※過去作品も含むプリキュアシリーズのストーリーに関するネタバレを多く含みます。
※現行作へのメタ的な先読みを多く含みます。
※文字数の関係で、キャラ名は敬称略で統一します。
序文
2/5の1話放送から約3ヶ月経ち、カバトンとの決着を以て1クール=12話が終了したひろがるスカイ!プリキュア。
いろいろと区切りがよく、自分の中で思ったことや今後の展開予想のひけらかし()をしたいということもあって、1クール目を振り返ってそれをブログにしたためよう、と思い立った次第です。
全何回になるかは未定ですが、とりあえず12話を振り返るまで連載したいと思っています。
作品概要
まずは公式配信などで用いられているひろプリの作品概要の説明文。
”平和な【スカイランド】に大事件発生!?まだ幼いプリンセス【エルちゃん】がアンダーグ帝国の怪物につれさられてしまった! 勇敢な少女【ソラ】はプリンセスを追ってふしぎな穴へ。その先はなんと別の世界の【ソラシド市】につながっていて……!? 『テレビ』?『自動車』!?それって魔法の道具ですかっ!?!?でも驚いているひまなんかない!早くプリンセスをお城に帰してあげなくちゃ……! ふたつの世界を飛びまわれ!プリキュアたちの冒険がいま始まる!「ヒーローの出番です!」 ”
主人公がシリーズ初の「異世界出身」であることなどを折り込みつつも、軽快かつ簡潔にまとまった文章。
とはいえあくまで導入部分の概要なので、内容としてはほぼ1話の見たまんま……と、思いきや。12話時点でも地味に触れられていない、気になる箇所が2つあります。
1つ目は『勇敢な少女【ソラ】』という表現。
「え?その通りでは???」と思われそうですが……実際その通りです。(は?)
いや、でも違うんです!少なくとも『劇中では』違うはずなんです。
詳しくは今後の各話振り返りで触れますが、現時点だと劇中ではソラは自己評価なども含め1度も「勇敢」「勇気がある」という表現はなされておらず、むしろ繰り返し「臆病である」ような描写がなされています。けれど、公式の事前説明ではさらっとこう書かれちゃってるんですよね。
ここは『ヒーロー』という今作のテーマにも関わる大事な部分だと思います。
プリキュアのパワーアップや合体技習得に繋がる、所謂「試練回」などでこの辺が話の軸になってくるのではないでしょうか。
とにかく、作中では「臆病さ」がチラつくソラが、公式では既に『勇敢』だと明言されているということです。その意味するところや如何に。
2つ目は『ふたつの世界を飛びまわれ!』という一文。
これを見た時、私はとてもワクワクしました。
これまでのプリキュアシリーズでもプリキュアたちが異世界を訪れることは多々ありました。魔法使いプリキュアに至っては作品前半では丸々魔法界=異世界が舞台になっていたりもしました。
が。
プリキュアシリーズにおいて、異世界と我々の住むような現代的な街のある世界(以下、現代世界)を『自由に行き来』して物語が展開されたことは今のところありません。
まほプリでは確かに異世界を拠点に活動する期間こそ長かったですが、「自由に行き来」はしませんでした。中盤で現代世界に舞台が移ってからは最終盤含めて現代世界で話が展開されました。
スター☆トゥインクルプリキュアでは星空界の惑星を数多く訪れており、星空界という規模で見れば行き来していたとは言えますが……スタプリでは「多様性」の描写に力を入れていたこともあってか各惑星ごとに文化・文明レベルが全く異なっていて、どの惑星も各々が実質的には別の異世界となっていて、そしてほとんどが1度訪れて終わりという感じでした。例外は2回訪れたゼニー星くらいでしょうか?やはり「行き来」という感じはしません。
そう思って再び『ふたつの世界を飛びまわれ!』という一文を見てみると……うん、やっぱりワクワクもんだー!
各種ネットメディアなどでも
"天空の世界「スカイランド」と自然に囲まれた「ソラシド市」、二つの都市を舞台に新たなプリキュアが活躍するストーリーが展開される。 "
と書かれています。これはもう、確定でいいんですよね公式さん!?
