「生きる意味」を問い続けた心理学者、フランクルの哲学を分かりやすく解説
ビクトール・フランクル 絶望の果てに光がある (ワニ文庫)Amazon(アマゾン)23〜1,713円ビクトール・フランクルと言えば、『夜と霧』でご存じの方も多いと思います。フランクルは、オーストリアの精神科医、心理学者です。1997年に亡くなられました。ナチスによる1938年のドイツのオーストリア併合で、ユダヤ人がドイツ人を治療することが禁じられ、解任させられました。その後強制収容所に送られ、1945年にアメリカ軍により解放されました。強制収容所での体験をもとに書かれたのが『夜と霧』です。フランクルのロゴセラピーという心理療法は、この強制収容所での体験からできたと誤解されている人もいますが、すでに強制収容所に送られる前に、ほぼ完成していたと言われています。この『絶望の果てに光がある』は、そのフランクルの考えを、フランクル研究など人間性心理学の分野で著名な心理学者諸富祥彦氏がわかりやすく解説されている著書です。「何のために生きているか分からない」そのように訴えられるクライアントさんが沢山いらっしゃいます。そのときいつも私の脳裏に浮かぶのが、この「絶望の果てに光がある」という言葉です。「ひたひたと押し寄せてくる、慢性的な空虚感から目を逸らしてはならない」「あなたの内側を見つめるのをやめなさい。大切なのは、あなたの心の中に潜んでいるものではなく、『未来であなたを待っている」ものである」「人生の意味を疑うのは、その人の高い精神性の証である」「あなたを待っている『何か』がある。あなたを待っている『誰か』がいる」「悩んで悩んで悩み抜け。苦しんで苦しんで苦しみ抜け。絶望の果てにこそ、暗闇の中に一条の希望の光が届けられてくるのだから」著者自身学生の時に生きる意味に悩みぬき、その時に出会ったのがフランクルの著作であったことを告白されています。「実存的空虚」「自己超越性」「至高体験」「創造価値・体験価値・態度価値」など、実存心理学の難しい概念を、わかりやすい言葉で説明してくれます。悩んで苦しみぬくことなしに、本当の答えは見つからないのかもしれません。著者の諸富先生は、悩みぬいた末に、自分を「明け渡す」体験をされました。「『もうだめだすべて終わった』と思い、すべて手放して、家の中で大の字に寝転がっていた時・・・その時、私は見たのです。私を超えた大いなる命の働きが、そこに働いていることを」フランクルは、「人間が人生の意味は何かと問う前に、人生のほうが人間に問いを発してきている」と語ります。著者の諸富先生もこの言葉に驚き、真逆の発想の中で人生の意味を見出していかれたそうです。クライアントさんに直接伝えられることは少ないですが、「悩みぬく」ことの大切さに気付いてほしいと思いながら、カウンセリングをしています。夜と霧を読んでみたいと思われたら・・・夜と霧 新版Amazon(アマゾン)1,320円夜と霧 (字幕版)Amazon(アマゾン)