なぜ救うことができなかったのか
幼稚園という場所が
学校という場所が
子どもの最後の場所になってはいけない
私は子どもに関わる仕事をする人間として
ずっと考え続けている
でも答えなんかでない
亡くなった子どもたちは戻ってこない
それがとても悔しくつらい
自分は、有事の際
自分の子どもよりも
自分の受け持つ子どもたちの命を守らなければならないだろう
その覚悟は、この仕事をはじめたときからもうできている
だからこそ
我が子の通う学校も
必ず安全であってほしい
そう思っていたと思う、あの日の保護者たちも
子どもが大事ならなぜ迎えにいかなかったとか
石巻の地理や、その日の道路状況や一人ひとりがおかれた状況を想像もできずに
簡単に口にしてほしくない
救急車両さえ身動きとれないほどに
信号がとまったあの日の石巻は混乱していたし
渋滞もしていた
あの小学校へは
石巻の中心部から距離がある
石巻の中心部で働いていた保護者は
どう頑張っても津波到達まで小学校へはたどり着けないだろう
保護者だって、誰よりも迎えに行きたかったはずだ
保護者の気持ちも
先生の気持ちもわかる
あの状況の中
こどもの命を助けたくない先生なんていない
けれど、そんな思考が停止するほどに
混乱しパニックになるような状況だった
だからこそ
こどもの命を守る仕事をする者たちは
パニックや混乱に陥っては
絶対にいけないのだとおもう
判断を誤ることは許されないのだと思う
わたしたちはこどもの命を守ることが一番大切なのだとおもう
勉強をおしえることよりなによりも