聞き書き 宮沢喜一回顧録 (中村隆英、御厨貴;岩波書店)
昼休み、本屋さんで手にとって、時間のたつのを忘れてページを繰ってしまいました。(ごめんなさい、買わず。)
最近は、ライブドアの堀江社長に「おやんなさい」と、軽くエールを送っている宮沢さんですが、元内閣総理大臣で日本の戦後史を自ら作り上げてきた重鎮が来し方を振り返ると、やはり量りがたい重みがあります。
元東大の先生で、かつて宮沢さんが経済企画庁長官だったころ、経済研究所の所長をしておられた中村隆英さんと、現在東大教授の御厨貴さんがインタビューし、それを聞き書きの形でまとめています。
宮沢さんが語ったままを再現していて、宮沢さんが、先生方の質問に、少し顔を傾けて考えながら語る姿を想像させます。
歴史資料としてもおそらく第一級のものになることでしょう。
小学生時代から旧制武蔵高校、東大を出て、大蔵官僚として日本の敗戦を見届け、その後、サンフランシスコ講和条約の際には、当時の池田勇人大蔵大臣や吉田茂首相に随行して、条約締結の現場で活躍をし、やがて政界に出るまでが前半。
後半は、政界に出てから経済官庁の大臣や自民党の要職を経て総理大臣になるまでを扱っています。
前半では、どちらかというと一般人の知らないエピソードを交えて語っているのに対し、後半は、あまり人物評などを介在させず、政策を中心に日本の歴史を語るスタイルです。
宮沢さんは、池田大蔵大臣の通訳をするほど英語がお達者で、終戦直後はマッカーサーやシャウプ税制のシャウプ博士らと直接話をされていますが、「shoupをなんと読むか」と聞いたら、「怪我をしたときのOUCH!と同じ発音だ」って言うんで、シャウプになったんですよ、といった話がたくさん出てきます。
宮沢さんの総括によれば、日本の戦後史は、敗戦から1960年の安保改定あたりまでがひとつの区切り。
安保闘争を経験して初めて戦後のデモクラシーが日本に根付いたと分析しています。
その後、日本経済が高度成長を続けて敗戦を克服し、経済大国として世界の仲間入りをするわけですが、その節目は、1985年のプラザ合意であり、それ以降、円が世界通貨のひとつとして認知をされたという風に理解されているようです。
さらに宮沢さんは、現在の小泉内閣の政策について、これまで、いろいろな意味で制約の多かった日本社会を、より競争的なものに変えていこうとする方向性を評価しています。
ただ、外交については、ブッシュのアメリカに追随しすぎではないか、それよりも、アジアで、ロシアや中国と絶えず対話ができるような平和外交を目指すべきだとアドバイス。
憲法改正についても、日本を非戦国家にすることが第一であるという立場で当たるべきだといっています。
憲法改正については、もう一人の日本のご意見番・中曽根元首相の考え方(日本の総理学)とは異なっていますが、外交方針では、中曽根さんの「しっかりしたスタンスを持って、アメリカだけでなく中国をはじめ他の国とも堂々と付き合っていくべきだ」という指摘と共通する部分がありますね。
この本の編者が、意図したかどうかは別として、これだけの圧倒的な量と濃い内容にもかかわらず、本屋さんで立ち読みができるくらいわかりやすいものに仕上がっているのは、うれしいですね。
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最近は、ライブドアの堀江社長に「おやんなさい」と、軽くエールを送っている宮沢さんですが、元内閣総理大臣で日本の戦後史を自ら作り上げてきた重鎮が来し方を振り返ると、やはり量りがたい重みがあります。
元東大の先生で、かつて宮沢さんが経済企画庁長官だったころ、経済研究所の所長をしておられた中村隆英さんと、現在東大教授の御厨貴さんがインタビューし、それを聞き書きの形でまとめています。
宮沢さんが語ったままを再現していて、宮沢さんが、先生方の質問に、少し顔を傾けて考えながら語る姿を想像させます。
歴史資料としてもおそらく第一級のものになることでしょう。
小学生時代から旧制武蔵高校、東大を出て、大蔵官僚として日本の敗戦を見届け、その後、サンフランシスコ講和条約の際には、当時の池田勇人大蔵大臣や吉田茂首相に随行して、条約締結の現場で活躍をし、やがて政界に出るまでが前半。
後半は、政界に出てから経済官庁の大臣や自民党の要職を経て総理大臣になるまでを扱っています。
前半では、どちらかというと一般人の知らないエピソードを交えて語っているのに対し、後半は、あまり人物評などを介在させず、政策を中心に日本の歴史を語るスタイルです。
宮沢さんは、池田大蔵大臣の通訳をするほど英語がお達者で、終戦直後はマッカーサーやシャウプ税制のシャウプ博士らと直接話をされていますが、「shoupをなんと読むか」と聞いたら、「怪我をしたときのOUCH!と同じ発音だ」って言うんで、シャウプになったんですよ、といった話がたくさん出てきます。
宮沢さんの総括によれば、日本の戦後史は、敗戦から1960年の安保改定あたりまでがひとつの区切り。
安保闘争を経験して初めて戦後のデモクラシーが日本に根付いたと分析しています。
その後、日本経済が高度成長を続けて敗戦を克服し、経済大国として世界の仲間入りをするわけですが、その節目は、1985年のプラザ合意であり、それ以降、円が世界通貨のひとつとして認知をされたという風に理解されているようです。
さらに宮沢さんは、現在の小泉内閣の政策について、これまで、いろいろな意味で制約の多かった日本社会を、より競争的なものに変えていこうとする方向性を評価しています。
ただ、外交については、ブッシュのアメリカに追随しすぎではないか、それよりも、アジアで、ロシアや中国と絶えず対話ができるような平和外交を目指すべきだとアドバイス。
憲法改正についても、日本を非戦国家にすることが第一であるという立場で当たるべきだといっています。
憲法改正については、もう一人の日本のご意見番・中曽根元首相の考え方(日本の総理学)とは異なっていますが、外交方針では、中曽根さんの「しっかりしたスタンスを持って、アメリカだけでなく中国をはじめ他の国とも堂々と付き合っていくべきだ」という指摘と共通する部分がありますね。
この本の編者が、意図したかどうかは別として、これだけの圧倒的な量と濃い内容にもかかわらず、本屋さんで立ち読みができるくらいわかりやすいものに仕上がっているのは、うれしいですね。
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楽天の研究 なぜ彼らは勝ち続けるのか(山口敦雄著;毎日新聞社)
管理人のホームページで、ライブドアの堀江社長が書いた「カンタン!儲かる会社のつくりかた」を紹介したことがあります。
今回は、そのライバルといわれている楽天について書かれた本を紹介します。
プロ野球参入を果たし、いまや子供も知っている楽天ですが、どんなことをやってるのか?これまでの歴史は?となるとあまり知識がありません。
楽天は、皆さんよくご存知の楽天市場、楽天フリマや楽天ブックスを中心とするEC事業のほかに、楽天トラベル、ローソンチケットそして楽天証券や楽天クレジットなんかもやっています。 インフォシークも楽天の事業って知ってました?
