これを読む前に
with春香
with雪歩
上記二つをお読みください。
ここの話は上記二つを前提として書いています。
雪歩をプロデュースしてから2ヶ月ほど経過した。
担当を開始してから1ヶ月は壁を壊せずにいた雪歩。
しかし、ある日を境に急激に成長し始める。
伸び始めてからわずか一ヶ月でトップアイドルの誰もが通過するオーディション参加まで登りつめた。
そして、ついに……
「プロデューサー。」
「雪歩、よく頑張ったな。」
「はい、プロデューサーのおかげです。」
そう、雪歩はこのオーディションを勝ち抜いた。
春香と同じトップアイドルとしての道を歩き始めることになったのだ。
「俺は何もしていない。全部雪歩が頑張ったからだよ。」
「そんなことないです。プロデューサーが色々してくれたおかげです。」
確かに色々なことをしたな。
でも、結局は雪歩の頑張りがあってこその結果だ。
俺がどうこうしてもダメな子もいるだろう。
本人の努力、この一言に尽きる。
「春香の時と一緒でみんながお祝いしてくれるだろうな。」
「そうだといいですね。でも、その前に……」
「全く、雪歩もすっかりはまっちゃって。」
いつものあれだろうな。
春香も雪歩も色を知ってから、そのために頑張ったといっても間違いじゃないかもしれない。
「よし、今日もいつものところでな。」
「はい。」
いつものところ、春香とは違う場所であるが二人の秘密の場所。
今夜もここで繰り広げられる行為にときめきすら感じていた。
「雪歩。おめでとう!」
「あ、春香ちゃん。ありがとう。」
「これで雪歩と一緒に仕事できるね。」
急に春香が控え室にやってきた。
どうやらオーディションを見学に来ていたらしい。
笑顔で雪歩を祝福している。
だが、その笑みはどこか不気味に感じる。
「プロデューサーさん。」
「春……」
「いつものところって何ですか?」
さっきまでの笑みとは一転して憎しみのこもった声、表情をこちらに向けてくる。
俺が言い切る前に春香が問いただしてくる。
「雪歩でもいいんだよ。いつものところってどこなの?」
「は、春香ちゃん?」
「どうしたの二人とも?答えられないの?」
まずい……まずい、まずい!
どうすればこの状況を切り抜けれるんだ。
まさか聞かれているなんて、とんだ失態を犯した。
「答えられないなら、私から言うね。」
「え?え?」
「雪歩。プロデューサーと体の関係なんでしょ?」
戸惑う雪歩に春香が追い討ちをかけた。
いや、戸惑うのは雪歩だけではない。
俺も、そして春香もだろう。
「ねぇ雪歩。私もプロデューサーとそういう関係なの。」
「え!?」
春香が怒りと憎しみ、そして悲しみを含んだ声で言い放った。
「プ、プロデューサー!本当ですか……?」
「そ、それは……」
雪歩がこちらを見つめる。
信じたい、でも本当なの?そういった悲しみの目で……
俺は返す言葉がなかった。
事実である、言い訳すら出来ない。
この状況を打破する言葉など咄嗟に思いつくはずもなかった。
「ふ、二人とも……は、話す。全部話すからどこか人の少ないところへ行こう。」
無言のままうなずく春香と雪歩。
終わったんだ。何もかも、失ってしまうだろう。
今更後悔しても遅かった。
俺がやってきたことは許されることではないのだから。
人気のない広い公園。
公園のベンチに二人を座らせて俺は話を始めた。
関係を黙っていたこと、二人とも本気だったこと。
「本当にすまない。」
額を地面にこするほど頭を下げて土下座している。
もう、こうなってしまった以上覚悟するしかなかった。
雪歩は言葉も出せないくらいただ泣きじゃくっていた。
「プロデューサーさん。」
「春香……」
「私、うすうす気づいてたんです。」
気づいていた……?俺と雪歩の関係にか?
