Q267) 主節が仮定法過去の場合に、従属節において時制の一致が起きるのはどんなときか

 

参考文献

1.英文法詳解

 

次のような時制の一致に注意せよ。

If I said I was right, they would think I was insane.

(もし私が正しいといえば、彼らは私を正気でないと思うだろう。)

 said, wouldは仮定法であるが、2つのwasは、それらに時制が一致しただけで、仮定法ではない。しかし、仮定法は意味は現在なのだから、時制を一致させずに、amのままのこともある。

 

2.新TOEIC Test 960点攻略コンプリートマスター

 

I'd be lying if I said I love everything about it .「不満がないといえばうそになるね。」I said の部分は仮定法過去、そのあとの節( I love ~ )は、( said により時制の一致を受けて)過去形になることもある。

 

3.ロイヤル英文法

1)時制の一致が行われない場合

仮定の範囲に含まれず,意味上現在の事であることを示しておくとき。

If Ihad more money, I would buy the car I HAVE long wanted.

*欲しいと思う気持ちは現在も変わっていない。

 

2) 時制の一致が行われる場合

 主節の動詞が過去形であるため,それにつられて過去になる。

If I said I was madly in love with you , you'd know I was lying . (あなたをすごく愛していると言っても,私が嘘をついていると思うでしょう) *仮定法的意味を含む場合が多く、過去に一致する例は比較的少ない。

 

4. THE21 2016年2月号

 I'd be lying if I said I wasn't intrigued.

「興味をそそられなかったと言えば嘘になる」

※つまりは「興味をそそられた」ということだが、それを「~でなかったと言えば、嘘を言っていることになるだろう」と「仮定法過去」を使って表現したもの。

 

 

私の一旦の結論です。

1.仮定法に引きずられて、時制の一致が起こることもある。しかし基本的には、時制の一致は起こらず、従属節の内容の時制に依存する。(文献3)

 

2.時制の一致の一致が起きていても、時制の一致が起きていない場合と、意味としては変わらないこともある。(文献1,2)

※ロイヤル英文法の時制の一致した例文は、これに該当 従属節の内容は事実であり、仮定の範囲内ではない

 

3.ただし、従属節の内容が事実ではなく、仮定法の仮定の範囲内にあるために、時制の一致が起きていることもある。 (文献3,4)

 

※文献4の例文において、"I wasn't intrigued"は明らかに事実に反する内容であり、仮定の範囲内である。これは、時制の一致が起きる場合についての、文献3の記載「従属節が仮定法の範囲内に含まれるとき」「仮定法的意味を含むとき」にも適合している

 

質問:

昨日コメントさせて頂き、返信を頂いてから調べ直し、以上のように結論付けました。

 

質問としては、以上の理解で概ね正しいのかという点と、ロイヤル英文法の「仮定法的意味を含む場合が多い」という記載の意図が、結論3の内容で正しいのか、ということになります。

 

宜しくお願いいたします。

 

参考サイト

https://www.makocho0828.net/entry/kateihou-zisei-180609

 

 

A) 実はこのテーマについて私自身の考えがあいまいでした。それで原稿を書いてから、柏野先生に質問しました。まず、以下の<資料1><資料2>を読んでください。

 

<資料1> 柏野先生への質問1とご回答

今回の質問は、「主節の動詞が仮定法過去の場合」についてです。

添付文書は、質問と私の回答です。

ただ、自分の考えに自信が持てません。

自分の考えでは、

1.主節の動詞が仮定法過去の場合、従属節の動詞は原則として時制の一致を受けない。

2.主節の動詞が仮定法過去の場合、従属節の動詞が惰性で、時制の一致を受けることがしばしばある。

その場合、従属節の動詞が時制の一致を受けない場合と意味が変わらない。

3.主節の動詞が仮定法過去の場合、従属節の動詞が仮定法のため、結果的に時制の一致を受けることがある。

この場合は従属節の動詞が時制の一致を受けない場合と意味が異なる。

 

これでよろしいでしょうか?

 

川嶋さま

仮定法は時制の一致の例外というのは基本的に正しい、と

思います。仮定法と直説法は「法」が異なるので当然だと思います。

 

ただ、拙稿(『英語教育』誌2017年4月号QB)で述べたように

時制の一致は「精神的惰性」で起こることがよくあります。

 

主節が仮定法過去の場合に、従属節の時制が

過去時制 → ほとんどが惰性の一致(江川泰一郎氏の言葉)[ア]

     → 時に仮定法過去として機能 [イ]

現在時制 → 従属節の意味内容がstill trueの場合 [ウ]

     → (2行上の)仮定法過去の代用 [エ]

となると考えます。

 

Huddleston & Pullum, CGEL(p.152)に(1)の例文が載っています。「hadは過去時制

で現在時に言及しているが、仮定法ではない」「聞き手はhad too many commitments

を真だとinferする」と書かれています。ここから考えると、これも惰性の一致の例でしょう。

(1)If he knew she had too many commitments, he would do something about it.