一番新しい決算によると、年間売上げが456億円にもなる大企業です。
社長の三木谷さんは、1965年神戸生まれ。一橋大学を出て、日本興業銀行(今のみずほコーポレート銀行)にはいり、銀行からハーバード大学へ留学して、MBA取得というエリート銀行マン。
1995年に阪神淡路大震災があって、人生観が変わり、96年に退職、97年に何人かの仲間とともに、楽天市場を始めています。
いくつかの選択肢の中から、時代の流れを見てインターネットモールを創業したそうです。
日本では、ほとんど誰もやっていないときですから、すぐに日本最大になったのですが、創業時は、ネットモール自体誰も知らなくて、インターネットの啓蒙活動だったと、仲間の一人がいっています。
しかし、成功の鍵として、「システムの構築」と「どぶいた営業」をあげているのは、ライブドアの堀江さんと奇しくも同じ。
やはり、どの世界も、商品とその営業なんですね。
2000年には、ジャスダックに上場。ここからM&A路線が始まります。
03年にマイトリップネットを買収して旅行業を始め、DLJダイレクトを買って証券業にも参入しています。
この年、J1ヴィッセル神戸の経営に乗り出すことを決め、スポーツ業界への布石も打っているのです。
そして、04年プロ野球創業と続くわけです。
これだけいろんなことをやって、これからどうなるんでしょう。
楽天自身は、会社の目標として、「世界一のインターネットサービス企業」を掲げており、ネットでできることは何でもやっていこうということでしょう。
特に、投資銀行や生保、損保、消費者金融などのネット金融や総合的な旅行業などでは、すばやい展開が見られそうだと著者は言っています。
われわれ風呂具ファンも、楽天の発展に合わせて、ネットの上でいろいろ遊ばせてもらえたらうれしいですね。
本のあらましは、管理人のホームページBookwatchにあります。おいでください。
今回は、そのライバルといわれている楽天について書かれた本を紹介します。
プロ野球参入を果たし、いまや子供も知っている楽天ですが、どんなことをやってるのか?これまでの歴史は?となるとあまり知識がありません。
楽天は、皆さんよくご存知の楽天市場、楽天フリマや楽天ブックスを中心とするEC事業のほかに、楽天トラベル、ローソンチケットそして楽天証券や楽天クレジットなんかもやっています。 インフォシークも楽天の事業って知ってました?
一番新しい決算によると、年間売上げが456億円にもなる大企業です。
社長の三木谷さんは、1965年神戸生まれ。一橋大学を出て、日本興業銀行(今のみずほコーポレート銀行)にはいり、銀行からハーバード大学へ留学して、MBA取得というエリート銀行マン。
1995年に阪神淡路大震災があって、人生観が変わり、96年に退職、97年に何人かの仲間とともに、楽天市場を始めています。
いくつかの選択肢の中から、時代の流れを見てインターネットモールを創業したそうです。
日本では、ほとんど誰もやっていないときですから、すぐに日本最大になったのですが、創業時は、ネットモール自体誰も知らなくて、インターネットの啓蒙活動だったと、仲間の一人がいっています。
しかし、成功の鍵として、「システムの構築」と「どぶいた営業」をあげているのは、ライブドアの堀江さんと奇しくも同じ。
やはり、どの世界も、商品とその営業なんですね。
2000年には、ジャスダックに上場。ここからM&A路線が始まります。
03年にマイトリップネットを買収して旅行業を始め、DLJダイレクトを買って証券業にも参入しています。
この年、J1ヴィッセル神戸の経営に乗り出すことを決め、スポーツ業界への布石も打っているのです。
そして、04年プロ野球創業と続くわけです。
これだけいろんなことをやって、これからどうなるんでしょう。
楽天自身は、会社の目標として、「世界一のインターネットサービス企業」を掲げており、ネットでできることは何でもやっていこうということでしょう。
特に、投資銀行や生保、損保、消費者金融などのネット金融や総合的な旅行業などでは、すばやい展開が見られそうだと著者は言っています。
われわれ風呂具ファンも、楽天の発展に合わせて、ネットの上でいろいろ遊ばせてもらえたらうれしいですね。
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回想のイタリア甘くない生活
今日はネタもないので思うところを少し。
自己紹介にも書きましたが、管理人はかつて海外勤務をしたことがあります。
ミラノにいたので、日本人の同僚や家族と日本語をしゃべる以外、一応イタリア語を使わざるを得ない生活でした。
事務所には、イタリア人の女性がいましたが、残念ながらこの女性は、日本語はもちろん、英語もからっきしだめ。 ジュネーブに行くからホテルを予約してくださいといえば、フランス語でやってくれるのですが、こっちがフランス語を知らないのでこれも絶望的。
というわけで、日々はイタリア語とともにすぎていきました。 毎日が学芸会状態、ここでは、身ぶり手ぶりはイタリア人ではなく、日本人の特技になりました。
日本のことは、ヨーロッパで印刷を始めていた朝日など大手紙を空港の売店などで手に入れて読む程度。
こまぎれのニュースが入ってくるだけなので、日本で何がおきているかについての体系的な情報はほとんどなし。
それでも、国のことを最低限知っていたいという日本人としての欲求はありましたから、日本からお客さんが来ると、こちらの事情を説明するより、日本は今どうですかと質問ばかりしていたものです。
もうひとついえることは、日本語そのものに飢えていたことです。
今みたいにインターネットなんかありませんから、こういう情報の入り方は皆無。目から入ってくる日本語がほとんどないのです。
たとえば、現地のことについて、イタリア語や英語で書いたものを読んでも、ほんとにこういう理解でいいのかどうか不安でした。 細かい部分になるとどうしても日本語で確認したくなるのです。
