28日に全日程を終了したマリーンズ。プレーオフ第1ステージに向け、30日から練習を開始。
ロッテナインは決してあきらめなかった。今季、3戦全敗だった天敵・斉藤を攻略し、今季初めて5点差を逆転しての勝利。バレンタイン監督は「あきらめなかった打線と、救援陣が勝利を決めた」。首位決戦に詰め掛けた本拠地今季最多の2万8950人のファンも、歓喜の声を上げた。
 5―0の四回、反撃ののろしは上がった。李の29号2ランなどで4点を返し、続く五回にはフランコの中前適時打で同点。そして六回、一死満塁から「思い切り、初球から行こうと思った」と、福浦が右前2点打で勝ち越した。
 このリードを救援陣が守りきった。2番手の小野は9勝目を挙げ、1963年の南海(現ソフトバンク)以来、42年ぶりのチーム6人目の2けた勝利に、あと1勝と迫った。チームは34年ぶりの80勝到達。ソフトバンクとのゲーム差を、4に縮めた。
 試合後、無安打に終わった今江、西岡がグラウンドに出て、打撃練習を行った。さらにコーチ、裏方さんらのスタッフは、総出で球拾いを始めた。ベンチで眺めていたサブローは、「コーチや裏方スタッフが親身になって協力してくれる。ホンマにファミリーですわ」。チーム一丸となって積み上げた、80個目の白星だった。
【カナダ、オンタリオ州トロント、19日】敵地ロジャース・センターでのトロント・ブルージェイズ戦に1番ライトで先発出場したシアトル・マリナーズのイチロー外野手は、9回に逆転につながるバントヒットを決めるなど5打数2安打、1得点の活躍で打率を.303に上げた。シーズン200本安打には、残り12試合でいよいよあと10本と迫っている。試合はマリナーズが9回までリードされていたが、4番リッチー・セクソン一塁手の満塁本塁打で逆転。7対5でブルージェイズを下し、連敗を4で止めた。なお、長谷川滋利投手には登板機会がなかった。

 16日の試合で受けた死球の影響で、指名打者での出場が2試合続いたイチローは、この日から守備に復帰。初回の第1打席は、ブルージェイズ先発のスコット・ダウンズ投手と対戦し、カウント2-3からの6球目、やや内側のストレートを打ってセカンドゴロに倒れたが、3回2死ランナーなしで迎えた第2打席では、2-2からの5球目、同じく内角のスライダーを流して、レフト前ヒットを放った。2番のユニエスキー・ベタンコート遊撃手もライト前ヒットで続いたものの、3番のラウル・イバニェス左翼手がセカンドゴロに倒れ、イチローは二塁に残塁している。3回に3点を先行されたマリナーズは、直後の4回表にホゼ・ロペス二塁手の2ランで1点差。なおもヒットが続き、イチローが2死一、二塁のチャンスで打席に立ったが、1-3からの5球目を引っ張ってセカンドゴロだった。

 3対4と1点を追う6回の第4打席は、2番手のダスティン・マゴワン投手と対戦したが、ワンボールからの2球目を打ってライトフライに倒れたイチロー。依然1点を追う9回表、無死一塁の打席では、この回からマウンドに上がった守護神ミゲール・バティースタ投手の前にバントを転がすと、これが内野安打となってマリナーズはチャンスを無死一、二塁に広げた。この後、送りバントと敬遠で1死満塁。一打逆転のチャンスで打席に立ったセクソンは、ライトへ今季第38号の満塁本塁打を放って試合を決めている。

 その裏、このところ3試合連続セーブ失敗と不調に悩んでいるクローザーのエディ・ガダード投手がマウンドへ。1死満塁から1点こそ取られたもののなんとかその後のピンチをしのぎ、6日以来の32セーブ目を挙げている。勝ち投手は、8回2死から登板したジョージ・シェリルで今季4勝目(2敗)。負けは満塁本塁打を許したバティースタで、7敗目(5勝)となっている。
ロッテの初芝清内野手(38)が19日、今季限りで現役を引退することを表明した。本拠地・千葉マリンでの最終戦となる22日のソフトバンク戦で引退セレモニー及び正式な引退会見を行う。

 初芝はこの日の試合前にバレンタイン監督、瀬戸山球団代表らと会談。「体力的なもの。それに伴って若い力が出てきたことで決心しました」と話し、プロ17年目で現役生活に終止符を打った。88年に東芝府中からドラフト4位でロッテに入団。95年には打点王、ベストナインを獲得し、チームの2位躍進に貢献。03年から代打で活躍し、今年も勝負強い打撃でチームの快進撃を支えた。「プレーオフも残っているので全力で力になりたい。日本シリーズにも行って完全燃焼したい」と初芝。今後は未定だが、指導者としてバレンタイン政権を支える可能性が高い。
[ 9月20日 6時3分 更新 ]
民主党は17日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで、衆院選惨敗の責任を取って辞任した岡田克也・前代表の後継を選出する代表選を行った。

