テーマとなった聖書は、イエスが7つのパンと少しの魚を四千人の群衆に配って満腹にしたという奇跡物語。(マルコ8,1‐9)
「魂よ、つまずくなかれ」BWV186は、ヴァイマル時代に書かれた待降節用のカンタータを改作したもの。第1部がこの世の貧しさを、第2部がイエスの豊かさを表わす。
「汝なんぞ悲しみうなだるるや」BWV107は、ヘールマン作の神信頼のコラール歌詞全節による。コラールカンタータであっても、レチタティーヴォやアリアは自由詩に改められるのが通例であって、これは珍しい例。
「彼らみな汝を待ち望む」BWV187も、BWV186のように2部から成り、前半は食物を与えられる神に対する賛美、後半は神に依り頼むべきことを説く。