この風呂具を始めたのは、管理人がいたころと情報環境はずいぶん変わってはいるけれども、日本のことを日本語で書いた本や、海外のことを日本語で解説した本を紹介すれば、少しはお役に立てるのではないか、と思ったことがきっかけのひとつです。
どうも最近は、はじめの気持より、管理人がこの風呂具の面白さにはまってしまったというのがほんとのところです。 今後ともよろしくお願いいたします。
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自己紹介にも書きましたが、管理人はかつて海外勤務をしたことがあります。
ミラノにいたので、日本人の同僚や家族と日本語をしゃべる以外、一応イタリア語を使わざるを得ない生活でした。
事務所には、イタリア人の女性がいましたが、残念ながらこの女性は、日本語はもちろん、英語もからっきしだめ。 ジュネーブに行くからホテルを予約してくださいといえば、フランス語でやってくれるのですが、こっちがフランス語を知らないのでこれも絶望的。
というわけで、日々はイタリア語とともにすぎていきました。 毎日が学芸会状態、ここでは、身ぶり手ぶりはイタリア人ではなく、日本人の特技になりました。
日本のことは、ヨーロッパで印刷を始めていた朝日など大手紙を空港の売店などで手に入れて読む程度。
こまぎれのニュースが入ってくるだけなので、日本で何がおきているかについての体系的な情報はほとんどなし。
それでも、国のことを最低限知っていたいという日本人としての欲求はありましたから、日本からお客さんが来ると、こちらの事情を説明するより、日本は今どうですかと質問ばかりしていたものです。
もうひとついえることは、日本語そのものに飢えていたことです。
今みたいにインターネットなんかありませんから、こういう情報の入り方は皆無。目から入ってくる日本語がほとんどないのです。
たとえば、現地のことについて、イタリア語や英語で書いたものを読んでも、ほんとにこういう理解でいいのかどうか不安でした。 細かい部分になるとどうしても日本語で確認したくなるのです。
この風呂具を始めたのは、管理人がいたころと情報環境はずいぶん変わってはいるけれども、日本のことを日本語で書いた本や、海外のことを日本語で解説した本を紹介すれば、少しはお役に立てるのではないか、と思ったことがきっかけのひとつです。
どうも最近は、はじめの気持より、管理人がこの風呂具の面白さにはまってしまったというのがほんとのところです。 今後ともよろしくお願いいたします。
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フランス7つの謎
最近読んだ『アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書』には、今はあんまり仲のよくないフランスが、アメリカ独立戦争ではアメリカ軍に加勢したり、広大なフランスの領土をアメリカに売るなど、むしろ両者の関係はうまくいっていたことが書いてありました。
第二次大戦後、どうしてフランスがアメリカのことを目の敵にするようになったのか不思議でしたが、東北大学でフランス社会経済史を専攻されている小田中直樹教授の近著『フランス7つの謎』(文春新書)に答えが書いてありましたのでご紹介します。
フランス革命の前、フランスの社会が閉塞状態にあったとき、独立を成し遂げたアメリカは、「ヨーロッパからの移民が、自由、平等、勤勉に活動する理想的な社会である」と見られていたようです。
さらに、19世紀には、フランス革命後の中央集権体制にあって、政治思想家トクヴィルが、「アメリカは、人々がローカルなレベルから大統領を選ぶ国政にいたるまで、活発に政治活動を行う、本来の民主主義社会である」と報告し、フランスにとって依然として理想社会であると映っていたようです。
しかしながら第二次大戦後、フランスは戦勝国になったものの、国土は疲弊し、アメリカからの援助を得なければ復興できませんでした。
世界の文化、政治の中心だったフランスが、未開の土地だったアメリカの後塵を拝することになったわけで、これまで理想の社会だといわれていたアメリカに対するイメージが羨望をはらんだ嫌悪に変わったのではないかと分析しています。
共同市場であるEECの創設も、フランスにとっては、アメリカに対抗できるような巨大な市場の形成が必要だったからではないかといっています。
まぁ、米仏関係については、ほかにもいろいろご意見があるでしょうね。ぜひ、お聞かせいただければと思います。
この本は、フランスに滞在した著者が、日々の生活の中で感じた7つの疑問に対して、その答えを、著者の専門である歴史を援用しながら、細かく追及した本です。
七つの謎とは、
1 宗教活動を公にどこまで認めるかという政教分離の問題を、なぜ延々と議論するのか
2 なぜストばかりやっているのか
3 なぜフランス語と少数言語のバイリンガル標識があるのか
4 建設中のマクドナルド店舗を壊した人物がなぜ拍手喝さいされるのか
5 なぜアメリカを目の敵にするのか
6 なぜ大学生がストをするのか
7 ベトナムやアフリカの郷土料理を食べられるのはなぜか
です。
答えを知りたい方は、本買って読んでくださいね。
文章は難しいけど内容はわかりやすい本と、逆に文章はやさしいんだけど、中身が難しい本がありますね。この本はどちらかというと後者です。
管理人の理解も中途半端になってしまいました。
第二次大戦後、どうしてフランスがアメリカのことを目の敵にするようになったのか不思議でしたが、東北大学でフランス社会経済史を専攻されている小田中直樹教授の近著『フランス7つの謎』(文春新書)に答えが書いてありましたのでご紹介します。
フランス革命の前、フランスの社会が閉塞状態にあったとき、独立を成し遂げたアメリカは、「ヨーロッパからの移民が、自由、平等、勤勉に活動する理想的な社会である」と見られていたようです。
