自作小説『箱庭の恋』…004 | bakuのブログ

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 我が家はそろそろ築三十年。母の七回忌も昨年終えたので、区切りにやろうと思っていたリフォームをしています。

一階の和室を洋室に替えてクローゼットを作るために、一時的に床下が剥き出しになった状態の早朝の事でした。隣で猫を数匹飼っているのですが、鳴き声が割と近くに聞こえたのです。すると奥さんが猫を探して中々見つからない様子なので、外に出てどうしましたと声を掛けると、数日戻らない飼い猫の鳴き声がするけど見つからないと言うのです。私は床下かもしれないと見当がついたので、直ちに隣家の夫婦に家に上がって貰い、床の開口部から迷い込んだ猫ちゃんを確保してもらいました。

するとその猫ちゃん。工事の作業中は玄関と窓が開け放しになるためか、以前から何回も家に上がり込んできて、私と目を合わせては一目散に外に逃げ出すスタイルを繰り返していた御本人じゃないですか。エキゾチックショートヘアなのかな。ちょっとおデブのとぼけた平面顔で、ドタドタ駆け足がユーモラスなのでしょうがないと黙認していた猫君だったんです。

 猫の事とは言え、気の毒は気の毒。その気の毒の心当たりは二日前だったでしょうか。猫君と我が家の階段で出くわしたときでした。猫君が私の股の間を凄い勢いで潜り抜けたので、ビックリして昼食を終えた食器を落として壊してしまったのです。私は、思わず “コラ” と大声を上げて睨んでしまいました。

 猫は二階の奥の部屋に上がったままになったので、後片付けを終えてから玄関を開けて逃げ道を確保した状態にしたのです。キッチンで洗い物を終えて二階へ上がると猫の気配が無いので外に出たと思っていました。

 猫が逃げ込んだ部屋も荷物の仮置き場と化しているので、一応ベランダの窓を開けて居間に戻ったのです。余談ですが拙宅のベランダと隣家のベランダが2m位しか離れてないので、尾で識別できるキジトラ柄の二匹が偶に飛び越えて我が家を訪問する事があります。室内に入れない網戸越しですが、ニャーと挨拶するんです。ただこの子は最近見かけるようになった猫で、まさか我が家の床下に迷い込んだとは……。隣の奥さんが三日前から帰っていないと言うので、その間ずっと床下にいたのでしょうか。

 確かに昨夜も鳴き声が近くで聞こえたのですが、サバトラ君が二階の私の寝室に近い隣の屋根の上で鳴くこともあるので、気付くのが遅れてしまいました。二日日間飲まず食わずではさぞ心細かっただろうと、我が身に置き換えて改めて気の毒にと思いました。奥さんに抱かれた猫君は、ニャーニャー鳴いて甘えておりました。私も猫君の頭に手を差し伸べて、もう入っては駄目だよと言葉と念を押しました。

 真新しい床材がドロドロにされてしまいちょっとショックですが、我が家の床下で絶命されては適いませんから。取りあえず無事でよかった…笑。

 

 さて、こちらもご覧ください。

 

 康平がダークサイドの闇を始めて感じたのは高校生の時でした。凡そ善意の囲まれて生きてきた彼の戸惑いは底知れぬ闇の入口を見ることになるのです。彼は本能的にそれを逃れ克服したはずでしたが、五十を境に再びその悪夢に見舞われたのです。

 

小説『箱庭の恋』最後の通勤・期待と不安…その四   

 

                     

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『来宮神社・春の雨』

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