[以下のEccles氏によるとhasは不可]

また、同書では(2)ではwereは不可としています。

(2) If he knew she was/*were too busy, he would do something about it. [同氏によるとisは不可]

 

次に、問題となりそうな3つの例文をLance Eccles氏(ブログ「ジーニアス

英語語法メモランダム」の共同執筆者)に聞いてみました。以下がその結果です。

 

Can we say the following?

(1) If I had more money, I would buy the car I have/had long wanted.

"have long wanted" is correct. I still want it.

"had long wanted" is not correct. It implies I no longer want it.

これは[ウ]の例です。ここでは直説法の代わりに仮定法は使えません。

 

(2) If I said I was madly in love with you , you'd know I was/ am lying .

"Was" is correct. "Is" is not correct.

文脈がないのでよく分かりませんが、[ア]の例だと思われます。

 

(3) I'd be lying if I said I wasn't / am not intrigued.

Both are possible. They mean the same.

"Wasn't" is probably more common. (said ... wasn't)

wasn’tでは[イ]の例となります。

“am not”では仮定法の代わりに直説法が用いられた[エ]の例となります。

[cf.] “You’re not my daddy,” she said heatedly. “Sometimes you talk to me as if you are.

―J. Collins, Deadly Embrace 

 

以上、お役に立てれば幸いです。

 

柏野健次

 

<資料2>柏野先生への質問その2とご回答

Q1)

主節が仮定法過去の場合に、従属節の時制が

過去時制 → ほとんどが惰性の一致(江川泰一郎氏の言葉)[ア]

     → 時に仮定法過去として機能 [イ]

現在時制 → 従属節の意味内容がstill trueの場合 [ウ]

     → (2行上の)仮定法過去の代用 [エ]

 

まず、上記のまとめは非常にわかりやすいのですが、[エ]の用法は初めて聞きました。[イ]と[エ]はnative speakerはどういうふうに使い分けるのでしょう?ふつうに「仮定法過去」を表したければ、[イ]のように過去形を使えば済むのに、なぜ[エ]のような現在時制を使うのでしょう?

また、[エ]のような現在時制を使えば、読み手が「仮定法の代用」とは気づかず、[ウ]のように現在の事実ととってしまうのではないでしょうか?

たとえば、(3)の場合です。

(3) I'd be lying if I said I wasn't / am not intrigued.

Both are possible. They mean the same.

"Wasn't" is probably more common. (said ... wasn't)

wasn’tでは[イ]の例となります。

“am not”では仮定法の代わりに直説法が用いられた[エ]の例となります。

 

この(3)の場合、I'd be lying if I said I am not intrigued.では、「(興味をそそられていないんだ)だけど、そう言えば嘘をついていることになるだろう」と解釈するとおかしいですよね。

 

Q2) 上記のまとめの[ア]の用法の場合、「惰性」だから、現在形を使っても可ですよね?

(a)   If I were rich, I would tell them exactly what I was thinking and not hold back.

これは、(a’)も可ですよね?

(a’)If I were rich, I would tell them exactly what I am thinking and not hold back.

 もし不可ならば、なぜ不可なのでしょう?

(b)“Look here, Blore.  I’m worried.”  “I should say we were all worried.”

これも(b’)も可ですよね?

(b’) “Look here, Blore.  I’m worried.”  “I should say we are all worried.”

以上です。

 

川嶋さま

ご質問に順を追ってお答えします。

 

 Q1) [エ]に関しては、「英語の仮定法は次第に廃れてきているから」と言えます。

今日、仮定法は形の上ではwere (e.g. If I were you,….)かbe (e.g. It is important you be here.)

くらいしか残っていません。したがって、過去時制の動詞は文脈がなければ、仮定法か直説法かの区別がつきません。

私が引用したHuddleston &Pullumの例(2)では、wereではなく、wasを使うとしていますが、

このwasは仮定法(wereの代用)なのか、直説法なのは不明です。

 

cf.として挙げたJ. Collinsの例ではcounterfactualであるにもかかわらず、

直説法現在が使われています。それでも文脈からcounterfactualと解釈できます。

 

Q2)  あなたの挙げた例についてのLance Eccles氏の反応です。

(1) If I were rich, I would tell them exactly what I was/ am thinking and not hold back.

