『おいしいごはんが食べられますように』

高瀬準子著


先日発表された芥川賞受賞作です。

そんな反響のあった作品とは露知らず。

何かのファッション雑誌の後ろの方の記事で紹介されてて、ゴールデンウィークあたりに読みました。

受賞作は感動する系が多かったけど、これはちょっと違うかな。


会社でそこそこうまくやっている営業の二谷(男)と、

その二谷のカノジョであり、みんなが守りたくなる儚い存在で料理上手な芦川さん(女)と、

仕事ができてがんばり屋の押尾さん(女)の話。


煽りには『 心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説』って書いてあったけど。

モドキは、オフィス的恋愛要素でざわついたのではなく、他の要素でざわついてましたね。

「いるいる、こういう女〜(;゚∀゚)」って意味で。


モドキ、基本的に健康で、転んで擦りむくことはあっても、寝込んだりすることもなく、バリバリ全面で働くタイプゆえ、

どうしても押尾さん派になっちゃうんですけど。


またね〜、この芦川さんが、天然のあざとい女なんすよ。

見た目からしてか弱い女子で、何をするにもみんなから心配されるという。

その上、本当に優しい子なので、みんなから慕われ、娘のように守られ…みたいな。

いや、それは羨ましいけど、それはそれでいいんですよ?


繁忙期にみんな遅くまで残業してるけど、

芦川さんだけは「体が弱いんだから早く帰りなよ」って、みんなが忙しなく働いてる中、

ひとり早く帰されるわけよ。

何なら、早退だってするんですよ。

それを「でも、わたしばかり悪いです」とか抵抗するでもなく、それでは…って、そこは素直に帰るのよね。

その分、他の人がその仕事をこなしてるわけで。


ただね、この女のいやらしいところってのが、

一応、芦川さんなりに自分だけが特別扱いになってるのを気に病んでて、その申し訳なく思う気持ちを、

お菓子を作って配ることで表してるんだと思う。

毎回手の込んだフルーツタルトやケーキ、焼き菓子を作ってきて、おやつの時間に配るわけよ。

で、みんな「わー!美味しい!ありがとう」って喜ぶんだよね。

それで、ますます芦川さんの株が上がるという仕組み。


いや、待って!?

ケーキとか、忙しい時に食ってる時間ないし!

ってか、おまえ、こんな手の込んだお菓子作る時間と耐力あるなら、その分仕事こなせや!?

って、

モヤモヤしちゃったモドキなんですけど( ゚∀゚)アハハハハハ


で、同じように思っても芦川さんに言えない二谷と、

その不満を芦川さんのカレシである二谷に愚痴る押尾さん。

遅くまで残業してるからふたりで夕飯を食べに行くことも多々あり。

浮気しそうでしないふたり。


 ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作………傑作ねぇ………最後までモヤモヤして終わったよ、モドキはヾ(゚д゚;)スマソ


はい。

女子には面白く、スラスラ読めちゃう作品かなと思います。