コーヒーに浮かんだ虫コーヒーに虫が浮かんでた。湯気にでも誘われて溺れちゃったのかな。間抜けだな。俺はスッとその虫をすくいあげた。虫はまだ生きてた。ふとこいつを助けてみたくなった。濡れてしまって羽どころか足までおぼつかない。俺はふー、ふー、と息を吹き続けた。しばらくすると、虫は自力で手や足をこすり、乾かし始めた。そして一歩ずつ歩みを始めた。その歩みが次第に軽快になる。やがて虫は再び宙へと戻っていった。消えかけた命が再び燃え上がった瞬間だった。