改:第3話.僕も好き【恐い夢☆優しい夢】 | 風月庵~着物でランチとワインと物語

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毎日着物で、ランチと色々なワインを楽しんでいます。イタリアワイン、サッカー、時代劇、武侠アクションが大好きです。佐藤健さんのファンで、恋はつづくよどこまでもの二次創作小説制作中。ペ・ヨンジュンさんの韓国ドラマ二次創作小説多々有り。お気軽にどうぞ。

【恐い夢☆優しい夢『ヨンジュンのオフの過ごし方』】

第3話.僕も好き

キムパプを食べてルナがお皿を洗っているうちに僕はリュックからミニカーを出して遊んだ。サヨンはあの大きなぬいぐるみが気に入ったらしく、抱っこしたりバンバン叩いたりして遊んでいた。何を言っているのか分からないけれど赤ちゃんの言葉で話をしている。ヨンジュンは最初ルナの洗ったお皿を拭こうとしたけれど『子供たちを見ていて』って言われてソファーに座った。

「可愛いなぁ」
ヨンジュンはニコニコしながらサヨンを見ている。
「でも時々僕の事を叩くんだ」
「サヨンが?」
「うん、いきなり叩かれて痛いから止めろって言って喧嘩になってママに叱られる」
「そうかぁ」
ヨンジュンは今度は僕の方を見てニコニコしている。
「お兄ちゃんは弟を泣かせちゃいけないっていつも言われるんだ。でも先に叩くのはサヨンなのに」
「僕も子供の頃はよく言われたよ」
「ヨンジュンもお兄ちゃんなの?」
ヨンジュンは妹がいると言った。いっぱいイタズラしても弟や妹は叱られないからいいなぁと思った。

ソファーの上でミニカーを走らせていたらヨンジュンのお尻にぶつかった。ヨンジュンは何も言わないから、そのまま足へ上がって膝まで行って、真っ直ぐ下がって足の指まで行った。
「くすぐったいよ」
ヨンジュンはそう言って足の指を開いて上げたり下げたりした。僕はおかしくなって笑いながら足の上を走らせた。遊んでいるうちにミニカーはコロコロ転がって反対側へ落ちた。
「あれ?…これポルシェじゃないか」
ミニカーを拾ったヨンジュンはポルシェのドアを開けた。
「へぇ、ハンドルもシートもそっくりだ」
「ヨンジュンのポルシェと同じ?」
「このタイプだよ」
「僕も黒いポルシェはかっこいいと思う」
「そうだね」
ヨンジュンは『はい』と言って僕の手にポルシェを乗せた。僕とヨンジュンは同じポルシェを持っていた。

ルナが来て『夕食は何がいい?』と聞いた。
「僕、ハンバーグがいい!」
「ヨンジュンもそれでいい?」
「いいよ。ハンバーグは久しぶりだな」
夕食はハンバーグに決定した。ヨンジュンの隣で寝転んで遊んでいたらソファーがフワフワで気持ちよくなって眠くなった。僕はいつの間にか眠っていた。

気がついたら毛布が掛かっていて目を覚ましたら夕方になっていた。サヨンはヨンジュンに抱っこされて、キッチンのテーブルで赤ちゃんジュースを飲んでいる。ゴクゴク飲んでマグを外したら、サヨンはプハァ~って息を吐いた。
「わぁ、飲むの早いなぁ」
ヨンジュンはびっくりしている。

『ジュ…ジュ…』って炒める音がする。ルナはフライパンの中の物をボウルへ移した。ボウルの中から湯気が上がっている。
「玉ねぎ?」
「そうよ。少し冷まさないとお肉と混ぜられないから」
ルナの後ろで小さな鍋がクツクツ鳴っている。ルナはトングで中のニンジンを摘(つま)んだ。
「もう少し甘くした方がいいかしら」
半分に割ったニンジンをルナはヨンジュンの口へ入れた。
「これくらいでいいんじゃない」
ヨンジュンがモグモグしたら、見ていたサヨンも口をモグモグ動かした。大きいヨンジュンと小さいサヨンが同じ事をするから見ていて笑いそうになった。

ソファーから起きてテーブルへ行ったら、ヨンジュンに抱っこされたサヨンが変な顔をした。ブルブルってしてから今度は何も言わなくなった。
「ヨンジュン、サヨン…臭いよ」
「あっ、大変だ!」
ヨンジュンはバスタオルを持って来てサヨンをソファーの近くの床へ寝かせた。
「私がやるわ」
「いいよ、僕がやる。ルナは料理していて」
僕は紙おむつとお尻拭きを急いでヨンジュンの所へ持って行った。サヨンは何か話しながらバスタオルの端を持ってかじったり振り回したりして遊んでいる。
「わぁ~サヨン、暴れないで」
サヨンは動いて起き上がりそうになるからヨンジュンは焦っている。
「ほら、サヨン。こっちだよ」
僕は音の出るオモチャをサヨンの頭の上で振った。
「紙おむつを取り替える時はオモチャを持たせるといいよ」
「あぁ~そうか。ありがとう、ハラン」
紙おむつの交換はママより遅いけど、ヨンジュンは結構上手かったと思う。

夕食は先にサヨンが食べた。炒めた玉ねぎとすり潰したお肉を入れた豆腐ハンバーグと小さくした甘いニンジンだった。ルナに抱っこされたサヨンは大きな口を開けた。
「いっぱい食べるなぁ」
ヨンジュンはニコニコしてサヨンを見ている。僕らもハンバーグと甘いニンジンを食べた。バターで炒めたコーンや緑のインゲンもあった。ルナのお料理はママの味とちょっと違うけれど、とってもおいしい。おいしくっていっぱい食べた。
「ハランも凄いなぁ」
僕がパクパク食べるからヨンジュンはびっくりしていた。

「僕のも食べるか」
「ううん、いらない。ハンバーグを食べ過ぎるとデザートを食べられなくなるから」
「僕も同じだ。ルナのデザートはおいしいからね」
「だけどハラン、何でデザートがあるって知ってるの?」
ルナが首を傾(かし)げた。
「だってヨンジュンは冷蔵庫を開けて『間に合ったね、デザート固まってるよ』ってルナに言ってたじゃないか」
「よく見てるなぁ」
ヨンジュンはそう言って『アハハ~』って笑うとハンバーグをパクッと口の中へ入れた。

デザートは『梨のゼリー』だった。僕とヨンジュンは『おいしい、おいしい』と言ってゼリーを食べた。食べ終わって片付けてヨンジュンは腕まくりをした。
「ハラン、次はお風呂だよ」

次回:第4話.大人の男

(風月)