術後2ヶ月近く経った頃にようやく病理診断結果が出ました。
(同じ舌癌患者さんや他院の医師から聞いたところかなり遅い方だそうです)

口頭で専門用語を使わずイメージのみで説明して頂きましたが
ぼんやりすぎて私が理解できなかったため結果を頂いて来ました。

私の癌がどのようなタイプで、私が今後どのような経過を辿るのか
誰かの参考になるかもしれませんのでここに病理診断を残します。

病理診断報告書の内容*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

部位
右舌縁

切除標本の大きさ
27×20×6mm
※縮小率は20~50%という報告がありますので
 切除したサイズと一致しない可能性があります
 写真を見る限り縮んだ後の計測ではないかと思います

腫瘍の肉眼分類
表在型
<参考>
表在型(0型):表在性の発育を主として厚さ5mm以下のもの
外向型(1型):外向性の発育を主とするもの
内向型(2,3,4型):内向性の発育を主とするもの


深達度
粘膜下組織(SM)
<参考>
粘膜上皮[M]:癌が上皮内に存在
粘膜下層[SM]:上皮下粘膜下層へ浸潤
舌固有筋層表層[MP1]:固有筋層へわずかに浸潤
舌固有筋層深層[MP2]:深部の固有筋層へ浸潤


深さ
約0.7mm/約0.1mm
<参考>
腫瘍最深部浸潤部位の最大腫瘍厚/仮想粘膜面から最深部までの距離


周辺組織浸潤
なし

腫瘍径

17×8×0.7mm

組織型
一般型扁平上皮癌

分化度(組織学的悪性度)
GradeⅡ
<参考>
GradeⅠ:高分化型
Grade Ⅱ:中分化型
Grade Ⅲ:低分化型
(未分化の分類がよくわかりませんのでここには含めていません
 舌癌取扱指針では『特殊型』に分類されていました)

浸潤様式(YK)分類
YK-2
<参考>
YK-1: 境界線が明瞭である
YK-2: 境界線にやや乱れがある
YK-3: 境界線は不明瞭で大小の腫瘍胞巣が散在
YK-4C:境界線は不明瞭で小さな腫瘍胞巣が索状に浸潤(索状型)
YK-4D:境界線は不明瞭で腫瘍は胞巣を作らずび漫性に浸潤(び漫型)


切除断端評価pRM
水平(粘膜)
 切除断端(HM):pHM0(断端(-))
 断端距離:6mm
 OED:有
 <参考>
 OED(oral epithelial dysplasia)…口腔上皮異形成
  上皮内腫瘍を疑うが反応性異型病変との鑑別が困難な境界病変
  5年以上の経過観察が必要(Wikipedia「口腔癌」より)


垂直(深部)
 切除断端(VM):pVM0(断端(-))
 断端距離:6mm
 リンパ管浸襲:ly0 suspected
 <参考>
 ly0:リンパ管侵襲を認めない
 ly1:リンパ管侵襲が軽度の場合 数個のリンパ管に侵襲を認める
 ly2:リンパ管侵襲が中等度の場合
 ly3:リンパ管侵襲が高度の場合
 suspected…疑わしい

 静脈浸襲:v0(VB)
 <参考>
 v0:静脈侵襲を認めない
 v1:静脈侵襲が軽度の場合 1~2個の静脈に侵襲を認める
 v2:静脈侵襲が中等度の場合
 v3:静脈侵襲が高度の場合
 VB…Victoria Blue染色?

 神経浸襲:neu0
 <参考>
 neu0:神経浸襲を認めない
 neu1:


癌遺残度:pR0
<参考>
RX:癌遺残の有無を判定できない
R0:癌の遺残がない
R1:癌の遺残が疑わしい
R2:明らかに癌の遺残がある


癌と深部側間質の境界は腫瘍中央付近で不明瞭となり、連続的な浸潤が見られます。同部で炎症性細胞浸潤が目立ちます。SM深部への不連続な癌の浸潤巣や脈管浸潤ははっきりしません。癌の周辺にOED病変が断端付近まで広がっている部位も見られます。


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私の解釈
・表在型である
・固有筋層には達していない
・分化度は中分化型
・腫瘍と宿主の境界線がやや不明瞭
・断端は水平も垂直も陰性で断端距離は共に6mm
 (標本上で 5 mm以上腫瘍断端から距離があると局所再発率が低いとのこと)
・リンパ管浸襲は認められないがはっきりしない
・静脈浸襲はない
・神経浸襲はない
・口腔上皮異形成が残されているため経過観察が必要


手術前に生検で悪性度(分化度)が分かっているものなのか
医長の先生に質問したところ
「高分化型です安心してください」と言われていたので
分化度の違いに一番落胆しました。
「口腔癌の殆どは高分化型」だとネットで見ていたこともあります。
(高分化型は75%という情報もありました)
それなのに私は悪い方に入ってしまったなぁという思いが拭えず。。

最初に医長の先生から漠然とした説明を受けた際には
「悪性度は上から2番目に良かったですので安心してください」と。
気遣って言ってくださったのだと思いますが
3つある内の真ん中か…物は言いようですな…とあせる
(もしやこれがプラス思考の考え方なのかっ?!びっくり∑!!

ちゃんとした結果を見たことで心配するところ安心するところがはっきりしました。
というより余計な不安がなくなった…という方が正しいです。
状況が分からないと不安だらけになり抱えなくて良い不安まで抱えてしまう性格なので。