もはや古典と化した印象派は、万人に好まれるし、私自身も例外ではない。ドガから始まって、ピサロ、シスレー、モネと云った定番は、人々の心を掴んでいるようだった。最高潮はゴッホで、とりわけ「星降る夜」の前は黒山の人だかり、向かい側のゴーガンとは明らかな差があった。（私も彼の強烈な赤やオレンジが出てくる頃から、何となく生理的に受け付けない）
やがてエミール・ベルナール、ポール・セリュジエあたりの平面的な画風になってくると、皆疲れてきていることもあり、殆どの人が素通りである。じっくり観ればそれなりの独特な美しさがあるとは思うが、その場ではなかなかそんな気になれぬものである。