「結婚って‥…生身の人間同士じゃないと出来ないの?紙切れを役所に出して子供作るのが結婚なの?」
「それが普通でしょ?」
「僕はそう思わない。確かにリナさんに触れられないのは悔しいし寂しいよ?でも、リナさんを失う方が僕には耐えられない。」
「ハジメちゃん‥…。」
「普通じゃないのはわかってる。でも好きなんだもの。仕方ないじゃない?僕はリナさんに喜んでもらいたくて、笑ってもらいたくて‥…今まで頑張って来たつもり。そして、これからも頑張りたい。その為にはリナさんを一生僕のモノにしなきゃね?たとえ幽霊だろうと、僕の好きな人はリナさんで、これから先の人生を一緒に生きたい相手は君しか居ないんだ。リナさんが何と言おうが僕は退かないし諦めないからね。」
彼女の為に頑張った。彼女が笑ってくれるだけで自信が湧いた。
リナさんと出会えたから、胸を張って歩く僕が生まれた。
〈リナさんが居てくれたから‥…〉
こんな事、一年前は口にも出せなかった。
でも、誰よりも大切な人と一生を生きたいと願うのは当たり前だよね。
「紙切れなんか必要ない。僕達の心がつながり続けること、それが結婚なんだと‥…僕は考えてる。」
「‥…バカ‥…。」
「え?」
「ハジメちゃんのバカ‥…。幽霊にプロポーズするなんて大バカだよ‥…。ホント、バカだ‥…。喜んで良いのか悪いのかわからないじゃない‥…?」
リナさんの両目から涙がポロポロと溢れた。触れることの出来ない涙は床に溢れては宙に消えていく。
しばらくそれを見ていたけど、気を取り直して僕は出来るだけ優しく笑いながら彼女に言った。
「今度の休みに一緒に指輪買いに行こうよ。」
「‥…はい。」
〈やった!!!!!!!!!!〉
僕は心の中でガッツポーズを決めた。決めまくった!
リナさんは〈はい。〉と言った。
その一言が全て。
高橋ハジメ一世一代のプロポーズは成功を収め、僕は痺れるほどの幸せに心の震えが止まらない。
その時だった。
僕達の周囲には今まで見た事がないくらいの量の光の玉が降り注ぎ、あたり一面が光の海になった。