それはきっと女の勘というやつなのだろうか。
「それで、今日はオーディションを見るだけでなくそれも確かめに来たんです。」
「そしたら、案の定ってわけか……」
「はい……」
ははっ……そうか、そうだったのか。
間抜けな自分に笑いすらこみ上げてくる。
ひざを突いたまま俺はうな垂れていた。
自然と出てきた涙が重力で地面に落ちる。
「こうなったときのことも考えていたんです。」
「そっか、俺はどうs……」
顔を上げて春香を見ようとしたそのときだった。
胸を貫く鋭い痛み。
春香が……俺にナイフを突き立ててきたのだった。
「は……r」
「さようなら、プロデューサーさん……」
痛みが俺を支配する。呼吸も心臓の鼓動も痛みを増幅させるものでしかなかった。
必死に声を出そうとしたが、それも叶わず俺は息を引き取った。
最後に見えた春香の顔は、とても悲しそうな顔だった……
DeadEnd
with春香
with雪歩
上記二つをお読みください。
ここの話は上記二つを前提として書いています。
雪歩をプロデュースしてから2ヶ月ほど経過した。
担当を開始してから1ヶ月は壁を壊せずにいた雪歩。
しかし、ある日を境に急激に成長し始める。
伸び始めてからわずか一ヶ月でトップアイドルの誰もが通過するオーディション参加まで登りつめた。
そして、ついに……
「プロデューサー。」
「雪歩、よく頑張ったな。」
「はい、プロデューサーのおかげです。」
そう、雪歩はこのオーディションを勝ち抜いた。
春香と同じトップアイドルとしての道を歩き始めることになったのだ。
「俺は何もしていない。全部雪歩が頑張ったからだよ。」
「そんなことないです。プロデューサーが色々してくれたおかげです。」
確かに色々なことをしたな。
でも、結局は雪歩の頑張りがあってこその結果だ。
俺がどうこうしてもダメな子もいるだろう。
本人の努力、この一言に尽きる。
「春香の時と一緒でみんながお祝いしてくれるだろうな。」
「そうだといいですね。でも、その前に……」
「全く、雪歩もすっかりはまっちゃって。」
いつものあれだろうな。
春香も雪歩も色を知ってから、そのために頑張ったといっても間違いじゃないかもしれない。
「よし、今日もいつものところでな。」
「はい。」
いつものところ、春香とは違う場所であるが二人の秘密の場所。
今夜もここで繰り広げられる行為にときめきすら感じていた。
「雪歩。おめでとう!」
「あ、春香ちゃん。ありがとう。」
「これで雪歩と一緒に仕事できるね。」
急に春香が控え室にやってきた。
どうやらオーディションを見学に来ていたらしい。
笑顔で雪歩を祝福している。
だが、その笑みはどこか不気味に感じる。
「プロデューサーさん。」
「春……」
「いつものところって何ですか?」
さっきまでの笑みとは一転して憎しみのこもった声、表情をこちらに向けてくる。
俺が言い切る前に春香が問いただしてくる。
「雪歩でもいいんだよ。いつものところってどこなの?」
「は、春香ちゃん?」
「どうしたの二人とも?答えられないの?」
まずい……まずい、まずい!
どうすればこの状況を切り抜けれるんだ。
まさか聞かれているなんて、とんだ失態を犯した。
「答えられないなら、私から言うね。」
「え?え?」
「雪歩。プロデューサーと体の関係なんでしょ?」
戸惑う雪歩に春香が追い討ちをかけた。
いや、戸惑うのは雪歩だけではない。
俺も、そして春香もだろう。
「ねぇ雪歩。私もプロデューサーとそういう関係なの。」
「え!?」
春香が怒りと憎しみ、そして悲しみを含んだ声で言い放った。
「プ、プロデューサー!本当ですか……?」
「そ、それは……」
雪歩がこちらを見つめる。
信じたい、でも本当なの?そういった悲しみの目で……
俺は返す言葉がなかった。
事実である、言い訳すら出来ない。
この状況を打破する言葉など咄嗟に思いつくはずもなかった。
「ふ、二人とも……は、話す。全部話すからどこか人の少ないところへ行こう。」
無言のままうなずく春香と雪歩。
終わったんだ。何もかも、失ってしまうだろう。
今更後悔しても遅かった。
俺がやってきたことは許されることではないのだから。
人気のない広い公園。
公園のベンチに二人を座らせて俺は話を始めた。
関係を黙っていたこと、二人とも本気だったこと。
「本当にすまない。」
額を地面にこするほど頭を下げて土下座している。
もう、こうなってしまった以上覚悟するしかなかった。
雪歩は言葉も出せないくらいただ泣きじゃくっていた。
「プロデューサーさん。」
「春香……」
「私、うすうす気づいてたんです。」
気づいていた……?俺と雪歩の関係にか?
それはきっと女の勘というやつなのだろうか。
「それで、今日はオーディションを見るだけでなくそれも確かめに来たんです。」
「そしたら、案の定ってわけか……」
「はい……」
ははっ……そうか、そうだったのか。
間抜けな自分に笑いすらこみ上げてくる。
ひざを突いたまま俺はうな垂れていた。
自然と出てきた涙が重力で地面に落ちる。
「こうなったときのことも考えていたんです。」
「そっか、俺はどうs……」
顔を上げて春香を見ようとしたそのときだった。
胸を貫く鋭い痛み。
春香が……俺にナイフを突き立ててきたのだった。
「は……r」
「さようなら、プロデューサーさん……」
痛みが俺を支配する。呼吸も心臓の鼓動も痛みを増幅させるものでしかなかった。
必死に声を出そうとしたが、それも叶わず俺は息を引き取った。
最後に見えた春香の顔は、とても悲しそうな顔だった……
DeadEnd