令和2年10月29日(木)、令和2年第2回臨時会での、「第三者委員会報告における未解明の徹底究明と川辺堀之内土地区画整理事業組合への市助成金交付の妥当性及び同組合の資金管理等の実態解明を求める決議」に対する調査結果報告について質疑の内容です。

 

 

●馬場けんじ

 それでは、公明党を代表いたしまして、第三者委員会報告における未解明の徹底究明と、川辺堀之内土地区画整理事業組合への市助成金交付の妥当性及び同組合の資金管理等の実態解明を求める決議に対する調査結果報告について質問をさせていただきます。
 初めに、日野市立病院の関連について伺います。
 まずもって申し上げたいのは、今回の問題は、元院長相談役の院内での位置づけ等々の問題もあったにせよ、市民の皆様の血税も投入されて市立病院が運営されているという基本的な職員意識の欠如から起こったものであると指摘せざるを得ません。市の幹部職員には猛省を促すものであります。そのことを踏まえての質問です。
 今回の元院長相談役に関する一連の事件は、根本的な原因はどこにあり、そして、今後は同様なことがないように、何に一番力を入れて再発防止に努めていくのか、まず、これらのことについてしっかりと答弁をいただきたいと思います。

●病院事務長(赤久保洋司君)  私からは、主な原因について答弁をさせていただきます。
 元相談役に関する一連の事件は、根本的な原因として、複数の要素があったと考えてございます。
 まず、経営の立て直しが必要であった市立病院に対して市行政で実績のあった元相談役を市立病院経営専門監として任命いたしましたが、組織上の権限が大きかったため、当時の市長以外は相談役を指導する立場になかったこと。
 また、経営専門監のときにはよかったものの、任期が満了となったときに、院長等の強い意向から、市は身分を臨時職員に変更して雇用いたしましたが、これまでの業績とは内容が変更になってはおりましたが、業務の重さは変わっていなかった。また、明確な役割の変更までは指示しなかったということ。
 臨時職員への変更は、市は決定いたしましたが、決定後の市立病院への関与、指導が不十分であったこと。
 さらに、元相談役の権限が大きかったため、仕方ない部分もございますが、要望に対応する形で増額を認めてしまったこと。当時関係する職員から、当該事務処理について、異論を唱える者がいなかったこと。
 また、責任の所在や増額の経過が分かるものを起案の形で残しておかなかったことなどが原因として考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

●馬場けんじ
 今の答弁を踏まえ、次に、再発防止策について伺います。
 今後の内部統制基本方針の策定の中で、特に病院の人事及び病院内の意思決定に市長部局が適切に関与する仕組みを構築するなどの人事雇用制度等の改革に取り組んでいくとありました。
 その措置の一つとして、既に本年9月より、弁護士資格を持つ職員が配置され、対応されているということですが、この約2か月間の対応状況とともに、人事・雇用制度の具体的な改革への取組についてお聞かせいただきたいと思います。

●総務部長(小平裕明君)  まず、私からは、本年9月からの弁護士資格を持つ職員の配置に関する対応の状況についてお答えいたします。
 弁護士資格を持つ職員を市立病院に配置した件ですけれども、目的につきましては、専門的かつ第三者的な視点の活用、これを期待して行ったものでございます。
 これまでですね、週1日から3日程度、市立病院において業務に従事をしております。院内ハラスメント対応の抜本的見直しから、医療職を含む院内へのハラスメント指針の周知方法の改善の取組に加わり、専門的知見から支援をしているところでございます。
 また、ハラスメント案件、雇用管理問題、不当クレーム、訴訟などに関する法務相談を受けることで、問題の未然の防止、早期解決に資するものとなっております。
 今後は、法務相談に持ち込まれた案件や、職員からの聞き取りを通して、市立病院における課題、問題点を発見し、組織改善へとつなげてまいりたいと考えております。
 私から以上でございます。