さらに、19世紀には、フランス革命後の中央集権体制にあって、政治思想家トクヴィルが、「アメリカは、人々がローカルなレベルから大統領を選ぶ国政にいたるまで、活発に政治活動を行う、本来の民主主義社会である」と報告し、フランスにとって依然として理想社会であると映っていたようです。
しかしながら第二次大戦後、フランスは戦勝国になったものの、国土は疲弊し、アメリカからの援助を得なければ復興できませんでした。
世界の文化、政治の中心だったフランスが、未開の土地だったアメリカの後塵を拝することになったわけで、これまで理想の社会だといわれていたアメリカに対するイメージが羨望をはらんだ嫌悪に変わったのではないかと分析しています。
共同市場であるEECの創設も、フランスにとっては、アメリカに対抗できるような巨大な市場の形成が必要だったからではないかといっています。
まぁ、米仏関係については、ほかにもいろいろご意見があるでしょうね。ぜひ、お聞かせいただければと思います。
この本は、フランスに滞在した著者が、日々の生活の中で感じた7つの疑問に対して、その答えを、著者の専門である歴史を援用しながら、細かく追及した本です。
七つの謎とは、
1 宗教活動を公にどこまで認めるかという政教分離の問題を、なぜ延々と議論するのか
2 なぜストばかりやっているのか
3 なぜフランス語と少数言語のバイリンガル標識があるのか
4 建設中のマクドナルド店舗を壊した人物がなぜ拍手喝さいされるのか
5 なぜアメリカを目の敵にするのか
6 なぜ大学生がストをするのか
7 ベトナムやアフリカの郷土料理を食べられるのはなぜか
です。
答えを知りたい方は、本買って読んでくださいね。
文章は難しいけど内容はわかりやすい本と、逆に文章はやさしいんだけど、中身が難しい本がありますね。この本はどちらかというと後者です。
管理人の理解も中途半端になってしまいました。
免疫革命(安保徹;講談社インターナショナル)
いまや健康は大ブーム。
このブログでも健康をテーマにしている方がたくさん。
ネットオークションでも健康関連は売れ筋。最近は活性酸素を抑制するα―リポ酸が大人気ですね。
2年前に出て話題になった安保徹先生の「免疫革命」(講談社インターナショナル)がなぜか平積みになっていたので、ご紹介します。
安保先生は、免疫学がご専門。
アメリカ留学中に、新しい抗体や、白血球が作られる場所を新たに発見するなど、大活躍されています。
細分化しすぎて全体を見失い、病気を治すことができなくなった最近の免疫学に対する先生の厳しい批判の書。
病気の原因は、肉体的、精神的ストレスが自律神経に影響を及ぼし、それが生体防衛に従事する白血球のバランスを崩してしまうところにあるそうです。
ガンも、バランスを崩した白血球が自己の体を傷つけるのが原因で、バランスを回復させれば、直ります。 むしろ、手術や抗がん剤、放射線は、バランスをいっそう崩してガンが悪化することもあるといいます。
ガンも含めて病気にかからないようにするためには、あくせく働きすぎない、ゆったりとした心を持つ、バランスの取れた食事、ゆっくりした呼吸、適度な運動、そして体を冷やさないなど、本当にあたり前の生活を送りなさいとアドバイスしています。
特に海外で生活すると、有形無形のストレスが結構ありますね。
管理人は、現地語で言い合っても勝負にならないので、日本語と英語で怒鳴ったりしておりましたが、わからないふりがまたうまいよね、あっちのひとは。
ストレスはたまる一方。
結局、ワインとグルメと買い物、それに旅行でごまかす日々でした。
皆さんもストレスがたまったら、楽天風呂具に思いっきり書きましょう。
あらましとAmazonのバナーは、管理人のHP
Bookwatchにあります。どうぞご活用ください。
このブログでも健康をテーマにしている方がたくさん。
ネットオークションでも健康関連は売れ筋。最近は活性酸素を抑制するα―リポ酸が大人気ですね。
2年前に出て話題になった安保徹先生の「免疫革命」(講談社インターナショナル)がなぜか平積みになっていたので、ご紹介します。
安保先生は、免疫学がご専門。
アメリカ留学中に、新しい抗体や、白血球が作られる場所を新たに発見するなど、大活躍されています。
細分化しすぎて全体を見失い、病気を治すことができなくなった最近の免疫学に対する先生の厳しい批判の書。
病気の原因は、肉体的、精神的ストレスが自律神経に影響を及ぼし、それが生体防衛に従事する白血球のバランスを崩してしまうところにあるそうです。
ガンも、バランスを崩した白血球が自己の体を傷つけるのが原因で、バランスを回復させれば、直ります。 むしろ、手術や抗がん剤、放射線は、バランスをいっそう崩してガンが悪化することもあるといいます。
ガンも含めて病気にかからないようにするためには、あくせく働きすぎない、ゆったりとした心を持つ、バランスの取れた食事、ゆっくりした呼吸、適度な運動、そして体を冷やさないなど、本当にあたり前の生活を送りなさいとアドバイスしています。
特に海外で生活すると、有形無形のストレスが結構ありますね。
管理人は、現地語で言い合っても勝負にならないので、日本語と英語で怒鳴ったりしておりましたが、わからないふりがまたうまいよね、あっちのひとは。
ストレスはたまる一方。
結局、ワインとグルメと買い物、それに旅行でごまかす日々でした。
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モンキーターン
競艇漫画「モンキーターン」(1~30;河合克敏著;小学館)が終わってしまいました。
モンキーターンとは、競艇のターン技術のひとつで、減速せず全速力で回る究極のターン。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、競艇は、6艇のモーターボートで、細長いプールを三周して順位を争います。その間ターンは6回、直線よりもむしろターンのところで勝負がついてしまいます。
