三位一体節後第14日曜日 | J.A.Ludwig(山田康弘)のブログ

J.A.Ludwig(山田康弘)のブログ

この名は、尊敬する3人の音楽家からお借りしました。

 この日は、イエスが10人のらい病人を癒すと、一人のサマリア人だけが戻って来て感謝したという話。(ルカ171119

 「汝の怒りによりわが肉体に全きところなく」BWV25の第1曲目冒頭のリコーダーによる嘆息音型は、BWV81のまどろみ音型にそっくりであるが、ここでは魂のうめきを表わしているのであろう。その調子で曲は進み、後半に至ってイエスのうちに救いを見出す。

 「イエスよ、汝はわが魂を」BWV78の冒頭はラメントバス(悲しみの下降半音階)による合唱曲で、我の苦しみとキリストの受難とを重ねているような印象があるが、この曲のうちに活発な音型が出現し、早くも救いを暗示するのは、バッハにしては珍しいケースかも知れない。第2曲のソプラノ・アルトのデュエットは喜ばしい歩みを表わし、単独でもよく演奏される曲である。

 「感謝の供え物を捧ぐる者は、われを讃う」BWV17の場合は、全編が神への感謝を表わしていると言える。第1曲は、小ミサ曲ト長調の終曲(グローリアの最後の部分)に転用された。