※今月実際におきたオレオレ詐欺のお話です

※プライバシー保護の観点から一部言い回しや口調を変更しています


【登場人物】

・父親

・私(N次郎)のニセモノ

・上司(K藤さん)を名乗るヒト


真っ赤な西日が差す暑い暑いある夏の夕方。


テレビではニュース番組が流れ世間では夕飯の支度が始まる時間、実家の白い電話から着信音が鳴り響きました。


電話器のディスプレイには知らない携帯番号が表示されていまます。


父親がいぶかしげに受話器を手にし耳に当てると

電話の主は私(N次郎)を名乗り始めました。


『どちらさんで?』


「わしや、N次郎や!お父さん、大変なことをしてしまったんや!」


どうやら電話は、息子のN次郎(私)からで

事情を聞くと電車で鞄を失くしてしまった様子です。



「カバンには契約に必要なお金がぎようさん入っとって、今日中にそれ支払わんと契約が取れなくなってしまうんや」


「せやから迷惑かけて悪いんやんけど、お金用意してもらえんやろか?!」


声も私にそっくりです。。


『N次郎よ、そんなこと急に言ったかて、大変なんはわかるけどな、まずは会社に相談したんかいや?』


「当たり前やがな、上司のKさんいうのがおってな、今一緒におってくれて色々相談しとるんや。」


『なんや会社には相談しとるんかいな。ほいでいくら必要なんや?言うてみんかい。』

 

「お父さん…それがな…今日支払わんとあかんのがやな…あっ、ちょっと上司のK藤さんに変わるさかい待ってや」


「お世話になっております。N君の上司のK藤と申します。

この度はお父様にもご迷惑をかける形となり申し訳ございません。」


『あんた、そんなこと急に言われてもな、息子から突然金なくしたっちゅうこと聞いてやね、

こっちも面くろうとるんや。こんな話マジなんかいや?』


「はい、お父様。今回N次郎さんが紛失された現金が弊社の重要な契約に必要なものでして…

このままでは弊社もN次郎君も取り返しのつかない状況となってしまいます。そこで、事態を打開すべくお父様に連絡させていただいた次第でございます。」


『うーん。緊急事態っちゅうことはわかったけどな…ほんでいったいいくら必要ですんや?』


「はい、お父さま。今回大変重要な取引先となっおりまして…600万円でございます。」


『え〜。600万かいや〜』


「はい、ただ、N次郎さんが紛失してしまったことは私にも上司としての責任がございますので、なんとか私も一部用立てしなければと思い定期やら何やら動いてまいりました。」


『ほうなんか、えらい迷惑かけますのぉ。おたくさんいくら被ってくれますんや?』


「はい、150万円でございます。」


『な、なんや!たったの150万かいや?!』


年に数えるほどしか帰ってこない息子からの突然の連絡。

かと思えば契約金紛失という不幸の連絡が実家に襲いかかったのでした。