選手の中でも、モンキーターンを完璧にできる人は少ないとも言われております。
この漫画は、1997年に始まりました。 なぜか少年サンデーという少年雑誌に連載され、単行本で30冊。管理人は、全部読んでしまいました。
競艇は競馬、競輪と並ぶ日本が世界に誇る三大公営ギャンブルのひとつ。
第二次大戦後の混乱期に地方財政を支援するために、競輪とともに新しく始まったそうです。
競馬が、シンボリルドルフなどの名馬や武豊らスター騎手の登場と、すばらしい施設の整備などで、国民的レジャーのひとつになったのに比べて、競艇はマイナーです。
しかし、全国24ヶ所ある競艇場の施設のリプレースはどんどん進んでいます。
浜名湖とか琵琶湖などは御殿のような建物になっていますし、町おこしの手段としてみんなが大切にしているところもあり、競艇も次第に一部好事家のものから一般市民のレジャーへと転換しつつあります。
この漫画は、ある少年が、学校を出て、競艇選手になるために競艇学校で訓練を受け始めてから、一番大きいレースで勝ち、一流の選手として活躍するまでの物語。
師弟関係、ライバル関係、同僚との友情、そして恋物語も挟んだ、ほんとに楽しめる漫画です。 実在の選手を髣髴とさせる人物設定、各競艇場のきめ細かい描写もこの漫画のアドバンテージ。
競艇が競馬や競輪と違うのは、約1割を占める女子選手の存在。 この漫画の恋物語もその女子選手が間に入ってきます。 実際に、アイドルのような選手もいて、人気のひとつの原因になっているのでは?と、管理人は、考えています。
そして、この漫画のおかげで競艇の技術や選手を覚え、成果があがったかもしれません。
海外の方にはあんまりというかぜんぜん関係ない話題になってしまいました。
競艇場の近くに住んでらっしゃる方で、まだいかれたことのない方は、モンキーターンをちょっとだけ読んで、それから競艇場を覗いてみてください。
本日は競艇なり。
モンキーターンとは、競艇のターン技術のひとつで、減速せず全速力で回る究極のターン。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、競艇は、6艇のモーターボートで、細長いプールを三周して順位を争います。その間ターンは6回、直線よりもむしろターンのところで勝負がついてしまいます。
選手の中でも、モンキーターンを完璧にできる人は少ないとも言われております。
この漫画は、1997年に始まりました。 なぜか少年サンデーという少年雑誌に連載され、単行本で30冊。管理人は、全部読んでしまいました。
競艇は競馬、競輪と並ぶ日本が世界に誇る三大公営ギャンブルのひとつ。
第二次大戦後の混乱期に地方財政を支援するために、競輪とともに新しく始まったそうです。
競馬が、シンボリルドルフなどの名馬や武豊らスター騎手の登場と、すばらしい施設の整備などで、国民的レジャーのひとつになったのに比べて、競艇はマイナーです。
しかし、全国24ヶ所ある競艇場の施設のリプレースはどんどん進んでいます。
浜名湖とか琵琶湖などは御殿のような建物になっていますし、町おこしの手段としてみんなが大切にしているところもあり、競艇も次第に一部好事家のものから一般市民のレジャーへと転換しつつあります。
この漫画は、ある少年が、学校を出て、競艇選手になるために競艇学校で訓練を受け始めてから、一番大きいレースで勝ち、一流の選手として活躍するまでの物語。
師弟関係、ライバル関係、同僚との友情、そして恋物語も挟んだ、ほんとに楽しめる漫画です。 実在の選手を髣髴とさせる人物設定、各競艇場のきめ細かい描写もこの漫画のアドバンテージ。
競艇が競馬や競輪と違うのは、約1割を占める女子選手の存在。 この漫画の恋物語もその女子選手が間に入ってきます。 実際に、アイドルのような選手もいて、人気のひとつの原因になっているのでは?と、管理人は、考えています。
そして、この漫画のおかげで競艇の技術や選手を覚え、成果があがったかもしれません。
海外の方にはあんまりというかぜんぜん関係ない話題になってしまいました。
競艇場の近くに住んでらっしゃる方で、まだいかれたことのない方は、モンキーターンをちょっとだけ読んで、それから競艇場を覗いてみてください。
本日は競艇なり。
堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくりかた
アメーバでライブドアの話をするのもどうかと思いますが・・・・。
ライブドアの堀江さんといえば、楽天の三木谷さんと並んで、今をときめくITベンチャーのスター。
最近では、ニッポン放送の株式買収で去年の近鉄買収に続いて大きな話題を提供。
毎日のようにテレビにも露出、歯切れのいい受け答えと旧来の価値観を覆すような発言で、テレビ、マスコミ界では大うけ。
毎日引っ張りだこです。
また、ライブドアブログでは、社長日記を書いていて、これが、アクセス一位の看板ブログになっています。
確かに面白いうえに、さりげなく新製品、おいしい店にリンクされており、思わずクリックしてしまうような魅力にあふれています。
堀江さんは、本もたくさん書いています。
最近も「100億稼ぐメール術」がベストセラーですし、近々英語の勉強法の本も出すようです。
新刊ではないのですが、去年9月に出した「儲かる会社の作り方」(ソフトバンクパブリッシング)に堀江さんの人生観や今発言していることなどすべてが出ているようなので、それを紹介します。
最初のページに、堀江さんが、1996年にホームページ制作などをメインとする有限会社を設立したときの事業計画書が出ています。
計画書なんて簡単でいいんです、要は、中身なんだよといっています。この計画書ではじめの資金600万円を調達して、スタート。
堀江さんがなぜ起業したのか、東大出なら、大企業に簡単に就職できたんではないかと思います。
