ハンドレットと言えば普通100を指すが
欧米のカジノでのハンドレットは「ワンハンドレットサウザン」
・・つまり10万ドルを意味する。
引き出しは何度でもできるワケだから1BETの10倍、20倍にあたる金を引き出す必要はない。
だからほとんどのギャンブラーは少しずつ引き出すことになるのだが
この秋元氏は顔に似合わず初っぱな1000万円引き出すつもらしい。
「何者・・!?」
オレは連れのオンナに尋ねた。
同時に彼は1万ドルチップを5枚プレーヤーにBET。
10万ドルダウンは彼にとってBET2回分。
だから多めに引き出したワケじゃなく少しずつ・・だったということ。
そのことにも驚いた。
しかしオレが本当にビックリしたのはそんなことじゃない。
今・・
たった今座ったところ・・
大袈裟ではなく着席してからまだ1分も経っていない。
罫線も見ていないはずだし
前のゲームがバンカーだったのか、またプレーヤーだったのかなど何も判っていないはず・・
縁起を担ぐギャンブラーは確かに多い。
だから新しいテーブルの張り出しはバンカーからBET、またプレーヤーからBETと決めている場合もあるだろう。
そういう場合もあるが、しかしそのBETは思考されたモノじゃない。
プレーヤーなのかバンカーなのかを予想してのBETじゃない。
だからそんな
当てずっぽに5万ドルBETするヤツもそうそういるモンじゃない。
オンナが言った。
「作詞とかやってる人・・」
意外だった。
トップアスリートの血液型はB型が多い・・
有名な芸能人は末っ子が多い・・
巷ではよく聞く話だが、しかし強いギャンブラーに当てはまるそれはない。
A型で負け知らずのヤツも知ってるし、野球賭博でメシを食う豊川は長男だ。
しかしカジノで大金をBETするギャンブラーには間違いなくタイプが存在する。
解りやすく言うなら座ってスグ、当てずっぽで500万円BETする公務員は稀だという事。
これは金があるとかないとかの話じゃなく、
その公務員がとんでもない大金持ちだったとしても1BETでそんな大金は張らない。
逆に言えば、
一か八かに500万円という大金をBETできる人間は
公務員という職業を選ばないということだが
逆も真なりでかなりの精度で職業が絞り込める。
やはり大金をBETするのは圧倒的に商売人が多い。
それと商売人の括りには入らないが
やはり自営業者の医者やプロスポーツ選手、芸能人などもその中に入るだろう。
共通するのは先の保証がない職業、
云わば切った張ったの世界で生きている人間、仕事だということ。
確かに作詞家という職業も人気商売だから広い意味では自営業者なのだろうが
それでもあの顔、あの風貌である・・
自宅でニコ動生放送を鑑賞している姿は想像できても
カジノで座るなり500万円という大金を1/2の確率にBETするようには到底思えなかった。
「おニャン子クラブ知ってるでしょ!?
あれのプロデューサーとかもやってんのぉー!」
知ってた。
関心もあまりないから興味も沸かないし知ろうともしないが、
そんなオレでもおニャン子ぐらいは知っている・・
ふいに目が合った。
プレーヤーのBETオーナーだった彼が目の前のカードに手を伸ばしながらこちらを見たためだ。
小声のつもりだったが5~6人しか客のいないテーブルだから
自分の話をされていることに気付いたのかもしれない。
知ってると思うがオレは中学生じゃない。
じゃ、高校生か?ということになるが高校生でもない。
もちろんヤンキーでもヤクザでもない。
だから初対面の人間にいきなりメンチを切ることはないが
タイミングを失ってしまい1秒、
イヤ、もう少しかもしれないが初対面の彼と見つめ合ってしまった・・
あわてて先に目を逸らした彼の表情からも1BET5万ドルは想像できなかった。
ギャンブルのイメージとは最も遠い離れた所にいる人間に思えた。
しかし人は見かけじゃない!
外見から人の本性を窺い知ることはできない。
この後スグにシロートじゃないことが判る。
Mr.ギャンブラー!
ワイルド&ダーティー秋元の本当の正体は次回公開!
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