……一応、何でこんなに熱くなっているのか説明しますと、要は『一時的に訪問・滞在する』ことと『自由に行き来』できることの間にはとても大きな隔たりがあるということです。
プリキュアシリーズはプリキュアたちが自分たちの「日常を守ること」が物語の根底にあります。各作品の冒頭は「平和な街に住む主人公の前に、何らかの危機に瀕している異世界の住人が助けを求めて現れる」という展開が恒例で、その後も「主人公は元の日常生活を維持しつつ、相手が襲ってきたなら立ち向かう」というやや場当たり的な対処に終始するのがほとんどで、「危機の元凶や黒幕の所在は基本的には不明で、即時的な解決手段も存在しない」という事情もあるとはいえ……個人的には主人公にとって結局異世界は異世界に過ぎず「異世界は守るべき日常には含まれていない」かのように映ることがありました。(そういう背景もあって、自分はドキプリのキュアハートが大貝町の崩壊に泣き崩れるシーンは大好きです。そのあと即立ち直って戦いに赴くという流れも最高。)
いや、偉そうに言ってますが別に彼女たちを責めているわけではなくて(ってゆーか、そもそも私にそんな権利自体ないし。だってまさに今、例えば外国ならウクライナの方々とか、日本なら震災被害で避難中の方々とか、危機に瀕している人々がいるのを知っていながら呑気にブログ書いてますから)。このある種の『他人事感』のようなものは結局『距離』に原因があったと思ってます。行き来するのにコストや労力がかかり過ぎたり、そもそも行く手段自体がなかったりすると、事情を聴いて共感することはできるとしても、本当の当事者にはどうあがいてもなり得ないんです。少なくともその場所は自分たちの日常とは無縁の場所なわけですからね。
これが『自由に行き来』できるのならどうか。
開いていた『距離』はなくなり、異世界=今まで知り得なかった場所も日常の一部となり、事件が起きれば否が応でもプリキュアたちだって当事者になります。解決できるのがプリキュアだけなのなら尚更。
こちらの予告動画の説明文には
” ヨヨがスカイランドへのトンネルの開通に成功する。 ”
との一文が。私が待ち望んでいる展開がもう間近に迫っているーーー!!!
「いやいや、ソラは異世界出身なんだから彼女にとっては現代世界の方が異世界で、実際は今までの構図と同じなのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもですが、それは12話時点でもう既に崩されています。
1番大きいのは、ソラが紆余曲折を経て現代世界の学校に通うようになったことです。
まほプリでもみらいがマホウ界の学校に通うようになるという展開があり、一見似ているようにも思えますが実情は全く違います。マホウ界の学校はカリキュラムが我々の知る普通の学校とは違って自由度が高く、中盤でみらいが現代世界に戻る際にもリンクルストーン探しを課外授業扱いすることでマホウ界の学校に在籍したまま現代世界での生活を再開していました。
が、ソラの通う学校は現代世界の学校であり、我々の知る普通の学校。当然カリキュラムは決まっていてマホウ界の学校のような融通など効くはずもなく、長期休暇を除けば平日は毎日登校しなければなりません。かつ、ソラは学校で既に広い交友関係ができており、ソラが学校を休めば「学校中がちょっとしたパニックになる」ほど受け入れられているようですし、ソラ自身もそれを好意的に受け入れているはず。
つまり、12話までの3ヶ月間、ソラは現代世界で生活する過程で現代世界=ソラにとっての異世界に日常の舞台を獲得していたわけで......ソラの性格上、これをバッサリ放棄してスカイランドに帰るというのは考えづらいです。しかし、ソラはエルをおうち=スカイランドの王城に返すと約束もしていて、返したとしても今後カバトンに代わる新たなアンダーグ帝国の手先が再びエルを狙ってやってくることはほぼ確実。でもエルの本来居るべき場所は現代世界の虹ヶ丘家ではなくスカイランドの王城なわけでして......やっぱり2つの世界を頻繁に行き来するのがエルを守る・育てる上でも、物語を展開する上でも自然な流れになるでしょう(私もこれを書いてる時に今更ながら気付きました(笑)。シリーズの慣例を逆手に取った叙述トリック的な設定作り...感動して言葉も出ません)。
どのくらいの頻度で行き来するかはわかりませんが、今作はプリキュアたちの日常の舞台が過去作から大きく広がり、また、それに伴ってストーリーの展開も幅がぐんと広がっていることでしょう。
とにかく、簡単にまとめるなら今作は物語の舞台のスケールがこれまでより遥かに大きいことが予想される、といったところです。
......次回に続きます。
次回は引き続きアニメ外での情報の振り返り。
放送開始前から何度も話題となっていた「沢山のシリーズ初」「当たり前からの脱却」についてです。
お楽しみに。