Both "am" and "was" are acceptable. "Was" is better.

(2) “Look here, Blore.  I’m worried.”  “I should say we were/are all worried.”

"Are" is correct. "Were" is not correct. The situation refers to the present.

"I should say" is an idiomatic way of introducing a correction to what you have just said. (I'm worried → we're all worried)

(同氏は(2)を同一人物の発話と取っています)

 

『英語指導法 ハンドブック 5 ―英文用例編―』(大修館書店, 1989)には仮定法過去の例文が88例挙がっていますが、

if節、帰結節がさらに複文となっている例は極めて少なく3例のみでした。後はIf I were rich, I would buy a fine house.の

ような例ばかりとなっています。Swan, PEUに挙がっている例もそうでした。

となると、教室でこれが問題になることは少ないように思われます。

したがって、授業では簡単に割り切って、次のような場合は過去時制が来る、と指導すればいいと思います。

理由を聞かれたら「時制の一致」と言えばいいでしょう。(青字はEccles氏のコメント。下線は柏野)

 

(1) I should be ruined if I bought her everything she asked/asks for.

Both "asks" and "asked" are acceptable.

"Asks" is acceptable because the statement refers to the present.

"Asked" is acceptable because it agrees with "bought". "Asked" is better.

(これがEccles氏の考え方だと思われます)

(2) If you went to see a doctor, he’d soon tell you whether it was/is serious or not.

Both "was" and "is" are acceptable. "Was" is better,

(3) If you read the book a second time, you’d begin to appreciate what the writer was/ is trying say.

"Was" and "is" are acceptable. "Was" is better.

出典:(1) はThomson & Martinet, A Practical English Grammar (原文ではasked)

      (2)はGraver, Advanced English Practice (原文ではwas)

      (3)は同上。(原文ではis)

 

以上です。

柏野健次

 

 ここからは私の考えです。まず、柏野先生のまとめをお借りします。

主節が仮定法過去の場合に、従属節の時制が

過去時制 → ほとんどが惰性の一致(江川泰一郎氏の言葉)[ア]

     → 時に仮定法過去として機能 [イ]

現在時制 → 従属節の意味内容がstill trueの場合 [ウ]

     → (2行上の)仮定法過去の代用 [エ]

 

 経験的には[ア]が圧倒的に多い気がします。

「現代英文法辞典」(荒木一雄・安井稔著)(三省堂)のp.1349 sequence of tensesの(3)にこうあります。

 

<文献5> (3)主節が仮定法過去の場合。

形は過去形でも意味上は現在のことを表すので、例えばCurme(Syntax)は時制の一致は起こらない としている。: I shoud say that this book meets your requirements. 

しかし、形のうえで一致を示す例も少なくない。

“Look here, Blore.  I’m worried.”  “I should say we were all worried.” (Christie [木原1955])

「ねえ、ブロー、僕は心配だよ」「心配なのは僕たちみんななんだ」

“I suppose you are glad.”  “I should think I was.” [Jespersoen, MEG]

「うれしいでしょう」「まあ、そうですね」

これらの例の従属節はいずれも現在のことを表しているものである。こういう場合は要するに、仮定法の力が主節だけにとどまらずに従属節にまで及び、その結果として時制の一致が起こっていると考えればよいであろう。

 

この「仮定法の力が主節だけにとどまらずに従属節にまで及び」という箇所がわかりにくいのですが、私は「惰性」だと考えます。例文の“I should say we were all worried.”は“I should say we are all worried.”と文意は変わりないと思います。「(実は私たちはみな心配していないが)心配なのは僕たちみんななんだ」という意味ではないと思います。(なお、<資料1>の(3)では私の書き方が悪かったせいで、Eccles先生は同一人物の発話ととられてしまっています)

 

 

 このことを意識したのは、「現代高等英文法」(八木克正著)(開拓社)のp.191の4.3 「仮定法過去と時制の一致」の箇所を読んだときです。

 

<文献6>4.3 仮定法過去と時制の一致

 次の例を考えてみよう。

If I were/ was rich, I would buy you anything you wanted. (Quirk et al. 1958:158)

 (もしお金があればほしい物を何でも買ってあげられるのだが)

 この例は仮定法過去構文で、現在のことを述べているからyou wantedも現在のことを述べるはずだが、過去形になっている。この過去形は仮定法過去に合わせて時制の一致が起きていると考えなければならない。次の例も同様に、文末のcouldはwereに合わせた時制の一致の結果である。

 If I were rich, I would try to feed and clothe as many people as I could.

