「プロデューサー、エリマキトカゲって見たことあるか?」
「俺は見たことないな。それがどうかしたのか?」
「自分も見たことないから見てみたいんだぞ。」



という響の願いで、いるかはわからないが動物園に来てみた。
一時期ブームになったとは聞いたことがあるが、果てしているのだろうか。
そうこう考えると響の目が輝き始める。

「プロデューサー!ライオンがいるぞ!」
「動物園だからな。ライオンがいない動物園はほとんどないと思うぞって響!」

あっちには象が、キリンが、とあちこち走り回っていってしまった。
多少すいてるとはいえ、この広い動物園ではぐれるとまずいな。

「響!落ち着けって。」
「ごめんだぞ。あんまりにも動物が多いからはしゃぎ過ぎたぞ。」

ぜぇぜぇ、響の体力はどこから出てくるんだ。
あれだけ走り回って息一つ切らしていないだと。

「プロデューサー、エリマキトカゲはどこにいるんだ?」
「そうだな、いるとしたら爬虫類の集まってそうなところだろうから……」

入園時にもらった地図を広げる。
んーと、今ここにいるから……

「響、こっちだ。」
「楽しみだぞ。」

目的地までにも色んな動物がいて、そのたびに響が立ち止まる。
何とか爬虫類館に到着。

「さて、いるかな。」

とりあえず、順番に見ていく。
見たことない爬虫類がこんなにもいるのか。
そう思うと世の中すごいなと思ってしまう。

「んー、エリマキトカゲいないのかな。」
「そうみたいだぞ。」

全部見終わったが残念ながらいないみたいだ。
いきなりすぎたから調べることもできなかったしな。

「仕方ないけど、帰るか。」
「いっぱい動物見れたからそれで満足できたぞ。」

満面の笑みを浮かべる響。
こうやって喜んでもらえるならまた誘ってやるか。



後にエリマキトカゲについて調べると、飼育に向かなかったりオーストラリアの保護などで見かけなくなったようだ。
これは響に言わないでおこう。言ったらこう返ってくるに決まってる。
プロデューサー!オーストラリアに行きたいぞ!ってな。