●企画部長(岡田正和君)  私からは、人事・雇用制度改革についてお答えさせていただきます。
 平成30年10月より企画部長及び総務部長が市立病院経営支援担当として、週1回の市立病院管理会議、また、月1回の市立病院定数管理定例会議に参加し、病院の人事や意思決定に市長部局が適切に関与していけるよう組織的な連携強化を図っております。
 人事に関しては、人事評価制度を適切に運用し、人材の配置、承認の最適化を進めてまいります。人事評価制度に関しては、評価項目、評価視点の見直し、評価者に対する評価手法に関する研修を実施し、公平公正な評価としてまいります。人材の配置、人事異動、承認に関しては、現在も市長部局にて精査しているところですが、人事評価の参照、各部門の所属長ヒアリング等をし、市立病院の考え方のみを採用することなく、最適化をさらに進めてまいります。
 また、雇用制度に関しては、適切な人員配置を定数管理において行うものとし、引き続き市長部局と市立病院にて職員定数に関する協議を進めます。
 あわせて、必要な職能整理を行い、事業運営には、正規職員が当たるのか、任期付職員なのか、または一時的な業務として非常勤で対応するのかを判断し、任用してまいります。
 市立病院の経営を含む特殊性などを考慮し、専門的に対応すべき事案で人員配置が必要な場合、特別職である嘱託職員とするか、コンサルティング業務として委託するか、精査の上、実施してまいります。
 なお、非常勤職員の任用については、令和2年度から導入された会計年度任用職員制度の条例、規則を遵守することであり、特に、採用は公募を原則とし、給与制度についても条例により進めてまいります。
 以上でございます。

●馬場けんじ
 今後、再発防止の取組、全力で進めていただくことを強く要望しておきたいと思います。
 それでは次に、川辺堀之内区画整理事業関連の質問に移ります。
 まず、不正の解明に向けての質問であります。
 今回の報告書では、市は令和2年2月からの組合の自浄作用により、内部調査と運営改善を図るように再三指導。その後、組合は5月に公認会計士と委託契約を締結し調査開始。7月には、法的検証が必要なため、弁護士と顧問契約を締結。そして組合や専門家を交えた調査を踏まえ、10月に元理事長相談役に対し、不当報酬返還を求めて提訴をしたということで、これについてはうみを出すための一つの結果となっているかと思います。
 そこで、訴訟に臨む組合のコメント等はないのか、お聞きしたいと思います。

●まちづくり部長(宮田 守君)  訴訟に臨む組合のコメントについてでございます。
 組合の顧問弁護士からコメントをいただいておりますので、御紹介をさせていただきます。
 本裁判を通して、元理事長相談役が牛耳っていた組合会計の不正支出の手口を明らかにし、元副市長が悪意で利得した報酬の返還を確実に実現させたい。
 あわせて、組合の事業運営の正常化及び健全化を図り、200名を超える組合員とともに事業を完成に導いていきたい。それが組合執行部及び組合関係者の責務であると考えている。
 以上が組合顧問弁護士からのコメントでございます。
 以上でございます。

●馬場けんじ
 それでは次に、事業の完成に向けてお伺いしたいと思います。
 報告書では、事業の再開と完了に向けて、現在、公認会計士及び弁護士において現行の第5回事業計画の内容の精査を行い、第6回と第7回の事業計画変更に向けた作業が進められているということであります。
 ここでまず1点、確認として質問をいたしますが、事業計画の収入の部分での質問ですが、元理事長相談役に約1億8,000万円の返還訴訟が提起されているわけでありますが、この1億8,000万円の取扱いは、資金計画上の収入の部分としての取扱いはどうなっているのでしょうか。

●まちづくり部長(宮田 守君)  組合が元理事長相談役に返還訴訟を提起している約1億8,300万円の資金計画上の取扱いについてでございます。
 今後の第6回と第7回の事業計画変更に向けた資金計画においては、元理事長相談役に返還を求めている約1億8,300万円については、組合事業の資金計画の収入には計上しない形で計画をしているところでございます。
 以上でございます。

●馬場けんじ
 分かりました。
 訴訟にもなっていることですので、理解はいたしますが、もともとは組合に残っていなければならない金額でありますので、裁判を通してしっかり取り戻し、資金計画の収入に計上していただくよう、強く要望しておきたいと思います。
 それでは次に、2点目の質問として、不正の解明と事業の完成に向けて、組合役員には大きな不安があると察しますが、市として組合役員へのフォロー等はないのかどうか、お聞きしたいと思います。