彼の考えは、「一生懸命働いて労働効率も高い若者より、少々お疲れ気味の高齢者が、たくさん稼ぐのはおかしい、若者がその高齢者にペコペコするのも納得できない。」といっています。
でも、かといって、そんな簡単に起業できるのかと思いますが、「あなたの周りを見回してあなたのほうが、半分以上の人より仕事ができそうだと判断したら起業できる」と断言しています。
堀江さんは何よりも営業活動を重視します。とにかく、お客さんの要望に多少無理でもこたえていくのが大切だと説きます。
ほかより一歩前に出て、顧客を囲いこんで行くという営業の王道ですね。
IT界の勝組ナンバーワンが、基本は営業なんだとおっしゃるのは、ちょっと意外な気がしますが、事業のコンテンツは変わっても、人と人がとつながっていく過程は普遍的なんですね。
少し会社が大きくなると、会社の組織が大切になるといっています。
だんだんトップの目配りが効かなくなり、後で入ってきた優秀な人材が活躍しだすと、創業のころのメンバーでは手に負えなくなるので、よほど組織をしっかりさせないと立ち行かなくなると説いています。
会社経営の基本は、やはり収益を確保し、費用を最小限に抑えること。
当たり前のことですが、なかなか現実にはそうならないのです。
堀江さんは、収益というのは、基本的にキャッシュだといいます。売掛金などが多くなると、どうしてもお金が回らなくなり、難しい状態に陥る可能性が高く、そうしないために、日銭の入るコンテンツを確保すべきなのです。
費用のほうは、たとえ鉛筆一本でも見積もりを取って節約するぐらいの姿勢が必要です。ライブドアのコストカットはそりゃぁ厳しいらしい。
やがて会社が大きくなって、いよいよ株式市場に上場し、資金を広く集めるようになると、社員に対して、ストックオプションを供与し、それを活用することで、社長だけでなく社員全員が幸せになるのです。
自分で起業できなくても、勝組になりそうな起業者についてゆけば、十分幸せになることができるというわけです。
こう書いてくるとほんとに簡単に、儲かる会社ができそうな気分になってきますね。
あらましは、管理人のHP
Bookwatchにまとめています。どうぞご覧ください。
ライブドアの堀江さんといえば、楽天の三木谷さんと並んで、今をときめくITベンチャーのスター。
最近では、ニッポン放送の株式買収で去年の近鉄買収に続いて大きな話題を提供。
毎日のようにテレビにも露出、歯切れのいい受け答えと旧来の価値観を覆すような発言で、テレビ、マスコミ界では大うけ。
毎日引っ張りだこです。
また、ライブドアブログでは、社長日記を書いていて、これが、アクセス一位の看板ブログになっています。
確かに面白いうえに、さりげなく新製品、おいしい店にリンクされており、思わずクリックしてしまうような魅力にあふれています。
堀江さんは、本もたくさん書いています。
最近も「100億稼ぐメール術」がベストセラーですし、近々英語の勉強法の本も出すようです。
新刊ではないのですが、去年9月に出した「儲かる会社の作り方」(ソフトバンクパブリッシング)に堀江さんの人生観や今発言していることなどすべてが出ているようなので、それを紹介します。
最初のページに、堀江さんが、1996年にホームページ制作などをメインとする有限会社を設立したときの事業計画書が出ています。
計画書なんて簡単でいいんです、要は、中身なんだよといっています。この計画書ではじめの資金600万円を調達して、スタート。
堀江さんがなぜ起業したのか、東大出なら、大企業に簡単に就職できたんではないかと思います。
彼の考えは、「一生懸命働いて労働効率も高い若者より、少々お疲れ気味の高齢者が、たくさん稼ぐのはおかしい、若者がその高齢者にペコペコするのも納得できない。」といっています。
でも、かといって、そんな簡単に起業できるのかと思いますが、「あなたの周りを見回してあなたのほうが、半分以上の人より仕事ができそうだと判断したら起業できる」と断言しています。
堀江さんは何よりも営業活動を重視します。とにかく、お客さんの要望に多少無理でもこたえていくのが大切だと説きます。
ほかより一歩前に出て、顧客を囲いこんで行くという営業の王道ですね。
IT界の勝組ナンバーワンが、基本は営業なんだとおっしゃるのは、ちょっと意外な気がしますが、事業のコンテンツは変わっても、人と人がとつながっていく過程は普遍的なんですね。
少し会社が大きくなると、会社の組織が大切になるといっています。
だんだんトップの目配りが効かなくなり、後で入ってきた優秀な人材が活躍しだすと、創業のころのメンバーでは手に負えなくなるので、よほど組織をしっかりさせないと立ち行かなくなると説いています。
会社経営の基本は、やはり収益を確保し、費用を最小限に抑えること。
当たり前のことですが、なかなか現実にはそうならないのです。
堀江さんは、収益というのは、基本的にキャッシュだといいます。売掛金などが多くなると、どうしてもお金が回らなくなり、難しい状態に陥る可能性が高く、そうしないために、日銭の入るコンテンツを確保すべきなのです。
費用のほうは、たとえ鉛筆一本でも見積もりを取って節約するぐらいの姿勢が必要です。ライブドアのコストカットはそりゃぁ厳しいらしい。
やがて会社が大きくなって、いよいよ株式市場に上場し、資金を広く集めるようになると、社員に対して、ストックオプションを供与し、それを活用することで、社長だけでなく社員全員が幸せになるのです。
自分で起業できなくても、勝組になりそうな起業者についてゆけば、十分幸せになることができるというわけです。
こう書いてくるとほんとに簡単に、儲かる会社ができそうな気分になってきますね。
あらましは、管理人のHP
Bookwatchにまとめています。どうぞご覧ください。
欧州通貨統合のゆくえ ユーロは生き残れるか
