People crying and screaming . | ーとんとん機音日記ー

ーとんとん機音日記ー

山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記

People crying and screaming . And , we fell in crisis .

Israeli Group Says Military Attacks on Palestinian Homes Appeared to Violate Law
- JAN. 27, 2015 ●The New York Times

パレスチナ

 昨年の暮れの沖縄県知事選挙の頃から、世界情勢の雰囲気の中に、ちょっと異常な緊迫感のようなものが漂い出していた。
 一応の安定状態だったウクライナでも、不穏な空気が流れ出すし、World Food Programmeなどが中心となって、シリア人の難民キャンプが雪に見舞われ、財政難から食糧援助が打ち切られた人々が、寒さと飢えに襲われている窮状を発信し出していた。そして、その同時期の、2015年1月7日に、あのパリの事件が起きたのだった。
 更に、その裏側では、パレスチナ・ガザ地区に対するイスラエルの攻撃がエスカレートとしていて、それと連動して、親イスラエルの各政府側と反政府勢力の衝突もエスカレートする。・・・そういう状況の中で、日本人の人質事件が起きたのだけど・・・。


 この日本人の人質事件は、今後どのように展開するのか、予断を許さないしわからない。

・・・が、しかし、この事件の国内の報道や、それに触発されて、安易に「心が痛む」などと、トレンドのように発信する人々を見ていると、やっぱり、「世界の中心で愛と平和を叫んでいるつもりの日本の平和運動」と同じように、シリアスな現実から乖離しているように思えてならない。
 なぜなら、日本人の人質事件は、中東地域の対立と紛争から起きた不幸な出来事の一部である。そして、そういう対立と紛争が生み出す不幸に巻き込まれている多くの人々がいる。
 日常のささやかな暮らしの隣で、銃声が鳴り出し、ロケット砲の爆発の音が響き渡り、逃げ惑い、簡単に体を引き裂かれ、命を失う・・・という現実。
 もし、メッセージを、同胞の人質を開放して欲しい一心から発信しているのなら、尚更、いわゆるIsilと呼ばれる側にも、それに対する側にも、対立と紛争が生み出す不幸に巻き込まれている多くの人々がいることを十分理解し、その苦しみに同情と共感を示した上で、同胞の人質の開放を願うメッセージを送るべきだと思う。

 だって、対立と紛争が生み出す不幸に巻き込まれている苦しみを見つめようとせずに、「日本人の安全」の事だけを述べる、日本や日本人の態度は、自己中心的であると誤解されかねない。
 コメントを求められていた、中東事情に詳しい人々は、先ず最初に、人質解放に尽力してくださっているヨルダン国王に感謝の念を表してから、解放の事に言及しているが、・・・そのような礼節や道理や共感を欠いた所で、「特殊な日本的な価値観」を主張しても受け入れられるハズが無いと思うから、今日のようなWebで、簡単に、ある国の世論の動向がリサーチできる現状を考えればハラハラする。

 わたしたちは、強固な地盤の上に、わたしたちの大事な暮らしが成り立っていると思っているが、悲観的な予想以上に、現実的には脆いところで成り立っていると思うべきだと痛感する。