Q89)出典は2008年横浜市立大学前期です。
"The way he is running around telling people they should shoot cows," Lawrence Hunt, head of Silverjet, another budget airline, told the Commons Environmental Audit Committee. "I do not think you can really have debates with somebody with that mentality."
訳は以下です。
 別の格安航空運賃の航空会社であるシルバージェット社の社長であるローレンス・ハントは、下院環境監査委員会に対して、「彼が走り回って人々に牛を撃ち殺すべきだと触れ回っているのを見ていると、こんな考え方をする人間と実際に議論が行えるとは思わない」と語った。
 質問は、動詞のtoldの使い方です。直接話法ではtellは使わないですよね?また、仮に使うとしても、被伝達部は、The way以下の副詞節とI do not think以下の主節の双方ですから、Committee, "I do not think..."と、ピリオドではなく、コンマを使うのではないでしょうか?

A)tellは直接話法にも使えます。英語基本動詞辞典・普及版(小西友七編)(研究社出版)の1608ページtellのNB31にこうあります。

that節が直接話法の型をとることもある。
"Stop it," she told Laura. "Stop talking big"「おやめ」とローラに言った。「大ぼらを吹くのは」
"That's all right," she told him. "You can take me to where I can get a bus...or a cab."
「わかったわ」と彼女は彼に言った。「バスかタクシーのひろえるところまで乗せて行ってください」
 伝達部は文頭、文中、文尾のいずれも可能。


上の例文について考えましょう。伝達部のshe told Lauraは文尾に置かれていますね。つまり、"Stop it,"の部分は直接目的語に当たります。次に"Stop talking big." の前か後ろにshe told Lauraが必要なはずですが、前文の続きなので、書かないと考えれば自然ですよね。下の例文もまったく同じ型です。本問は、"The way..."が副詞節、"I do not think..."が主節という点が上記の例文とは違っていますが、発話者が"The way..."の部分でいったん切り、一息入れてから発話を続けたと考えればいいと思います。

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