 その結果、前原誠司氏(43)が、菅直人氏(58)をわずか2票差で破り、新代表に選ばれた。

 民主党は40代の新代表の下で、党の立て直しを図ることになる。野党第1党のリーダーが大きく若返ったことは、政界全体の世代交代にも影響を与えそうだ。

 代表選は民主党所属の衆参両院議員による無記名投票で行われ、192人(欠席2人)が投票した。有効投票数190票のうち、前原氏が96票を獲得し、94票の菅氏を制した。

 新代表の任期は、岡田氏の残り任期である2006年9月までとなる。

 前原氏は、代表就任後の記者会見で、「日本の民主主義を機能させ、より良い政策競争を根付かせ、国民の生活向上、安定につながるよう努力したい」と述べ、2大政党の一翼を担う政党として、民主党を立て直す決意を強調した。

 今回の代表選で、前原氏は、衆院選で惨敗した党の改革の基本姿勢として、「民主党を『闘う集団』に変える」と主張。労働組合や業界団体などに縛られない政策立案を訴え、支持を広げた。

 前原氏は同日、21日の特別国会召集に向け、直ちに新執行部の人事に着手。「党内各グループのバランスではなく、能力主義で適材適所を貫く」として、年功序列や“派閥均衡”の人事は極力排除する考えを示した。ただ、小差の勝利だったことから、「それだけ多くの人が菅氏を応援したことをしっかり受け止めたい」とも述べ、挙党一致体制の構築に努める姿勢も強調した。

 政策面では、17日の記者会見で、憲法9条の改正について、「私の意見は1項はいいが、2項は削除して自衛権を明記するということだ。党内議論を進めていきたい」と述べ、自民党などと協議を進める考えを明らかにした。

 民主党内には、前原氏のこうした憲法改正積極論や安全保障観に対し、旧社民党系議員らの反発があり、世代間の融和とともに、前原新体制の課題となりそうだ。
(読売新聞) - 9月17日22時4分更新

第44回衆院選は11日投票が行われ、一部を除き、同日午後8時に投票が締め切られた。全国各開票所での開票作業を経て、12日未明には大勢が判明する。

 11日夕までの読売新聞の取材・情勢分析や、読売新聞社と日本テレビ系列各局が共同実施した出口調査などによると、郵政民営化実現を最大の争点に掲げた自民、公明両党の獲得議席は総議席数480の過半数(241)を大きく超え、与党が大勝する勢いを見せている。「政権交代」を訴えた民主党は不振で、公示前の177議席から後退する情勢だ。

