Q152)『世界一わかりやすい 英文法・語法の特別講座」関正生 中経出版
p.300 Step1 (3)についての質問です。

Susan is worried ( ) her final exam in physics.
1 to fail 2 to failing 3 about failing 4 with failing

答は 3 です。

ジーニアスをみると 他動詞②の欄に S is worried to do の形も S is worried about [over] と並んで、 「〈人が〉〈人・者・事〉のことで 心配している」 とあります。、
また 次の例文も 掲載されています。 
 She was worried to find that her son looked pale.
 (彼女は息子が青い顔をしているのに気付いて心配だった。)

的外れなのかもしれませんが 類似表現を ジーニアスでみてみますと
・anxious (形容詞でありますが)の場合は  be anxious about(心配する)と be anxious to do (切望する)で 意味がちがいます。
・concernの場合は be concerned to do「~したい」と こちらも 心配するの意味ではのっていません。
このbe worried to do (1 to fail )が、 間違いであることの説明を お願いしてよろしいでしょうか?

A) 実は私はbe worried to doの形は初めて知りました。手元にある語法関係の書籍にも、またいろいろ辞書を調べてみましたがほとんど見当たりませんでした。
見つかったのは、ジーニアス英和辞典の例文(①)と、「英語基本動詞辞典(普及版)」(小西友七著)(研究社出版)の1771ページの5のNB10に出ている、Quirkの例文(②)だけでした。

①She was worried to find that her son looked pale.
 (彼女は息子が青い顔をしているのに気付いて心配だった。)
②I'm worried to hear about it.(そのことを聞いて心配している)

それではなぜ例文が見当たらないのでしょう。これはto不定詞の用法にその理由があります。「現代英文法講義」(開拓社、安藤貞雄著)の212ページの14.3.4にこうあります。

14.3.4. <原因>「…して」
 感情を表す形容詞のあとで用いられ、その感情の生じた原因を述べる、to不定詞は、未来指向的ではなく、「過去の事件」を指している点に注意。
(1) I am glad/happy to see you here.(ここでお目にかかれてうれしいです)
(2) He was shocked to hear the news.(彼はその知らせを聞いてぎょっとした)
(3) I was very much interested to know the fact.(その事実を知って大いに興味がわいた)


そうです。感情の生じた原因を述べる、to不定詞は、未来指向的ではなく、「過去の事件」を指しているのです。たとえば、①は、「心配だった」ときを基準とすると「気づいた」のは以前です。②も、「心配している」今を基準とすると、「聞いた」のは過去です。

 さて、空所にto failを入れると次の③の文になります。
③ Susan is worried to fail her final exam in physics.
 この文は、「心配している」のが今、「落ちた」のが過去になりますね。そうすると「スーザンは物理の最終試験に落ちたので心配している」という少し不自然な文になってしまいます。
 次の④の文なら自然になります。
④ Susan is worried to hear that she failed her final exam in physics.(スーザンは自分が物理の最終試験に落ちたのを聞いて心配している)

 つまり、be worried to doは存在しますが、このto不定詞には、to hear...「…を聞いて」やto find...「…を見て」やto see...「…を見て」など、来るものが限られてしまうのです。これが我々がbe worried to doに出会うことが少ない理由でしょう。

 一方、be worried about Aの例文を辞書から拾いました。
⑤ I'm so worried about my exam!(テストのことが心配でしょうがない)[Genius]
⑥ Everyone was worried sick about you.(皆あなたのことをとても心配していたんですよ)[Genius]
⑦ be worried about the future(将来のことが心配だ)[Wisdom]
⑧ I always used to be worried about my future.[O-LEX]
⑨ Jack was worried about whether he'd be able to get there on time.
 これらはいずれもaboutの目的語には、「心配している」時点と同時か未来のことがきていますね。よって本問の答えもaboutを使います。
⑩ Susan is worried about failing her final exam in physics.
 これは「心配している」のは今、「試験に落ちる」は未来のことですから、自然な英文になりますね。