ACL決勝トーナメント一回戦を観に味スタに行った。チケットは当日券自由席2700円、客入りは悪く9000人ほど。
アップを見るとエリクソン率いる上海は基礎キックや5対5のポゼッションを行っていた。古典的なアップで、ポゼッションはあまり上手くなかった。それでも要所要所では100%でやっていて締まりのあるアップ。
東京は江蘇戦でも見たが同じ内容のアップで、感じるのは常に75~85%くらいで少し力を抜いてやっているように感じること。スペインでいつもアップを見ていたのでここ5年ほどでたぶん100回以上のプロの試合のアップを見てき他が、日本の試合のアップで感じるのは、日本人はまじめに練習もアップもするけど、やらされている感が少しあって、常にコーチの目を気にしてダラダラはやらないが、100%でもやっていないように見えること。スペイン人はダラダラして60%でやる時間と100%でやる時間のメリハリがある。100%は短い持続時間ではあるが、試合は100%でやるのをちゃんと考えて100%でやる瞬間がある。 日本人はもう少しメリハリを持つべきだと感じた。
アップの締まりがないように感じた東京ではあったが、試合の入りはかなり良い。東の左サイド中心に押し込み、敵のクリアも高橋中心のバランスよい配置で拾えるので連続攻撃が多い。攻撃は個の能力が足りないので決め手には欠けるが、かなり積極的だった。
上海はラインが割と高めで、コンパクトにして中盤で奪いたいが、東京のサイドからの攻撃によって押し込まれることが多い。エウケソン中心に速攻を仕掛けたいが東京はかなり警戒しているのでカウンターはできず、後ろでしっかりつないでからサイドバックを起点にロングボールを入れることが多いがセカンドを高橋、米本らに拾われるので攻めあぐねる。
東京はエウケソンを警戒してか上海ほどラインは高くはないが、低くもなくバランスの良い守備ができていた印象。危ないシーンは徳永の横パスとバックパスを奪われたシーンやコンカの合わせにきたFKくらいだった。
前半は押し込んだ東京が42分に水沼の低いFKで先制。相手が飛ぶのを予測した頭脳的なFKだった。
後半に入ると上海がエリクソンの指示なのか一気に前から仕掛けてくる。東京は後半の入りが悪く、ラインが前半よりも10mくらい下がってしまう。 押し込まれてラインが下がり、クリアしてもラインを上げないので前線の選手たちも下がってしまってクリアを拾ってキープできず、上海に拾われた後も最終ラインが低いのでプレスを強くいけない。プレスが緩くなるとDFラインの前でコンカのスペースができるので自由にプレーさせてしまう。
後半10分、米本が前からプレスをかけた後に低いラインにロングボールを蹴られ、徳永がクリアするも拾われると米本が飛び出してしまったスペースにいたコンカにそのスペースを使われ、前を向いて受けたコンカのスルーパスから7番が決めて上海に同点ゴールが生まれる。 米本が我慢できず飛び出してしまっていたが、個人的にはかけたかった気持ちもわかるし、米本のように前にプレスをかけて奪える選手がいるのだから全体的にもう少し押し上げてほしかった。全体として下げて耐えしのぐと決めていたなら米本は飛び出してはいけなかったが、そこら辺の意思の疎通が上手くできていたようには思えない。
その後は上海はビルドアップの上手い左サイドバックでキャプテンの4番中心にサイドから仕掛けることが多いが、東京も少しずつ意地を見せてサイドから攻撃を仕掛けられるようになる。
後半20分、高橋が拾うとバイタルエリア手前で羽生、阿部、前田、米本と小気味良いパスをつないでからサイドの徳永に展開し、徳永のクロスをファーに飛び込んだ水沼がダイレクトボレーを決めて勝ち越し。
ここからは上海はコンカの個人技と、パワープレーで押し込んでくる。高さでは吉本中心に競り勝ち、こぼれは高橋、米本が体を張って耐える。体をよく張ってはいたが、ラインがそろっていないのとクリアした後のラインの押し上げが弱いのがすごく気になった。裏を取られるのを気にしてるのはわかるが、そこまで縦に速くぶち抜いてくる選手はいなかったので、もう少し小まめに上げてボールの出どころにプレスをかけた方が絶対に良かったと思う。
最後まで耐え抜いて2対1で勝利。よく戦ってはいたが、後半の最初の10分はラインが低くてビビりすぎな悪い入り方だったし、ゲーム運びが下手に感じた。
上海はアサモアー・ギャンとエウケソンの2トップで縦に速いチームだと思っていたが、ギャンが怪我で欠場したのでカウンターはそこまで縦に速く抜け出せなかった。後半に入ると前から積極的に来て、コンカがうまくフリーでもらってチャンスを何度か作れていた。中国人の4、7、11は結構よい選手で、江蘇よりも中国人の質は高いように感じた。
東京はカウンターに警戒していたのはわかるが、ギャンがいなくて縦にそこまで速くなかったのだからもう少しラインを上げてコンカらパスの出どころに強くいく守備をしてほしかった。前半は前から上手くいけていたが、あのペースをもう少し後半も見たかった。せっかく全員体を張って戦っているのに、試合運びが上手くないように感じた。ラインがそろわないのとクリアした後のラインの押し上げの弱さが気になったが、一人がプレスに行った時の後ろの押し上げがもう少し苦しい時間帯にできるようになればともう少し楽に戦えるのにと感じた。
悪い時間帯にもう少しだけラインを頑張って上げてクリアボールやセカンドを拾おうと言えるリーダーがピッチ上にいないし、監督も気づけないのが残念だった。せっかくの素晴らしい前半を後半の入りの悪さで台無しにしかけた。
良かった選手は水沼、高橋、コンカ。
水沼は2ゴールと結果で貢献。前半は東の方が動きが良かったし、守備でプレスの距離が遠くて4番に裏への良いパスを何度か出されるなど全体的には悪いプレーも目立ったが、2ゴールは立派だし、どちらもゴラッソだった。
高橋は守備バランスをもたらしてセカンドボールをよく拾っていた。なんで高橋がJ3に出てるんだと怒っていたが、戻ってきたらさすがのバランス感覚でチームに安定をもたらしている。欲を言えば後半最初の10分でもう少しガツガツ行って米本、羽生を押し上げてプレスを前にかけさせてほしかったが、試合全体を通しては貢献度が非常に高かった。
コンカは後半に前後にフリーになるために動いて、羽生もしくは米本の背後で高橋の両脇にあるスペースを見つけ、前を向いて何度か仕掛けられていた。素晴らしいスルーパスで同点ゴールを演出し、その他にも何度か危険な場面を演出。
上海はコンカが違いになっていたが、エウケソンはそこまで恐くなかった。ギャンがいるとまた別のチームになるのかとも思う。東京はオール日本人で、個の違いを作れる選手はいないが全員がファイトして戦えていた。欲を言えば流れの悪い時に立て直せる選手がほしいし、ラインが下がってしまったときにクリアボールをキープして押し上げる時間を作れる選手がほしかった。ただ、やはり日本人のレベルは中国人選手よりも高く、チームのために戦えるという面でアジアではまだリードしているのかと思う。負けている部分は外国人の質。
第2戦はギャンに気を付けて、ラインが低くなるのはしょうがないがクリアしたらもう少し押し上げてセカンドを拾えるようにしてほしい。あと、できればバーンズが見たい。
