easiness of sun shine
部屋の片隅でカーテンを引き千切り
爪に滲む血を眺めながら鼻を鳴らし 踞っているあなたを観た
一体 何が勃ったというのか?
私を忘れた昨日のあなた
街路樹の脇にしゃがみこんだ子犬の首環には
潰れて鳴らない鈴がぶらさがってる
一体 何が起ったというのか?
私の眼を見ていた頃のあなたに ----------------
海に泛ぶ朝陽はかつての二人のため
指を鳴らし ステップを蹈む浜辺
あなたと過したあの夏の日
あの太陽の優しさをあなたに……
靴の跟がペチャンコに磨り減っても
同じ場所を歩き迴っているあなた
車のシートにしがみついて
それを見ていた人達もどこかへ行き
澄んだ星空を待ち構えているあなた
その脚元で風に靡く鳥の羽
地面にへばりついたまま何処へも翔ばない
川のせせらぎはやがて海まで届き
あなたの歩く路もここまでは続かない
たとえ途中で自転車を拾おうとも
もう一歩も進まない
海に泛ぶ朝陽が私の心を満たす
指を鳴らし 蹈みだすステップが刻まれる浜辺
あなたにも観せてあげたい空の艷
あの太陽の優しさをあなたに……
taken from “BAD LIFE
” & August 16, 1996 ~ ???? sep, 2008-01-29 01:31:54