なじょして福島のビジネス、再興すっか
これは?
さあ被災地のビジネス支援のことを考えよう。全国、いや全世界から義援金や物資が届く。仮設住宅の建築も始まった。ガソリンの供給も道路の復旧も徐々に進み、損壊家屋の調査や処理も始まった。津波にさらわれた町では、行政機能を隣地に移し、被災者支援が組織立ってきた。わずか3週間で、すごいことだ。
【拡大画像や他の画像】
一方、「まだ何も支援をしていない」「できることはないだろうか?」と心苦しく思う人たちもいる。私もその1人。でも支援はこれからが本番。被災地への善意のお金と、国の復興交付金を何にどう使うか? そして実際にどう復興するか? それは農業、工業、商業の復興、つまりビジネスの復興である。
気仙沼で被災したお笑い芸人・伊達みきおさん(サンドウィッチマン)のブログには、こんな地元の人の言葉があった。
「必ず、震災時以上の気仙沼を作ります!」
良い言葉だ。気仙沼も壊滅的だと思うが、頑張ってほしい。被災地でも、宮城県は被害の底が見えてきたので、あとは少しずつ積み上げていくだけだ。だが、福島県ではどうだろうか?
●福島県はそこで再興できるのか?
津波の後は原発一色になった。ベクレルやシーベルト、燃料棒にメルトダウン、冷却水に内部被ばく。分かるようで分からない言葉がいっぱい出てきた。放射線漏れだけでなく、漏れる言葉も不安をあおった。退避エリアは半径20キロなのか30キロなのか、屋内待避でいいのか自主避難すべきなのか。避難民は災害だけでなく、政府やマスコミ、世論にも揺らされた。
宮城県や岩手県も、被災に途方に暮れている。だが、頑張れば“そこで”復興できる可能性は高い。だが福島県では、できないかもしれない。物理的な被害だけでなく「風評被害」もあるからだ。
福島県はコシヒカリ産地として名高いが、全県で米の作付けを遅らせる指示も出た。まして浜通りと呼ばれる海沿い地域の漁業はどうなるのか? 放射線の不安が低下しても、風評を恐れて大企業が撤退すれば雇用も失われる。現実に「他県へ移住」という選択をする人も出てきた。
上の図では事故のあった原子力発電所の「30キロ圏」と「浜通り」、「相双(そうそう)」と呼ばれる温和な海洋性気候の地域を表した。この地域資源からいかに復興するのか? 「ここで」であろうと「どこか」であろうと地域資源抜きでは難しい。
●豊富な福島県の地域資源
福島県の地震前の地域資源を、市町村別にまとめてみた。特産物やスポット、立地企業や力になってくれそうな組織である。
北からざっと見ていこう。仙台に近い新地町は自然に恵まれ、エイなどの魚介類もフルーツも花もある。町にはうまい湧き水が何カ所もある。建築家の遠藤新氏などによる歴史的な建築物もある。相馬市は相馬駒焼の陶器で有名。南相馬市もポークやフルーツが知られ、馬追は多くの人をひき付ける行事だ。
飯舘村には名産の牛料理がある。のどかなスローライフ体験や移住もできる。松本さんばかりいる葛尾村も自然の恵みにあふれる。ダイエットでブームのエゴマの産地はここ。浪江町はテレビ番組『鉄腕DASH』で有名になり、また焼きそば店が21もある。
双葉町と大熊町、富岡町、楢葉町と原子力発電所の町が続く。だが双葉町にはダルマ、大熊町にはキウイ、富岡町には桜もある。楢葉町は鮭が有名で、いくら丼もうまい。広野町との境にはJヴィレッジがありスポーツ団体が集まる。内陸部の川内村にはモリアオガエルが生息し、5月になればカエルの合唱が聞こえてくる。
●復興ビジネスアイデアを!
ポイントは「なじょして福島のビジネス、再興すっか」である。「なじょして」は福島弁で「どうやって」。そこでできること、他地域でやれることをいくつか発案してみた(表中赤字はその関連)。
・浪江焼きそばストリートを上野または秋葉原に作る
・飯舘牛丼を首都圏にフランチャイズ展開する。高級路線、1杯700円でよかっぺ
・DASH村の復興ドキュメントテレビ番組を作る。「立ち上がれDASH村」とか
・「浜通りビーチサッカー選手権」を開催する。ラモス瑠偉監督、よろしく
・「Tシャツを桜染めに!」イベントを久米繊維工業さんに提案する
・もりもりランドでツリーハウスを造る企業研修を企画する
・「福島ポタリングラリー選手権」で、海沿いサイクリング&名産品コンテスト
・川内ではカエルの歌の輪唱でギネスチャレンジをする(発想が貧困だ……)
現地で再生できることもあれば、ほかの地域に種苗や製法、ブランドを持ち出してできることもある。発想と行動の起点はユニークな地域資源。アイデアとマーケティング支援なら私も少し手伝える。もし、興味を持ったなら連絡していただけるとありがたい(go@cotoba.jp)。
また、中小企業診断士の端くれとしてこう言いたい。
「全国の診断士の方々へ。東北地方の復興のために、商品開発や事業アイデアを出そう。地元の企業やお店に提案しよう。アイデアを自治体、金融機関、スポンサー企業に売り込もう」
最後に、一般消費者にもできることがある。福島県、宮城県、岩手県の産品を意識して購入すること。今だけでなく、ずっと何年にもわたって買おう。ビジネスこそ現地で現実に切実に必要になる。【郷好文】
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| 福島県観光物産交流協会の地図に筆者追記 |
さあ被災地のビジネス支援のことを考えよう。全国、いや全世界から義援金や物資が届く。仮設住宅の建築も始まった。ガソリンの供給も道路の復旧も徐々に進み、損壊家屋の調査や処理も始まった。津波にさらわれた町では、行政機能を隣地に移し、被災者支援が組織立ってきた。わずか3週間で、すごいことだ。
【拡大画像や他の画像】
一方、「まだ何も支援をしていない」「できることはないだろうか?」と心苦しく思う人たちもいる。私もその1人。でも支援はこれからが本番。被災地への善意のお金と、国の復興交付金を何にどう使うか? そして実際にどう復興するか? それは農業、工業、商業の復興、つまりビジネスの復興である。
気仙沼で被災したお笑い芸人・伊達みきおさん(サンドウィッチマン)のブログには、こんな地元の人の言葉があった。
「必ず、震災時以上の気仙沼を作ります!」
良い言葉だ。気仙沼も壊滅的だと思うが、頑張ってほしい。被災地でも、宮城県は被害の底が見えてきたので、あとは少しずつ積み上げていくだけだ。だが、福島県ではどうだろうか?
