今日は765プロのみんなで海にやってきた。
プライベートビーチではしゃぎ放題だってさ。
といっても、女の子たちに混じってきゃっきゃうふふ出来るわけもなくパラソルの下でのんびりしているんだが。

「君は、彼女たちと遊ばないのかね?」
「しばらくはのんびりしてようかなと思います。」

不意に社長に話しかけられたが、あの中に混じるには少し勇気がいる。
健全な男子である自分が果たして邪な気持ちにならずに遊べるか。
ピュアな心のままである自信が少しなかった。

「たまにはのんびりしたいということかね。」
「本音を言うとピュアでいられる自信がないからですよ。」
「なるほどね。では、私は波にでも乗ってくるよ。」

社長はサーフボードを抱え、海に向かっていった。

「社長も元気だなー。」
「プロデューサー。」

遠くから俺を呼ぶ声がする。社長と話してる間にそれぞれ自由に行動し始めたみたいだ。

「どうした真ー。」

手を振りながら向かってくる真を呼び返す。

「みんな、やりたいことやり始めたんで一緒に遊びませんか?」
「そうだな。少しくらい体を動かすか。」

一人くらいの相手なら俺の心もピュアでいられるだろう。
体を起こして伸びをした。

「あ、プロデューサー!見てください。蟹が歩いてますよ!」
「ん?どれどれ。」

たまたま近くに蟹が歩いてたようで、真が嬉しそうに見ている。
そこまで大きくはないが、確かに蟹がそばを歩いていた。

「可愛いですね。」

しゃがみこんで見ている真が、普段と違って見えてドキっとしてしまった。
真にもこういう可愛い一面があるんだな。

「プロデューサー?ぼーっとしてどうしたんですか?」
「おぉ悪い悪い。あまりにも嬉しそうに見てたから。」
「から?」

んー真に見惚れてたなんて言うのも恥ずかしいしな。

「なんでもないよ。ほら、遊びに行くぞ。」
「はい、プロデューサー。」

そのうちちゃんと伝えてあげるよ。そのうちな。


~Fin~