なぜ同じAIでも、結果に差が出るのか|高精度なアウトプットを生むプロンプト
AIは「与えられた指示に忠実」です。だから、同じAIでも指示(プロンプト)の質で結果が変わります。良いプロンプトは、AIにとって「迷わないための地図」です。良いプロンプトの7つの骨組み(必須パーツ)プロンプトは、次の7点をこの順番で入れると安定します。 目的:何のための出力か 読者:誰が読むか(年齢・状況) 成果物の型:出力の形(箇条書き/見出し/表/コード など) 評価基準:良し悪しを決める物差し(合否条件) 材料:使ってよい情報(本文・データ・制約) 禁止事項:やってはいけないこと 最終チェック:出力前にAI自身に確認させる質問例(ブログ見出しを作る場合) 目的:検索読者が内容を一目で理解できる見出しを作る 読者:旅行計画中の社会人(時間がない) 成果物の型:H2を5個、各30字以内、重複なし 評価基準:「具体的な名詞がある」「検索意図に合う」「被りなし」 材料:この本文だけを根拠にする(URLや貼付け文を指定) 禁止事項:抽象語だけの見出し、流行語、宣伝口調 最終チェック:各H2の下に「狙う検索意図」を()で一言追記高精度のコア原則「S.P.E.C.法」覚えやすい4文字です。 S(Scope=範囲):やること/やらないことを線引き P(Pattern=型):出力の形を固定(箇条書き・表・JSONなど) E(Evidence=根拠):どの材料を使うかを明記(本文のみ/外部禁止 など) C(Criteria=基準):合格ラインを先に示す(字数・網羅・重複NG など) コツ:AIは型と基準が見えると、迷いが減り、精度が上がります。失敗を減らす「5つの明文化」 定義を言う(「短い=○○字以内」など) 例を1つ見せる(完成形のミニ見本) 反例も1つ見せる(ダメな例) 境界条件を入れる(同率、同値、空欄、未知語が来たときの扱い) 優先順位を書く(迷ったらA>Bの順で決める)“高精度”に直結する3つの仕組み1. Few-shot(ミニ見本学習)欲しい形の小さな見本を先に1~2個示します。AIは形をまねるのが得意です。見本 入力:〈本文A〉 正しい出力(見本):〈H2例×2〉課題 入力:〈本文B〉 出力:同じルールでH2を5個2. 役割の指定(ロール)「あなたは編集者です」のように役割を与えると、判断の軸がぶれにくくなります。役割には成果物に直結する技能(編集者、校正者、アナリスト、設計者など)を選びます。3. 二段推敲(自己チェック)1回で完璧を狙わず、出力→自己チェック→修正の二段にします。プロンプト側でチェック質問を入れておくのがポイント。 例:「いま出した見出しは重複がないか?30字以内か?検索意図は分かるか? 問題があれば自分で直して最終版だけ出力せよ。」曖昧さを減らす“定量ルール”集 字数:上限・下限を数字で(例:28~32字) 件数:○件ちょうど(例:5件ちょうど。6件以上はNG) 順序:優先度順/アルファベット順/数値降順 語彙:使ってよい語とNG語を列挙 引用:引用は何文字まで/要約のみ/出典明記 データ:参照元を限定(「貼付け本文のみ」「外部検索禁止」など)出力の形を“固定”すると精度が上がる1. 箇条書きテンプレ 目的: 読者: 結論(1文): 理由(3つ): 行動(手順3つ):2. 表テンプレ(例:比較表) 項目 A B 判定 料金 安い方に◎ 対象者 読者に合う方に◎ サポート 具体性が高い方に◎ ルール:空欄は「―」と書く/不明は「不明」と書く/推測で埋めない。3. JSONテンプレ(機械可読){ "title": "", "bullets": ["", "", ""], "cta": ""}ルール:キー名を変えない/配列の数を固定。「根拠は何か?」の指示の出し方AIに長い思考を見せるよう求めるのはNGなことがあります。代わりに、結論の根拠だけを短く示させます。 指示例:「各主張の下に根拠文を1行(本文の該当フレーズを要約)で付ける。 外部情報は使わない。もし本文に根拠がなければ『根拠なし』と書く。」8.品質を一定に保つ「採点表(自己採点)」出力の最後に自己採点を入れます(数行でOK)。 網羅性:必須ポイント3つを全部入れたか(○/×) 具体性:名詞・数字・固有名を入れたか(○/×) 読者一致:想定読者の悩みに合うか(○/×) 形式順守:字数・件数・表形式を守ったか(○/×) → ×が1つでもあれば自動で修正して最終版のみ出力ありがちな失敗と回避プロンプト 失敗 原因 予防の一文 抽象的で薄い 名詞・数字が少ない 「固有名詞と数字を必ず入れる」 話がズレる 参照範囲が広すぎる 「貼付け本文のみを根拠に。外部情報は使わない」 ダラダラ長い 形式が自由すぎる 「箇条書き5点・各30字以内」 重複する 自己チェックがない 「出力前に重複検査→修正」 断定が強すぎる 不明時の扱いが未定 「不明は不明と書く。推測しない」 調整の順番(デバッグ手順) 型を固定(箇条書き/表/JSON) 基準を数字で強化(字数・件数・順序) 根拠指示を追加(本文のみ、根拠行1行) 禁止事項を具体化(例:比較なしの感想文は禁止) Few-shot見本を1つ足す 二段推敲を入れる(自己チェック→修正)そのまま使える“高精度テンプレ”3種1. 要約テンプレ(情報厳守型)[目的] 本文を、読者がすぐ理解できる要約にする [読者] 時間がない社会人 [材料] 以下の本文のみを根拠に。外部情報・想像は禁止 [型] 箇条書き5点(各30字以内)+最後に一文の結論(40字以内) [基準] 具体名・数字を必ず入れる/抽象語だけはNG [禁止] 宣伝口調、外部リンク [最終チェック] 重複削除→字数超過があれば自分で修正→最終版のみ出力 --- 本文 ---(ここに本文を貼る)2. 比較テンプレ(表+判定)[目的] AとBを比較し、読者に合う方を示す [読者] 初心者 [材料] 以下の表を埋める。不明は「不明」、推測禁止 [型] 表:料金/対象者/強み/弱み/向いている人 [基準] 行ごとに「どちらが有利か」を一言で判定欄に記入 [禁止] どちらも最強、という結論 [最終チェック] 判定に矛盾がないか確認→結論1行 --- 比較材料 ---(必要な事実を箇条書きで)3. 手順テンプレ(チェックリスト型)[目的] 失敗せずに設定を終える [読者] 初心者 [材料] 下の条件だけ使用。外部検索禁止 [型] 前提→準備→手順→確認→トラブル時 [基準] それぞれ3~5項目、各25字以内、番号付き [禁止] 専門用語のみの説明 [最終チェック] 抜け・順序ミスがないか→最終版だけ出力 --- 条件 ---(機種やOSなどの前提を明記)生成AIのプロンプトエンジニアリング ―信頼できる生成AIの出力を得るための普遍的な入力の原則Amazon(アマゾン)大規模言語モデルを使いこなすためのプロンプトエンジニアリングの教科書Amazon(アマゾン)最後に:高精度は「書き足す」より「削って明確化」 やることとやらないことを分ける 出力の形を先に決める 数字で縛る 見本を示す 自己チェックを入れるこの5点を守れば、AIは迷いが減り、精度が上がり、再現性が出ます。AI時代の質問力 プロンプトリテラシー 「問い」と「指示」が生成AIの可能性を最大限に引き出すAmazon(アマゾン)