(もっとお金があれば、できるだけたくさんの貧しい人々に食事を与え衣類を届ける努力をするのだが)

 次の例のwasも同じように、時制の一致の結果で過去形になっている。

If I were rich, I would tell them exactly what I was thinking and not hold back.

(もし私にお金があれば、考えていることをきっちり彼らに伝えて引き下がりはしないのだが)

 

 この「現代高等英文法」の「4.3 仮定法過去と時制の一致」の箇所はこれですべてです。つまり、「仮定法は時制の一致を受けない」という解説が載っていません。もちろん「時制の一致の例外」については、p.190に解説がありますが、「仮定法は時制の一致を受けない」は書かれていません。その理由は、「従来の学校英文法では、『仮定法は時制の一致を受けない』という点を強調しすぎている。むしろ仮定法でも時制の一致を受けることは多い。それを生徒に伝えたい」ということではないかと私は推測します。(同書が2021年発行ということを考慮してください。)

 この<文献6>の例文は、いずれもIf I were/ was rich, I would buy you anything you want./ If I were rich, I would try to feed and clothe as many people as I can./ If I were rich, I would tell them exactly what I am thinking and not hold back.といっても何ら意味は変わらないと思います。ただし、Eccles先生も言われているように、惰性で過去形になる方が多い、自然である、ということは押さえておきましょう。

 このことは、<資料1>の

(1) If I were rich, I would tell them exactly what I was/ am thinking and not hold back.

Both "am" and "was" are acceptable. "Was" is better.

<資料2>の

(1)I should be ruined if I bought her everything she asked/asks for.

Both "asks" and "asked" are acceptable.

"Asks" is acceptable because the statement refers to the present.

"Asked" is acceptable because it agrees with "bought". "Asked" is better.

(これがEccles氏の考え方だと思われます)

(2)If you went to see a doctor, he’d soon tell you whether it was/is serious or not.

Both "was" and "is" are acceptable. "Was" is better,

(3) If you read the book a second time, you’d begin to appreciate what the writer was/ is trying say.

"Was" and "is" are acceptable. "Was" is better.

 

によって例証されています。

 つまり、主節の動詞が仮定法過去の場合、従属節の動詞は現在のことであっても、「惰性」で過去形になってしまうのです。ただし、「現在の事実を強調したい場合」は、現在時制(現在形や現在完了形)を使うことがあります。これが、あなたのあげている次の英文です。

If I had more money, I would buy the car I HAVE long wanted.

 ただし、この例は2点注意が必要です。一つはこれが形容詞節で起こっているということです。一般に時制の一致は名詞節および副詞節で起きます(もちろん形容詞節でも起きることはあります。文献6のQuirkの例文がそうです)。形容詞節では時制の一致が起きないことはよくあることです。「現代英文法講義」(安藤貞雄著)(開拓社)のp.706にこうあります。

 

<文献7>形容詞節の場合、主節の動詞に統語的に支配される(つまり、補文になる)ということがないので、時制の機械的な照応はほとんど起こらないと言ってよい。つまり、発話時を基準時とする「直示時制」が用いられるのである。

(略)

形容詞節が主節の時制に左右されないということは、(4)(5)の例ではいっそう明瞭である。

(4) But Conway did not want to make the effort that aeroplen conversation demands.

(しかし、コンウェーは、機上の会話に必要な努力をしたくなかった)

(5) He had hardly spoken before there rushed into the room one of the most lovely young women that I have ever seen in my life.

(彼が口をきくかきかないかのうちに、バタバタと部屋へ入ってきたのは、これまで見たこともないような美しい女だった)

 上の二つの用例の場合、形容詞節で現在時制が用いられているのは、ともにその内容が現在時にかかわる事柄を述べているためである。

 

 もう一つは、the car I had long wantedと過去完了を使うのはためらうだろうという気がします。その車を入手したい気持ちは現在の事実です。もし、the car I had long wantedと使うと、「以前はほしがっていた」ととられてしまうからです。このことは、<資料1>の

(1) If I had more money, I would buy the car I have/ had long wanted.

"have long wanted" is correct. I still want it.

"had long wanted" is not correct. It implies I no longer want it.

これは[ウ]の例です。ここでは直説法の代わりに仮定法は使えません。

 

と合致します。

 

次に[イ]の「時に仮定法過去として機能する」場合です。

<資料1>の

(3) I'd be lying if I said I wasn't / am not intrigued.

