よし、仕事終わった。明日は休みだから久々にゆっくりしよう。

「それじゃ、小鳥さんお先に失礼します。」
「え!?プロデューサーさん私を残して一人で帰るんですか!」
「仕事を溜め込んでいた小鳥さんが悪いんですよ。僕も久々に明日休みなんでこれで。」
「プロデューサーさんのいけずー!」

小鳥さんが泣きながら自分の仕事をこなしていたけど、あの量は終電コースだな……
普段から仕事を溜め込まないようにしておかないとね。

「さあ、今日は早めに寝て朝から久々にゲームでもするか。」


ピピッピピッ

「ん、んーもう10時か……やっぱり起き抜けは眠いな。」

布団の中でしばらくもそもそしたのち起き上がる。
ふぁあ、なんで寝起きのときだけはこんなに眠いんだろうな。
もっとすっきり目覚めたいものだ。

「さて、何食べるかな。」

ピンポーン

ん?この時間になんだ。なんか注文した記憶もないし、どうせ勧誘か何かだろう。
無視してればそのうち帰るだろう。

ピンポーン

結構しつこいな。面倒だからさっさと出るか。

「はい。」
「兄ちゃん遅いよ!」
「亜美達、待ちくたびれちゃったよ!」
「亜美に真美じゃないか。どうしたんだ?」

どうして、こんな時間からこいつらが俺の家に……
なんか約束していた記憶もないぞ。

「兄ちゃん、トリックオアトリート!」
「お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!」
「は?お前達何言って……」

今日って、ハロウィンだったか?いや、全然違うぞ。
なんだ、いったい何が起きてるんだ。

「亜美、真美。今日はハロウィンじゃないぞ。」
「まあまあ兄ちゃん。細かいことはいいっこなしっしょ。」
「それじゃお邪魔しまーす!」
「あ、こらお前達!」

全く、こいつらも懲りないな。
あぁ、せっかくの俺の一人休みが……

「なんだよ兄ちゃんこの部屋!」
「えっちぃ本全くないじゃないか!」
「あのなぁ、男が誰しもそういうものを買ってるって思うなよ……」

こいつらは一体何しに来たんだよ。
飯でも食わせてさっさと返すか。

「あ、兄ちゃんこれガンエクじゃん!」
「レバーのコントローラーもあるよ!」
「飯食ってからやろうと思ってたんだよ。」
「真美たちもやる!」
「なんだ、お前達できるのか。」

ほう、二人は色んなゲームやるんだな。

「喧嘩しないでやるんだぞ。」
「えぇー!いつも真美とやってるから兄ちゃんとがいい!」
「亜美だって兄ちゃんとやりたいもん!」
「喧嘩するなと言っただろ。ちゃんと一緒にやってやるから。」



あれから、しばらく二人とやってはいたが……
こいつら普通にうまいな。

「兄ちゃん、逃げてていいよ。後は亜美がやっつけるから。」
「あいあい、そいじゃ俺は逃げてるよ。」

くっ、俺よりうまいじゃねぇか……
普段仕事であまり出来てないのはあるが、悔しいな。

「そうだ、お前達今日は何しに来たんだ?」
「あれ?亜美たち何しに来たんだっけ?」
「そうだよ!トリックオアトリートだよ兄ちゃん!」
「だから、ハロウィンは2ヶ月前に終わっただろ。」

一体何と勘違いしてきたんだ。
まあ、何でもいいか。

「ほれ、そろそろ暗くなってきたからお終いにするぞ。」
「えー!兄ちゃん真美たちご飯食べてないよ!」
「兄ちゃんの手料理食べさせてくれるんじゃないの!」
「わーったわーった、それ食べたらちゃんと帰るんだぞ。」
「「はーい!」」

全く、こういうときばかりは息が合うんだから。
双子ってのはみんなこうなのかねぇ。
ま、それでも楽しい休日を過ごせたからいいかな。

「ご馳走様でした。」
「「ご馳走様でした。」」
「兄ちゃん、料理上手だね。」
「ねね兄ちゃん、また亜美たち遊びに来てもいい?」
「やっぱりただ遊びたかっただけか。別に構わないぞ。」

すごく嬉しそうだな。そうか、事務所でゲームする子がいないのか。
だから、俺がゲームやってるの知ってて来たんだな。

「それじゃ、家まで送ってやるから。」
「おぉ、兄ちゃん太っ腹ですな。」
「よきに計らい給えー。」
「はいはい、それじゃ双子姫。参りますよ。」

とても上機嫌な双子を家に送り届けて俺は帰路に着く。
まあ、たまにはこういうのも悪くはなかったな。
いいリフレッシュできたし、明日からも仕事を頑張ろう。



~Fin~