長い間夢を見ていた。
夢から覚めたときにはみんな、自分の家庭を持っていた。
本当は夢から覚めていないのかもしれないが、誰かに起こされたわけでもなく
はっと自分で目が覚めたのでやっぱり夢を見ていたという言い方が適切なのであろう。
長いこと使えない品物を作り続けていた。
誰にも喜ばれることはなく、自分が思い描いたものを自分で美化して
いつかこれが誰かに喜ばれるものだと信じていた。
いつかこれが誰かに伝わるものだと信じていた。
一人でもくもくと作り続けていたが、そもそもその物が
本人もそれがいいものだとは、実感が無かった。
ただ自分の内面から出てきたものを吐き出していただけかもしれない。
誰かに教えてもらうことが無かった。だからいつまで経っても、その品物たちは
人目に触れることなく何も整わない姿で
いたって、乱雑で幼稚で未熟な姿で
その姿を誰も見られることなく、秘密の部屋に置かれていた。