Both are possible. They mean the same.

"Wasn't" is probably more common. (said ... wasn't)

wasn’tでは[イ]の例となります。

“am not”では仮定法の代わりに直説法が用いられた[エ]の例となります。

 

のように、if I said I wasn't intriguedと使っても、if I said I am not intriguedと使ってもかまわない。仮定法であることは文脈からわかるから、ということのようですね。

 

よって、「あなたの結論」に対する答えはこうなります。

1.仮定法に引きずられて、時制の一致が起こることもある。しかし基本的には、時制の一致は起こらず、従属節の内容の時制に依存する。(文献3の(1))

 

→はい。ただし、時制の一致が起こる頻度は結構高いと思います。

 

2. 時制の一致が起きていても、時制の一致が起きていない場合と、意味としては変わらないこともある。(文献1,2)

 ※3. の(2)のロイヤル英文法の時制の一致した例文は、これに該当。従属節の内容は事実であり、仮定の範囲内ではない

 

 →はい。変わらないのが普通です。

 

3.ただし、従属節の内容が事実ではなく、仮定法の仮定の範囲内にあるために、時制の一致が起きていることもある。 (文献3,4)

 

※文献4の例文において、"I wasn't intrigued"は明らかに事実に反する内容であり、仮定の範囲内である。これは、時制の一致が起きる場合についての、文献3の(2)の記載「従属節が仮定法の範囲内に含まれるとき」「仮定法的意味を含むとき」にも適合している.

 

→はい、その通りです。ただし、[エ]のように「仮定法過去の代用として」現在時制のこともあります。仮定法か否かは文脈次第でわかるからです。

ただし、文献3の(2)はこれとは違います。「あなたをひどく愛している」は非事実ではありません。[ア]の惰性の用法です。検索すると、出てきました。「風と共に去りぬ」で、スカーレットがレットに告白する名場面です。

 

Scarlett : [pleads with Rhett as he is about to leave to join the Confederate Army]  Oh, Rhett! Please, don't go! You can't leave me! Please! I'll never forgive you!

 

Rhett Butler : I'm not asking you to forgive me. I'll never understand or forgive myself. And if a bullet gets me, so help me, I'll laugh at myself for being an idiot. There's one thing I do know... and that is that I love you, Scarlett. In spite of you and me and the whole silly world going to pieces around us, I love you. Because we're alike. Bad lots, both of us. Selfish and shrewd. But able to look things in the eyes as we call them by their right names.

 

Scarlett : [struggles]  Don't hold me like that!

 

Rhett Butler : [holds her tighter]  Scarlett! Look at me! I've loved you more than I've ever loved any woman and I've waited for you longer than I've ever waited for any woman.

 

[kisses her forehead]

 

Scarlett : [turns her face away]  Let me alone!

 

Rhett Butler : [forces her to look him in the eyes]  Here's a soldier of the South who loves you, Scarlett. Wants to feel your arms around him, wants to carry the memory of your kisses into battle with him. Never mind about loving me, you're a woman sending a soldier to his death with a beautiful memory. Scarlett! Kiss me! Kiss me... once...

 

[he kisses her]

 

Scarlett : [to Rhett]  If I said I was madly in love with you you'd know I was lying.

 

Scarlett : Rhett, how could you do this to me, and why should you go now that, after it's all over and I need you, why? Why?

 

Rhett Butler : Why? Maybe it's because I've always had a weakness for lost causes, once they're really lost. Or maybe, maybe I'm ashamed of myself. Who knows?

 

Scarlett : I only know that I love you.

 

Rhett Butler : That's your misfortune.

 

なお、このセリフは「愛をささやく名文句」だそうです。

以上です。

 

なお、ご質問がある方は、以下のルールを踏まえてお願いします。                                              

 

質問のルールです。

1.対象として高校の英語教師の方と予備校・塾の英語講師の方を前提としています。

よって受験生の方の質問はお断りします。

2.授業の教え方という前提から、問題文は出典を明記し、答えやマニュアルをそのまま写し、ご自分の考えを書いてください。

「次の文の訳をお願いします」「次の問題の答えをお願いします」といった受験生のような質問には一切お答えしません。

なお、質問は文法語法の問題と英文和訳に限らせていただきます。

言うまでもありませんが、「どうしたら下位レベルの授業がうまく行くのでしょう」といった漠然とした質問には一切お答えできません。

3.質問は下記のメルアドにお送りください。題名(例 need doingについて)と氏名と職業を書いてください。

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それでは質問をお待ちします。