振り返ると、ギイが胸の前で十字架を切っていた。

「どうしたんだい、ギイ? いきなりお祈りして」

瞠目した目を開けたギイは、不思議そうにぼくを見た。

「今、ニュースで言ってただろ。今日は、“地球に感謝する日”なんだって」

「ああ、それで地球に感謝してたんだ」

ーなんて可愛いんだ、ギイ。

ぼくがそう感動していたら、静かにぼくの手を取ったギイはさらに続けた。

「託生をこの地球上に作ってくれて、俺と出会わせてくれたんだ。いくら感謝しても、足りないくらいだよ。イエスがもたらした救いを受け取った印に、祈りを捧げたくもなるだろう」

たちまち、ぼくは顔が熱くなる。さすが、アメリカ人だ。

そして、さっきの感動を口にだす前だったことに、ぼくは感謝した。

 

 

地球のためにしてること

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