ユーロができたとき、管理人は、ほんとに驚き、桃の木、山椒の木でした。まさかあれだけ人々の考え方や言葉がばらばらなヨーロッパに、共通の通貨ができるなんて思いもよらなかったからです。
スーパーマーケットで買物をしてお金を払うとおつりが来ます。ここまでは日本と同じなのですが、おつりはバスの切符でいいかと聞いたり、公衆電話用のコインがつり銭の中に混じっていたり、何が起こるかわからない日常。 そこに突然、ユーロ以外はだめといったって、果たして聞いてくれるのでしょうか。すでに町では各国の金は使えないことになっていますが、とても信じられません。
どなたかリアルな姿を教えてくれませんか。
もともとヨーロッパ共同体の発想は、第二次大戦後、チャーチルやシューマンなどが、米ソの谷間のヨーロッパを復興させるためには、ヨーロッパが団結して、対抗しなければならないと考えたことがひとつの原点ではあるでしょう。
もちろんそれだけではなく、長い間戦争によって多くの国々が離合集散してきた歴史を持ち、さらに近年の、第一次、第二次大戦で荒れはてた国土を回復するには、まず平和が一番大切であると多くの人が感じたからに違いありません。
いわば、平和を模索するプロセスのなかに、関税同盟、国境検査の廃止、欧州市民権の確立、欧州議会や欧州委員会による共通政策の実施など、一部の経済、政治統合が位置づけられ、その最終段階がユーロという共通通貨の導入と考えることができます。
本書では、ユーロ導入に伴うメリットとともに、金融政策と財政政策上の問題点を詳細に検討しています。 ただ、ヨーロッパの大きな地域への共通通貨の導入という重大な問題ですから、実際に導入された際に、市民生活にどんな影響があったのか、為替レート上、勝ち組と負け組みがあったのではないか、共通通貨はかつて基軸通貨であったマルクではだめだったのか、あるいは、英国のように共通通貨を導入しなくても、十分成果は挙げられるのではないかなど、いろいろな角度からの今後の議論に期待したいと思います。
ヨーロッパには、これまでも通貨同盟がなかったわけではありませんが、多くは、戦争によってなくなっているそうです。
ユーロはいわば平和のシンボルということができるのではないでしょうか。
管理人のHPに、本のあらましをまとめています。ご覧ください。
スーパーマーケットで買物をしてお金を払うとおつりが来ます。ここまでは日本と同じなのですが、おつりはバスの切符でいいかと聞いたり、公衆電話用のコインがつり銭の中に混じっていたり、何が起こるかわからない日常。 そこに突然、ユーロ以外はだめといったって、果たして聞いてくれるのでしょうか。すでに町では各国の金は使えないことになっていますが、とても信じられません。
どなたかリアルな姿を教えてくれませんか。
もともとヨーロッパ共同体の発想は、第二次大戦後、チャーチルやシューマンなどが、米ソの谷間のヨーロッパを復興させるためには、ヨーロッパが団結して、対抗しなければならないと考えたことがひとつの原点ではあるでしょう。
もちろんそれだけではなく、長い間戦争によって多くの国々が離合集散してきた歴史を持ち、さらに近年の、第一次、第二次大戦で荒れはてた国土を回復するには、まず平和が一番大切であると多くの人が感じたからに違いありません。
いわば、平和を模索するプロセスのなかに、関税同盟、国境検査の廃止、欧州市民権の確立、欧州議会や欧州委員会による共通政策の実施など、一部の経済、政治統合が位置づけられ、その最終段階がユーロという共通通貨の導入と考えることができます。
本書では、ユーロ導入に伴うメリットとともに、金融政策と財政政策上の問題点を詳細に検討しています。 ただ、ヨーロッパの大きな地域への共通通貨の導入という重大な問題ですから、実際に導入された際に、市民生活にどんな影響があったのか、為替レート上、勝ち組と負け組みがあったのではないか、共通通貨はかつて基軸通貨であったマルクではだめだったのか、あるいは、英国のように共通通貨を導入しなくても、十分成果は挙げられるのではないかなど、いろいろな角度からの今後の議論に期待したいと思います。
ヨーロッパには、これまでも通貨同盟がなかったわけではありませんが、多くは、戦争によってなくなっているそうです。
ユーロはいわば平和のシンボルということができるのではないでしょうか。
管理人のHPに、本のあらましをまとめています。ご覧ください。
大中華圏 その実像と虚像
大中華圏読みました。
これはすごい本でした。
渡辺、寺島、朱、三先生始め、50人のそうそうたるメンバーによる今現在の中国論。 それぞれ専門分野の知識や経験を総動員しての冷静な分析と、元中国大使や元自民党幹事長それに日本経団連会長など、日本を代表する方々のインタビューによる中国観が披露されています。
ほぼ全員に共通なのは、中国の発展を脅威として捉えず、これをしっかり受け止めて、共に東アジアの平和と安定を目指す共同作業をすべきだということのようです。
小泉首相の靖国参拝をきっかけとした政治摩擦は、この目標にとって障害となるばかりではなく、ぐずぐずしていると、アメリカ留学組が指導者の地位につきつつある中国と日本の交流が途切れてしまうのではないかと懸念されます。
1980年代後半に中国にはじめていったとき、まだ社会主義の体制がしっかりしていたのか、日本人はあくまでも招待客で、全体のスケジュールも直前になるまでわからず、買物もままならなったのを覚えています。
1990年代前半に行った時には、すっかり様子が変わっていて、食事も自由、買物も自由、町にはレストランや商店が並び、日本のカラオケもできていました。
つい先年の上海は、これがあの中国かと思わせるほどの繁盛振り。町には人があふれ、商品があふれ、人々は現在を満喫しているようでした。 ついに管理人は迷子になってしまいました。
日本人は、アジアで迷子にならぬよう、中国をじっと見つめていかねばなりませんね。
これはすごい本でした。
