俺には高校時代から4年間追いかけて付き合えた彼女がいた
しかし、片想いの期間と比例することなく
あっさりと交際は終わった
当時、メジャーデビュー前の駆け出し
毎日毎晩、バイトやライブに明け暮れ
物事の優先順位がいつしか変わってしまった
彼女はモデルとして同じような世界に身をおいてたけども
すれ違いというものは防ぐことができなかった
そしてデビューを賭けた大事なライブの当日
俺は朝方まで彼女とケンカをし
寝不足の状態でライブに挑んだのだ
もちろん、結果は散々
それがまわり回ってプロデューサーの耳にはいる
俺は
「夢か女かどっちかをとれ」
という選択を迫られた
当時、半ば洗脳の如く
プロデューサーを慕ってた俺は
もちろんの夢を選んだ
そう、彼女との別れを選んだのだ
その後、なんとかメジャーデビューはできたものの、
この恋を忘れられないでいた
それは忘れもしない2011年
とある週末
笑顔で溢れるショッピングモールに家族と出かけた時のことだった
夕飯の食材を家族とともに選んでるとき
ふと、どこかで見たことのある女性が目に映ったのだ
帽子を目深に被ったその女性は紛れもなく
忘れられないあの彼女だった
綺麗に着飾っていたあの頃とは違って化粧っ気のない彼女は
隣にいる誰かに話しかけた
…
そこには
見知らぬ厳つい作業服の男性
そして彼の目の前には
一台のベビーカー
俺の脳内には
いろいろな記憶が溢れ出した
全身の力が抜け
思考が停止
気がついたら
一歩、二歩と、彼女達を追いかけてしまっていた
しかし、
夢半ばの俺
幸せを掴んだ彼女
そこには渡るにも渡れない大きな川が流れていた
夢にまで見るほど会いたかったはずなのに
声をかけることすら許されない
時は無情にも過ぎてしまってた
パンドラの匣から様々な災厄が溢れ出し
吐き出して、吐き出して
最後に残ったものは…
希望だったといいます。
ツライこと、クルシイこと
あるなら無くなるまで吐き出してしまえばいい
そしたらきっと
そこには希望が残るから
この話には続きがあって
数年後、俺は彼女とSNSで再び繋がることができた
苗字も変わって、トップ画には彼女とそっくりな男の子の写真
そか、、、そうだよなぁ
でもどこか気持ちを抑えきれなかった俺は
メッセージを送った
「久しぶり~!」
残念ながらシングルマザーとなっていた彼女
今ではモデルと歌手、
エールを送り合う俺の良き相談相手であり
息子も俺になついてくれてる
いい意味で腐れ縁
俺が今まで作った曲のモデルは彼女であることが多い
出逢いも別れも
必ず、何かしらの意味があるんだと
再確認した。