあり竹本がお面の一員だと匂わせる。
竹本の手配した刺客たちが河野に差し向けられるが、坂田によって返り討ちに会う。
坂田は刺客をわざと一名逃がして後を追う。


警察は警察官三名を殺害したとして坂田を特別指名手配にする。
竹本は御前に電話して河野の殺害の失敗と坂田を爆殺する展望を報告する。
逃げていた刺客が飛び込んだ竹本クリーニング店に坂田が踏み込む。
仲間を殺された従業員たちが殺意を漲らせるが坂田によって返り討ちに会う。
その時、置かれていた携帯電話に御前からの着信音が鳴る。


テレビは惨劇の舞台となった会社員の野坂直幸の自宅を写している。
御前に歯向かった野坂宅にお面の五人組が乱入し、首魁らしき男が野坂の嫁と子供を虐殺すると予告し、野坂が鬼になれるか問う。
五人組は野坂が鬼になれないと悟り殺害することにする。


坂田が携帯電話に出ると坂田が血まみれであることを指摘する。
通りでは市長の春原龍が演説しており、坂田は首魁が現市長であることを確信する。
竹本はクリーニング店にある番号に電話を入れると爆発する仕掛けをしており、市長はその電話番号に電話を入れる。
坂田は爆発を背にニヤリと笑う。
電話がワナであると見破っていたのだ。
市長は本物の鬼を見つけた喜びに打ち震え、坂田に娘が生存していると囁く。

 


<感想>
復讐心を生きる原動力にするというのは『ブラック・ジャック』でもあったような。
主人公が鉞振り回す過去があるけどそれはスルー?
やられた人にも家族があるかもしれないのに・・
その罪はいいの? と思わなくもない。
風貌と言いシチュエーションといい、あの人を思い出す喃(?^^;)