●福島県はそこで再興できるのか?
津波の後は原発一色になった。ベクレルやシーベルト、燃料棒にメルトダウン、冷却水に内部被ばく。分かるようで分からない言葉がいっぱい出てきた。放射線漏れだけでなく、漏れる言葉も不安をあおった。退避エリアは半径20キロなのか30キロなのか、屋内待避でいいのか自主避難すべきなのか。避難民は災害だけでなく、政府やマスコミ、世論にも揺らされた。
宮城県や岩手県も、被災に途方に暮れている。だが、頑張れば“そこで”復興できる可能性は高い。だが福島県では、できないかもしれない。物理的な被害だけでなく「風評被害」もあるからだ。
福島県はコシヒカリ産地として名高いが、全県で米の作付けを遅らせる指示も出た。まして浜通りと呼ばれる海沿い地域の漁業はどうなるのか? 放射線の不安が低下しても、風評を恐れて大企業が撤退すれば雇用も失われる。現実に「他県へ移住」という選択をする人も出てきた。
上の図では事故のあった原子力発電所の「30キロ圏」と「浜通り」、「相双(そうそう)」と呼ばれる温和な海洋性気候の地域を表した。この地域資源からいかに復興するのか? 「ここで」であろうと「どこか」であろうと地域資源抜きでは難しい。
●豊富な福島県の地域資源
福島県の地震前の地域資源を、市町村別にまとめてみた。特産物やスポット、立地企業や力になってくれそうな組織である。
北からざっと見ていこう。仙台に近い新地町は自然に恵まれ、エイなどの魚介類もフルーツも花もある。町にはうまい湧き水が何カ所もある。建築家の遠藤新氏などによる歴史的な建築物もある。相馬市は相馬駒焼の陶器で有名。南相馬市もポークやフルーツが知られ、馬追は多くの人をひき付ける行事だ。
飯舘村には名産の牛料理がある。のどかなスローライフ体験や移住もできる。松本さんばかりいる葛尾村も自然の恵みにあふれる。ダイエットでブームのエゴマの産地はここ。浪江町はテレビ番組『鉄腕DASH』で有名になり、また焼きそば店が21もある。
双葉町と大熊町、富岡町、楢葉町と原子力発電所の町が続く。だが双葉町にはダルマ、大熊町にはキウイ、富岡町には桜もある。楢葉町は鮭が有名で、いくら丼もうまい。広野町との境にはJヴィレッジがありスポーツ団体が集まる。内陸部の川内村にはモリアオガエルが生息し、5月になればカエルの合唱が聞こえてくる。
●復興ビジネスアイデアを!
ポイントは「なじょして福島のビジネス、再興すっか」である。「なじょして」は福島弁で「どうやって」。そこでできること、他地域でやれることをいくつか発案してみた(表中赤字はその関連)。
・浪江焼きそばストリートを上野または秋葉原に作る
・飯舘牛丼を首都圏にフランチャイズ展開する。高級路線、1杯700円でよかっぺ
・DASH村の復興ドキュメントテレビ番組を作る。「立ち上がれDASH村」とか
・「浜通りビーチサッカー選手権」を開催する。ラモス瑠偉監督、よろしく
・「Tシャツを桜染めに!」イベントを久米繊維工業さんに提案する
・もりもりランドでツリーハウスを造る企業研修を企画する
・「福島ポタリングラリー選手権」で、海沿いサイクリング&名産品コンテスト
・川内ではカエルの歌の輪唱でギネスチャレンジをする(発想が貧困だ……)
現地で再生できることもあれば、ほかの地域に種苗や製法、ブランドを持ち出してできることもある。発想と行動の起点はユニークな地域資源。アイデアとマーケティング支援なら私も少し手伝える。もし、興味を持ったなら連絡していただけるとありがたい(go@cotoba.jp)。
また、中小企業診断士の端くれとしてこう言いたい。
「全国の診断士の方々へ。東北地方の復興のために、商品開発や事業アイデアを出そう。地元の企業やお店に提案しよう。アイデアを自治体、金融機関、スポンサー企業に売り込もう」
最後に、一般消費者にもできることがある。福島県、宮城県、岩手県の産品を意識して購入すること。今だけでなく、ずっと何年にもわたって買おう。ビジネスこそ現地で現実に切実に必要になる。【郷好文】
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