もう 20年ちょっと前・・・
仕事帰りに よく通った店がありました。
そこに行くと、何か・・・ホッとするんです。
でも、もう その店は、無くなってしまいました。
その店を見つけたのは、ちょっとし事だったんです。
当時 勤めていた会社は、江東区の清住にあり、
仕事が終わると、門前仲町か両国に飲みに行ってました。
特に両国では、駅の近くの 焼き鳥屋 に通っていました。
その店は、炭火で焼いているため、ラストオーダーが、火種が落ちそうになった時なんです。
メニューも焼き物だけ。
それ以外のメニューは、無いんです。
いつものように会社の仲間と、両国の焼き鳥屋で飲んでいると、尿意が・・・
トイレに行くと、すでに使用中・・・
しばらく待ったのですが・・・なかなか出て来ず・・・
我慢も限界点に・・・
店を出て、裏の路地へ・・・
いけない・・・と思いながら・・・ほぉ~
用を足しながら、ふっと見ると・・・
その店が、あったんです。
小さな店構えで、長年使いこまれた のれん
いかにも 「一杯飲み屋」 の雰囲気を、かもし出していたんです。
「おい!! 良い店を見つけた!!」
「何処?」
「すぐ裏」
「・・・明日 行く?」
「行くしかないでしょ!!」
それからは、週に2日は通っていました。
と言うか、ほとんど その店にしか行ってなかったような (^-^;)
その店の名前は 「太助」
とにかく 安くて美味い!!
かなり飲んで食べても、1人 3,000円ちょっと!!
とくに美味しかったのが、「モツ煮」と「親子丼」
モツ煮は、モツと豆腐しか入っていないのですが、メチャクチャ美味しいんです。
柔らかく煮込まれたモツが沢山&豆腐が1丁 入っていて、430円!!
親子丼は、当初のメニューは「親子煮」だったのですが、自分達が丼にしてもらったんです。
会社の女の子に
「日本橋の老舗で、有名なお店の親子丼の店があるんだよ」
と言われ食べたことがあるのですが・・・
(・・・う~ん・・・美味しくない・・・)
「これなら 太助 の親子丼の方が、美味しいよ」
「うん!! オヤジさんの親子丼のほうが美味しい!!」
飲み仲間 全員一致でした。
味付け、卵の半熟加減 バツグンなんです!!
さらに値段が・・・450円!!
その店の面白い・・・と言うか、通ってしまう理由の1つが・・・
無いものが、無いんです!!
昔 木村拓也?が出演していたドラマの店じゃないですが・・・
ドラマの前からだから、こっちが本家ですね。
たとえば、
「オヤジさん ラーメンなんか・・・無理ですよね?」
「あるよ。できるよ。」
「オヤジさん・・・クサヤ なんか、無いですよね?」
「あるよ。 臭くなるけど・・・焼く?」
「オヤジさん・・・かつ丼なんて・・・無理ですよね?」
メニューには、とんかつ なんて無いんです。
でも・・・
「出来るよ。」
メニューには、刺身系だと「マグロぶつ」しか無いのですが、
「最近 寿司 食べてないな~」
「出来るよ。握る?」
と、言って出来ないものが無いんです。
さらに、
「新しく出そうと思うんだけど、食べてみてくれる?不味かったら付けないから。」
で、食べると・・・
「オヤジさん 美味いっす。」
「それじゃ~付けるね。」
会社の女の子を連れて行った時、
「オヤジさん・・・ウーロン茶が付いて無いよ?」
「内は、お酒でお金を貰っているんだから、お茶では貰えないよ。」
仕事が終わると
「今日 太助に行くけど・・・行く?」
「マジでムカつく!! 太助に行かない?」
皆の憩いの場だったんです。
この店で結ばれた夫婦も いるんです。
会社が合併し、皆 バラバラになってしまい・・・
太助にも行けず。
7年前 久しぶりに両国に行き、
「オヤジさん 元気かな~」
と、太助に向かうと・・・
あの使い込まれた のれん は無く、提灯も無く・・・
もう あの 「あるよ。」 の声を聞くことは、出来ませんでした。
あの 「煮込み」 「親子丼」 「オムレツ」 ・・・も食べられなくなりました。
「また行きたい店は?」
と聞かれたら、迷わず
「太助!!」
と答えます。