おとぎの国のお菓子 ②アリスのチョコレートチェス
レイチェルは面倒くさがり屋で、お行儀が悪くて、
いつもじっとしていられない女の子。
ママはそんな娘をとっても心配して、
ある日レイチェルに「ケーキづくり」を命じたのでした。
レイチェルはキッチンの後ろの黒板にママが書いた
レシピを見ながら、ケーキを作っていました。
パパは後ろの方でいつも通り、一人でチェスの練習をしています。
「ふぅ、いちいち後ろを振り向くのが面倒だわ!」
レイチェルは自分の手元に鏡を置いて、
鏡にうつるレシピを見ながらケーキを作り始めました。
「もぅ!文字がよく見えないわ・・・」とレイチェルが鏡をのぞきこんだ瞬間、
鏡の中に吸い込まれてしまいました。
気がつくと、レイチェルはボウルを持ったまま
不思議な世界に立っていました。
あたりを見回すと、広く、真っ直ぐに伸びた地面が
四角い形に区切られ、それはまるでチェス盤の様です。
レイチェルは「アリスの世界に入ったみたい!」とワクワクする気持ちで胸が躍りました。
すると遠くから、チェスの駒になった騎士がやってきました。
レイチェルは騎士を見てびっくりしました。
「あなたは、、、あっ!パパのチェスの駒だわ!」
すると騎士は「さあ、君の番だよ」とレイチェルに声をかけてきました。
―――アリスの世界は夢の世界、憧れの世界。私も一度行ってみたい