 これにより、小泉首相の続投は確定的となり、小泉内閣が選挙後の特別国会に改めて提出する郵政民営化関連法案は成立が確実な流れとなっている。

 一方、民主党の岡田代表は「政権交代」を実現するとの目標を実現できないことなどから、代表辞任を表明する方向だ。

 300小選挙区のうち、自民、民主両党の対決選挙区は280選挙区に達した。自民党は郵政民営化関連法案をめぐり、33選挙区で分裂選挙となり、31選挙区(公明党候補がいる東京12区、無所属候補がいる広島6区含む)で郵政法案に反対票を投じた候補、民主党候補と三つどもえの激しい争いを演じた。
福岡ソフトバンクの杉内俊哉投手(24)がシーズン20勝に前進した。お得意さまの楽天を相手に、7回途中3失点と苦しみながらも17勝目。このカード7戦全勝の荒稼ぎでハーラーダービー首位に並び、今季の奪三振も182イニングでホークス45年ぶりの「200」超えを果たした。残り先発登板予定は多くて3試合。ポストシーズンにつなぐ投球で、大台到達が期待される。
 左手に記念のボールを握りしめて、勝利のハイタッチを重ねた。杉内が球団史をまた掘り起こした。「200奪三振は正直うれしいです。城島さんが覚えていて、ボールもちゃんとくれましたからね」。ホークスでは60年の杉浦以来、45年ぶりのシーズン200奪三振。記録ずくめの今季に新たな勲章を加えた。
 大台到達の「K」は苦手の沖原から奪った。初回だ。今季14打数6安打だったトップバッターを2―2と追い込むと、飛躍の原動力となったスライダーで見逃し三振。この初回こそ三者凡退だったが、その後は7回途中で8安打3失点と苦しい内容。西武・西口に再び並んだとはいえ、難産だった17勝目に「助かった」と本音も飛び出した。
 今季は両リーグ最高の10・04の奪三振率を誇るが、この日は4奪三振。尾花投手コーチも「久しぶりに悪かった。調子のバロメーターの三振も少なかった」と苦笑いだが、悪くても踏ん張れるのが今季の杉内の強み。直球、変化球ともに本来のキレはなかったが、丁寧にコーナーを突いて大量点だけは許さなかった。
 両手骨折からの復活を誓った今季。三振への執着心は脳裏から消していた。「いくら三振を奪っても、球数が増えたら意味がない。球数を減らして長いイニングを投げることが大事」。奪三振はあくまで白星のアクセントだと意識を変革。開幕からチーム優先の姿勢を貫いた上での大台到達だからこそ、杉内は素直に喜びを表現した。
 目標の人にもまた一歩近づいた。7日にエース斉藤の連勝が止まり、チームも2連敗。春季キャンプでは「和巳さんを超える」と宣言したが、ハーラー独走中も「今季の成績ぐらいでは足元にも及ばない」と言い続けてきた。しかし、けが人続出のチームを救ったこの1勝には、左のエースと呼べるだけの責任感が凝縮されていた。
 楽天戦7戦全勝の左腕と打線がかみ合い、チームも2年ぶりの大台となる80勝に到達。「杉内は最近2試合は足踏みしていたが、20勝が見えてきたね」。王監督も03年の斉藤に続く快挙に期待を寄せた。「20勝はどうでもいい。とにかく、1戦1戦を勝つだけ」。杉内が無欲のラストスパートをかける。 (相島聡司)
甲子園に観戦に訪れた阪神・手塚オーナーも安どの表情を浮かべた。「確信していましたけど、実際に答えをいただいてホッとしたことは間違いない」と笑顔を見せた。
 8日には電鉄本社で行われた星野SDを交えた報告会で役員を前に残留を要請したものの、星野SDからの明確な返答はなかった。それでも「確信しました」と残留を信じていた手塚オーナーは、この日の朝に星野SDから「発表します」との電話を受け、意を強くしていたが「これで決着。それは間違いない。客観的に見てもそう」と騒動の終結を宣言した。
 星野SDに対する期待は大きい。戦力補強はもちろん、営業面においてもさまざまなアドバイスを受けている。「野球界は変革の時。もっと立派な球団にしていかなきゃいかん。グローバル化に対応できるチームに育てていただきたい」と、球団発展への助言を熱望した。
 正式契約へ向けた話し合いはこれから。これまで同様、1年契約となる見込み。年俸などについても「これまでと基本的に一緒」と、若干の見直しにとどめる考えを示した。
(デイリースポーツ) - 9月11日11時4分更新
<阪神21-2広島>◇10日◇甲子園
 虎が、歴史的大勝だ。広島が繰り出す非力な投手陣に容赦なく襲い掛かり、ともに自己最多となる矢野の15号3ラン、金本の35号2ランに、シーツの19号3ランなど計17安打の猛爆。投手の安藤も含めた先発全員打点のおまけ付きで、球団新記録の21得点を挙げて楽勝した。中日が負け、ゲーム差は5。最低でもプレーオフに持ち込める「勝率1位マジック」15が点灯した。
 甲子園のバックスクリーンの得点に「21」が光り輝いた。70年の猛虎史上で最多得点。虎党のボルテージは、絶頂に達した。
 劇勝のプロローグはベテラン2人の年間自己ベスト弾だった。まず矢野が決めた。3点リードの3回1死一、二塁で広島2番手の森の2球目を確実にミート。「スライダーを狙っていた。少し弾道が高かったのでどうかなって思ったけど、入ってよかった」。左中間への自身最多15号3ランで広島の息の根を止めた。
 そしてチームの本塁打キング金本が4回にダメ押しを決める。カウント0-3から速球を思い切りたたいた。「5点差あったので、打つのを迷ったけど(継投陣の)JFKを休めるためにも、打ててよかったよ」。打球はあっという間にバックスクリーンへ。2夜連続の35号2ラン。プロ14年目にして、自己最多本塁打数を塗り替えた。「この球場は(本塁打が)出にくいからね。そういう点ではね…。若いころより体力は落ちたけど技術の問題。こっち(阪神)に来て、打ち方を変えたしね」。
 この日は試合前から特別な感情があった。昼すぎ、星野SDが阪神に残留する意向を表明。テレビで会見を見て、3年前のオフを思い出した。02年11月に広島からFA宣言した金本は岡山市のホテルで当時の星野監督と会談。「優勝するために必要な戦力だ。阪神を変えて優勝しよう」と口説かれ、阪神入りを即決した。「残留表明はうれしいよね。僕をタイガースに呼んでくれた方だし、いてもらわないと困る。ひと安心して、頑張るよ」。
 矢野が頭部死球を受け退場した4回、スペンサーが本塁突入で倉に激突し、騒然とする場面もあったが、最後はシーツが19号3ランで21点大勝劇のフィナーレを飾った。チームの貯金は今季最多の「25」。これで広島戦の勝ち越しが決定。さらに中日が敗れ、5ゲーム差に拡大し、勝率1位マジック15が点灯。岡田監督は表情を和らげ「終わってみれば21点か。最多得点?  そういう意識はなかったです。マジック?  それは1試合1試合の積み重ね。いろいろ考えず、目の前の試合を勝っていくだけ」と話した。V奪回へ、行く手を遮る者は、もういない。【酒井俊作】