朝だ。
掛け布団をはね除けて上半身だけを起こす
苦しい。
ひどい喘息だ。
わずかな隙間から空気を肺に流し込む。
たった一度、胸を空気で満たすのにこんなに時間がかかるなんて。
二度、三度と呼吸を繰り返す。

学校が嫌だ。
家庭が嫌だ。
世界が嫌だ。
自分が嫌だ。




呼吸を妨げる憎たらしい痰をティッシュに吐き出し、そのままベッドの下に投げ捨てる。
たった一つの聖域。
汚い聖域。 


起こした上体を布団に放り投げ、束の間の安息に身を投じる。



怒気を含んだ声と足音が近づいてくる。
聖域はいとも簡単に侵され、惨めな肉塊が転がり出る。

蔑んだ目。 
罵声。
僕は一体何だ?

それでも僕は頼るしかなかった。
苦しみから逃れる勇気もなかった。




不安と焦燥は日に日に膨れ上がって行った。