結局その後永井が帰ってくることはなく、4人は各自帰宅となった。
「明日は土曜だから、みんなで岬の家に行って、日曜日はゆっくり休もう」
という藍羅の意見に全員が賛成し、弁当持参という達しが告げられて解散となる。
その夜、陸人の携帯が鳴る。
「ん…?なんだ珍しい…」
陸人は友達が多いほうではあるが、基本的にメールでのやりとりは少ないため、携帯に連絡がくること自体が珍しいものとなっている。
「…明日楽器持参?岬ん家で鳴らしたら迷惑じゃないか…?」
送信元は岬だった。
明日の集合時には楽器を持ってきてください。といった内容だった。
「岬ん家行ったことないから何があるかわからんが…」
「陸人ーあんた何ぶつぶつ言ってんの?うるさいわよ?」
1人で疑問符をあげている陸人に、姉の空(そら)が話しかけてくる。
「あーごめん。バンドの連絡でさ」
「そこまで聞いてないわよハゲ」
「ハゲ!?」
「あーあー反応まで暑苦しいのねー」
「…酷い言われようだ」
空は、陸人より3歳年上の社会人で、とても毒舌でドSな姉だ。
愛情を感じたことなど一回もない。
「解説で言いたいこと言ってくれるのね」
「作者の言ってることを読んだ!?」
「私くらいになればそれぐらい簡単よ」
「オレの姉は何者っ!?」
「何でもいいけどこの家から早く出てって欲しいのよねー」
「急に辛辣!てか空姉、早く仕事見つけろよ!そしてそっちが出てけよ!」
「私に似合う仕事がこの国にあるのかしら。何で女の子の私が出て行かなきゃなのかしら。そんな女の子に対する配慮が足りないから藍羅ちゃんにも相手にされないんじゃないかしら」
「別に相手にされてないわけじゃねえからな!?」
ちなみに藍羅と空は昔から気が合うらしく、今でも少し交流があるそうだ。
「何でもいいけど家でガンガン楽器鳴らすのはやめろ」
「注意を通り越して命令!?」
「あら、昔3つの願い事を叶えてくれるっていったじゃないの」
「オレはランプの魔人か!?」
……
ぎゃーぎゃー騒ぐ桜庭家の日常であった。