3年ぶりのバリは

以前と変わらず
活気に満ち溢れているように見えた



ついこの間まで

ゴーストタウンだったとは思えないほど

行き交う人も多く賑やかなバリの街

メイン通りの名物渋滞はコロナ前のまま
バリ島では乗るならブルーバード

と言われている

青い車体のタクシーは

なかなか捕まらないのも同じ

…代わりに grabという

便利なアプリでの移動手段が

バリで流行っていたけど。


一方で

空き店舗や

閉店してしまっていた店を

多く見かけたのは

ここ数年で

バリ島がコロナで受けた

被害の大きさを

物語っていた


馴染みの人気のマッサージ店へ

行ってみたら

草ぼうぼうの

悲しき残骸になっていたのを見た時は

話に聞いていた悲惨な状況が

現実にあったことの証明

ように感じた 

まるで広島の原爆ドームのようだった


マッサージなんて

被害直撃の業界

あそこでお仕事していた人たちは

今どこにいるのだろう?

そしてコロナの間は

どうやって生活していたのだろう?



知り合いの

プチホテルを経営している

日本人は


「車を売って

節約して

とにかくなるべく外に出ない生活をしていた

本当に大変だった」


と話してくれた。


観光で生計を立てている国

バリ島

ある日いきなり観光客が入って来なくなったら

収入がいきなり途絶えるわけだ


日々食べるものにも困っている

元々貧しい人たちが街中に溢れて

その人たちを救うために

町の寄り合い組合みたいな組織が

食べ物を配っていたと聞く。


また

元々野犬の多い街だけど

その犬たちも食べるものがなくて

痩せ細って道端にじっとしていたり

亡骸になっていたとも聞いた



なんとも悲惨な状況だったわけだ。


そんな過酷な状況を3年近く耐えて

今年の冬の終わりから

規制がだんだん緩和されて

観光客が戻ってき始めたのだという


そんな時に

私が上陸したわけだ


だいたい元通りに戻っているように

見えた街並みも

よくよく見れば

姿なき魔物コロナの爪痕が

はっきりと見て取れた。


しかしながら

そんな状況下であったことを

微塵も感じさせなかったのが

バリの人たちの笑顔だ





mau ke mana?

(どこ行くの?)


バイク乗らない?


歩いていると気軽に声をかけてくれる

いつもの光景


歩きたいから良いの


と断ってもその顔は満面の笑顔


また

買い物して交渉してる時は攻防戦だけど

取引が決まると


イブ〜(女性を呼ぶ時の敬称)

インドネシア語上手いね


もうこっちは長いの?


おまけにこれあげるよ


…と至極ご機嫌だ。

たとえ

私の言い値になったとしてもだ


そんな笑顔にたくさん出会って

どんどん私の気持ちはほぐれて

そして

思ったのだ



この人たちは本当に幸せそうだ


と。


元々先進国と比べると

サラリーだってかなり低い

物価が安いとはいえど

生活はかなり厳しいはずだ。


その上

コロナで大打撃を受けたはずなのに…


なぜこの人たちは

こともなげに

心から笑っていられるのだろう?



足るを知る

と言う言葉が日本にはある


多くを望まず

今自分の周りにある幸せに感謝して

それに満足して過ごす

ということ


人というのは

おそらく常に強欲な生き物だ


何かを得ても

もっともっとと

それ以上を望む


ウルグアイの大統領が数年前に

貧しさとは

何を得ても満足できずに

もっともっとと望む心

だと言って

私たち多くの日本人の

もっともっとという

当たり前になっている

気持ちをハッとさせた


果たして

この経済的には豊かな国で

幸せで満たされている

と心から感じている

人達がどのくらい

いるのだろうか?


対して

先進国ではない国

インドネシアバリ島


経済的には日本よりずっと貧しいのに

彼らは本当に幸せそうに

心の底から笑っている


人々は

毎朝神様に祈りを捧げてから

仕事をし

家族や友達と

話をしたりごはんを食べたりして

また1日の終わりに神様に祈りを捧げてから

眠りにつく


神様に守られている

という絶大な安心感から

生まれる

幸福を委ねる気持ち

そして

バリは自然に恵まれているから

貧しくても

食べるものに困るということは

それほどはないというのも

ガッカツしてない理由なのだらうと思う。



一日

食べられて

何事もなく

平和に過ごせたら

それで幸せ


そんな心持ちで

暮らしている人が多い

と思う。

(もちろん例外もあるよ〜)


そんな

掛け値無しの

心からの笑顔を見ると

ほんとうの豊かさとは

お金をたくさん持つことではなく

地位があることでもないことに

気付かされる


幸せだ 

と感じることは

心が満たされている

その充足感を感じられるかどうか


それこそが

本当の豊かさだ


もちろん

先進国には先進国の良さが

日本には日本の良さがある。


けれど

多くの日本人をはじめ

先進国の人達がバリ島に

癒しを求めて

ひっきりなしに訪れるのは


あの島に

本当の豊かさとは

こうだよ


と無言のうちに

教えてくれる笑顔が

あるからじゃないのかな?と

私は思うのです。



3年ぶりの

バリの人達の笑顔と

大きな海と空

豊かな木や花

に囲まれて

数日を過ごして


自分の幸福の尺度を 

決して

他に委ねてはいけない


そう強く思った旅でした。


だからしょっちゅう

ブレないように

バリにいかなあかんねんニヤリ


Terima kashi Bali😊