「ローラ(ロトの娘)、素敵な名前ですね。」
「いえロトの子孫の方を前にして、“ロトの娘”なんて名前負けで恥ずかしいです。」
「ローラさんは気品があるし、素敵な方です。」
「こんなくたびれた宿屋の娘に、お世辞言っても何も出ませんよ。」
確かにローラさんは陽で傷んだ髪、継ぎはぎだらけの服、砂埃で汚れた顔、野山を歩き回って傷だらけの足、家事で荒れた手をしていたけれども。
「僕は好きですよ。」
「えっ!」
「ローラさんの用な働き者の人って。」
「えっ?」
「一生懸命生きてる。自分のため、家族のため、みんなのために。それがわかる手をしてる。」
「えっ、やだ!私たら勘違いしちゃった。」
顔を赤くしながらそう言ったローラさんを見て、自分が言った言葉を思い返してみた。
「…あっ…いやっ…その…、ローラさんはとても綺麗で美人で可愛いくてキュートで美しくて美人で…」
「いいんです気を使わないでも。」
顔を真っ赤にしながらたどたどしくたてまくる僕を気づかってローラさんはそう言ってくれた。
「本当に、ローラさんのような人をお嫁さんに貰える人は幸せだろなー」
「うーん、そんな物好きが居たら良いんですけどね。」
『太陽を思わせる』そんな素敵な笑顔をしながローラさんはちょっと拗ねた様だった。
「何時までも立ち話もなんですしそろそろ、ウチの宿屋に案内します、こちらです。」
そう言いローラさんは歩き出した。