渡辺、寺島、朱、三先生始め、50人のそうそうたるメンバーによる今現在の中国論。 それぞれ専門分野の知識や経験を総動員しての冷静な分析と、元中国大使や元自民党幹事長それに日本経団連会長など、日本を代表する方々のインタビューによる中国観が披露されています。
ほぼ全員に共通なのは、中国の発展を脅威として捉えず、これをしっかり受け止めて、共に東アジアの平和と安定を目指す共同作業をすべきだということのようです。
小泉首相の靖国参拝をきっかけとした政治摩擦は、この目標にとって障害となるばかりではなく、ぐずぐずしていると、アメリカ留学組が指導者の地位につきつつある中国と日本の交流が途切れてしまうのではないかと懸念されます。
1980年代後半に中国にはじめていったとき、まだ社会主義の体制がしっかりしていたのか、日本人はあくまでも招待客で、全体のスケジュールも直前になるまでわからず、買物もままならなったのを覚えています。
1990年代前半に行った時には、すっかり様子が変わっていて、食事も自由、買物も自由、町にはレストランや商店が並び、日本のカラオケもできていました。
つい先年の上海は、これがあの中国かと思わせるほどの繁盛振り。町には人があふれ、商品があふれ、人々は現在を満喫しているようでした。 ついに管理人は迷子になってしまいました。
日本人は、アジアで迷子にならぬよう、中国をじっと見つめていかねばなりませんね。
わが子を名門小学校にいれる法(清水勝彦著;PHP新書)
この本は、綺羅星のような名門小学校がちょうどお受験本番を実施しているころに出版されました。
庶民には手が届きそうもない有名小学校に、どうしたらわが子を入れることができるか、を著者ご自身の経験と学校やお受験塾への取材をもとに、細かく描写する臨場感あふれたマニュアルです。
お受験では、何よりも、子供をどうやって育ててきたか、これからどんな子供にしたいかという、確固たる親の教育方針が求められ、母親だけでなく、父親も巻き込んだ総力戦が要請されるのだそうです。
そして、後で振り返ってみて、家族が団結し、楽しかったといえるような受験対策をした家庭が勝利する、これがお受験「勝利の方程式」である、といっています。
後半は、慶応幼稚舎、学習院初等科など、いわゆるお受験校の紹介があり、願書に何をどう書けばいいかというところまで、アメリカのマニュアル本さながらに丁寧に解説されています。
管理人の子供は、ある日本人学校へ行っていたのですが、お受験なんて違う星の話だよね、とばかり、放課後は、日本人同士あるいは、時に現地の子供も入れて、遊び続けていました。
お母さんも先生も、買物や旅行で頭がいっぱいでしたし、子供も勉強どころではありません。
ちょっとかじった現地語を交えた愉快な会話が聞こえる日本人学校は、子供だけでなく、大人にとってもかけがえのない社交場だったことでしょう。
でも、日本へ帰ってからが大変。駅名が読めない、街の広告が読めない日々が続きました。小さい頭に、複数の言語をつめこむのはやはり無理だったのかもしれません。
2年くらいたって、日本語が頭に残っていた現地語を駆逐すると、外国にいたことも忘れてそ知らぬ顔をしていましたから、あんまり小さいときに外国語を勉強しても、続けなければ意味がありませんね。
親は、子供にどんな教育を受けさせるかについて、しっかりした考え方を持っていないといけないのでしょうが、まぁ、しかし、うちの子供を見ていると、ほうっておいてもそれなりに子供は育つのだとも思ってしまいます。
この本は、ある意味で、日本の最先端の教育事情であり、これから日本へ帰国される方の参考になるのではないでしょうか。
詳しいあらましは、管理人のホームページ「Bookwatch」をご覧ください。
http://www.gakushuin.ac.jp/prim/nyugaku/
庶民には手が届きそうもない有名小学校に、どうしたらわが子を入れることができるか、を著者ご自身の経験と学校やお受験塾への取材をもとに、細かく描写する臨場感あふれたマニュアルです。
お受験では、何よりも、子供をどうやって育ててきたか、これからどんな子供にしたいかという、確固たる親の教育方針が求められ、母親だけでなく、父親も巻き込んだ総力戦が要請されるのだそうです。
そして、後で振り返ってみて、家族が団結し、楽しかったといえるような受験対策をした家庭が勝利する、これがお受験「勝利の方程式」である、といっています。
後半は、慶応幼稚舎、学習院初等科など、いわゆるお受験校の紹介があり、願書に何をどう書けばいいかというところまで、アメリカのマニュアル本さながらに丁寧に解説されています。
管理人の子供は、ある日本人学校へ行っていたのですが、お受験なんて違う星の話だよね、とばかり、放課後は、日本人同士あるいは、時に現地の子供も入れて、遊び続けていました。
お母さんも先生も、買物や旅行で頭がいっぱいでしたし、子供も勉強どころではありません。
ちょっとかじった現地語を交えた愉快な会話が聞こえる日本人学校は、子供だけでなく、大人にとってもかけがえのない社交場だったことでしょう。
でも、日本へ帰ってからが大変。駅名が読めない、街の広告が読めない日々が続きました。小さい頭に、複数の言語をつめこむのはやはり無理だったのかもしれません。
2年くらいたって、日本語が頭に残っていた現地語を駆逐すると、外国にいたことも忘れてそ知らぬ顔をしていましたから、あんまり小さいときに外国語を勉強しても、続けなければ意味がありませんね。
親は、子供にどんな教育を受けさせるかについて、しっかりした考え方を持っていないといけないのでしょうが、まぁ、しかし、うちの子供を見ていると、ほうっておいてもそれなりに子供は育つのだとも思ってしまいます。
この本は、ある意味で、日本の最先端の教育事情であり、これから日本へ帰国される方の参考になるのではないでしょうか。
詳しいあらましは、管理人のホームページ「Bookwatch」をご覧ください。
http://www.gakushuin.ac.jp/prim/nyugaku/
