改:第8話.遊びの達人【恐い夢☆優しい夢】 | 風月庵~着物でランチとワインと物語

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毎日着物で、ランチと色々なワインを楽しんでいます。イタリアワイン、サッカー、時代劇、武侠アクションが大好きです。佐藤健さんのファンで、恋はつづくよどこまでもの二次創作小説制作中。ペ・ヨンジュンさんの韓国ドラマ二次創作小説多々有り。お気軽にどうぞ。

【恐い夢☆優しい夢『ヨンジュンのオフの過ごし方』】

第8話.遊びの達人

朝ごはんが終わるとルナはお洗濯を始めた。そうだ、そう言えば朝起きたら僕はパジャマじゃなくてTシャツを着ていた。何でだろう。夜中に一人で着替えたのかなぁ。覚えていなかった。

今日はお休みだからテレビでアニメがあるのを思い出した。
「ヨンジュン、テレビ見ていい?」
「アニメ?」
「うん、サヨンも好きなんだ」
「何時から始まるの?」
「9時からだよ」
「まだ時間があるな。先に掃除機を掛けよう」
ヨンジュンは『ちょっと待っていて』と言って僕とサヨンをベッドへ連れて行った。

待っている間に僕とサヨンはベッドの上でアニメの真似をしてピョンピョン跳ねたりゴロゴロ転がったりした。ベッドが揺れるからサヨンはキャーキャー言って騒いでいた。ルナが入って来た。
「わぁ、大変」
気がついたらシーツにはサヨンのヨダレがいっぱい付いていて、布団がグチャグチャになって下に落ちていた。
「終わったよ」
ヨンジュンは僕らを迎えに来た。そして…ベッドを見て驚いた。
「自分たちだけで遊んだな~」
ヨンジュンは笑いながら僕とサヨンを捕まえた。ブンブン振り回されて、僕もサヨンもキャーキャー言って笑った。

ルナはシーツを洗濯機へ持って行った。
「ハラン、手伝って」
ヨンジュンと僕と二人で新しいシーツを広げた。サヨンはベッドの下に座って不思議そうに見ていた。シーツは凄く大きかったけど上手く出来た。

僕らは部屋に戻ってアニメを見た。ヨンジュンはベッドの部屋へ掃除機を掛けて、そのあと乾燥機からお洗濯を持って来て畳んだ。
「はい、これがハランのだよ」
触ってみたらまだ少し温かかった。ヨンジュンは大きな手でパッパッとすぐ畳んでしまう。ママより早いかも知れない。サヨンのも畳んで、ヨンジュンのも畳んで…ルナが乾いたシーツを持って入って来た。
「はい、これはルナのだよ」
「私のも畳んでくれたの」
「うん」
ヨンジュンはニコニコしてるのにルナは受け取る時、恥ずかしそうにしていた。何でだろう。

「ハラン、シーツを畳もう」
僕はヨンジュンに言われてシーツの反対側を持った。凄く大きくて長いから持っているのが大変で、ルナが一緒に持ってくれた。
「そのままこっちへ来て」
僕はヨンジュンの所へ走って行った。
「折った所を持って」
僕はまたヨンジュンの所へ走った。半分が半分になって段々ヨンジュンに近づいた。
「出来上がり」
お手伝いなのにとっても楽しかった。

「あとは何をして遊ぼうか」
「外でボール蹴りしたい」
「外かぁ」
ヨンジュンとルナは二人で何か相談していた。
「お昼ごはん食べてからでいいか」
「いいよ」
僕はその時気がついた。ボールを忘れた。
「途中で買って行くから。サッカーボールでいいか」
「うん」
サヨンも真似をして『うん』と言った。

お昼はルナに教えて貰って日本風の『おにぎり』を作った。
「ハラン、熱いからラップの上を持って丸めて」
ルナに言われて上を持ったけど物凄く熱かった。だから小さく握った。小さいから中には何も入れないでパビラン(フリカケ)を掛けた。
「これ、日本のパビランよ。玉子焼きの味がするの」
「黄色いの?」
「どれどれ」
ヨンジュンは指につけて舐めてみた。僕も真似をして舐めてみた。玉子焼きの味がするけど、やっぱりごはんに掛けて食べた方がおいしいと思った。

ルナは僕のおにぎりを見て小さいからサヨンに食べさせるのに丁度いいと言った。
「ハランのは僕が作ろう」
ヨンジュンは僕のおにぎりを作ってくれた。小さいおにぎりの隣に置いたら物凄く大きかった。こんなに大きなおにぎりなんて漫画みたいだ。
「ヨンジュンの手は大きいから」
「ルナの手が小さいんだろう」
「僕は?」
三人で比べたらヨンジュンの手は本当に大きかった。ヨンジュンの作った大きなおにぎりはとってもおいしかった。

僕たちは漢江の公園へ行くことになった。
「あそこなら建物の陰になっているから、あまり人も来ないよ。車も近くに止められる」
「ボールは?」
「じゃあ僕はボールを買うから先に行っていて」

ヨンジュンに言われた通り、僕たちは漢江の公園で待っていた。
「ヨンジュン、遅いね」
「もうすぐ来るわ」
黒いポルシェが見えたから外へ出てみた。ヨンジュンは白いトレーニングウェアに白いキャップを被っていた。僕とサヨンの帽子に似ている。
「先に散歩をしよう。それからサッカーだ」
ルナはサヨンがぐずっているので、どうしようと言った。
「サヨンはごはんを食べたあと眠くなってよく怒るよ」
「そう、眠いのね」
ルナは『車の中にいるから二人で遊んで来て』と言った。

僕とヨンジュンは歩き出した。最初はゆっくり歩いていたけれど段々早くなって、僕は置いて行かれそうになった。だからダッシュしてヨンジュンを追い越した。
「ハラン、走るの速いなぁ」
今度はヨンジュンが僕を追い越した。何回もそれをして楽しくって笑っていたら、いつの間にか公園を一周していた。僕とヨンジュンは走り過ぎてハァハァなった。
「大丈夫か」
「大丈夫だよ」
ルナが笑ったら眠っていたはずのサヨンもクスクス笑っていた。

僕らはボールを蹴った。最初は二人でパスを出してそれから近づいてボールを奪った。
「木と木の間にボールを入れたらゴールだ」
先にボールを取ってシュートしたのはヨンジュンだった。
「惜しかったな」
「木の間に入らなかったからゴールじゃないよ」
僕も負けないで何回もシュートした。入らなかったのもあったけど僕の方が多くゴールした。
「ハランは上手いなぁ」
「ヨンジュンも結構上手いよ」
「そうか」
ヨンジュンは嬉しそうに笑っていた。

お日様が当たらなくなって段々と風が冷たくなってきた。
「もう帰ろうか」
「うん」
車の中にいたサヨンがブーッとクラクションを鳴らした。ルナの車に乗ろうとしたらヨンジュンが言った。
「ハラン、こっちの車へ乗らないか」

次回:第9話.優しい夢

(風月)