●まちづくり部長(宮田 守君)  市としての組合役員会へのフォローについてでございます。
 昨日の10月28日でありますが、大坪市長が組合の役員計8名と直接面会を行ったところでございます。
 その席において、市長から組合役員の皆様へお伝えさせていただいた要旨について、御説明をさせていただきます。
 大きく分けて3点でございました。
 まず、一つ目として、組合の自浄作用により内部調査が進められ、この結果として、元理事長相談役への不当報酬の返還を求める訴えの提起に結びつけたことは、組合のうみを出すための行動の結果として、市として評価をしていること。
 次に、二つ目として、組合事業が実質的に一時中断のような中にあって、市として200名を超える組合員に、これ以上の負の影響を及ぼさないよう、全体の時間軸を考え、事業を確実に完了に導くことを最優先とし、仮に組合の運営資金が不足する場合には一時的に助成金を支出して運営を支援していく考えがあること。
 最後に、三つ目として、組合として事件の精算と併せて、今後は組合の事業運営の正常化及び事業収支の健全化を図り、事業の完成及び組合員の権利確定に向けて、市も共に汗をかく覚悟であること。
 以上、これらのことについて、市長から組合役員の皆様に伝達をさせていただきました。
 これに対して、組合理事長からは、大変心強い言葉である。組合員が一致団結して不正の解明と事業の完成を目指していきたいとの表明があったところでございます。
 以上でございます。

●馬場けんじ
 この川辺堀之内土地区画整理事業は、令和元年度末で累計進捗率91%ということで、既に事業完了に向けた収束期間に入っているとともお聞きをしております。市が強力にバックアップをしていただき、どのような問題があったとしても、この川辺堀之内土地区画整理事業、この事業だけはしっかりこの完遂をしていただきますことを強く要望しておきたいと思います。
 最後に、改めて確認としてお聞きしたいのは、公明党としても強く要望している組織ガバナンスの構築、また、コンプライアンス機能の強化についてであります。
 今回の報告書を受けて、再度、市として、二度とこのようなことが起きないようにするための再発防止に向けての市の取組、もう一度、お聞かせいただきたいと思います。
 また、あわせて、今回の件は、長期にわたり、市の内部において問題が放置されてしまったこと、これはおかしいのではないかということに何となく気づいていながら、特別な存在によって声を上げられなかったことが一因として挙げられており、今後は職員の根底にある、これまでの組織風土をしっかりと改革をしていくことが大きな課題であります。今回の問題を契機に、思い切った改革を断行し、生まれ変わった組織、生まれ変わった日野市役所、見違えるような日野市役所を目指していただきたいと思いますが、この点についても御答弁をいただきたいと思います。

●企画部長(岡田正和君)  最初に、組織ガバナンスの構築、コンプライアンス機能の強化についてでございます。
 まずは、地方自治法に規定する内部統制の考え方を準用した市独自の日野市内部統制基本方針を策定いたします。
 具体的には、内部統制の四つの目的である、業務の効率的かつ効果的な遂行、財務報告等の信頼性の確保、業務に関わる法令等の遵守、資産の保全を達成するために、各部署における日常的なモニタリングと本庁の企画部や総務部、会計課といった管理部門によるチェックを強化いたします。
 また、この方針に基づき、病院の人事や意思決定に市長部局が適切に関与し、事務の不正リスクを発見しやすくするため、内部通報制度の導入も進めてまいります。
 市立病院の事務が適正に行われているかについては、病院から見て外部である市長部局による内部統制の仕組みにより、しっかりと自助努力を行うことが先決かと考えております。
 そのため、理事者をトップとする内部統制に関する庁内委員会を設置し、市立病院の事務についても本庁の企画部や総務部、会計管理者といった内部統制機能を所管する管理部門がチェックする仕組みを構築してまいります。
 その上で、特定のテーマなどに絞って、外部有識者などによりチェックする仕組みも補完的に考えていく必要があるかと考えております。
 続きまして、組織風土等の改革についてお答えいたします。
 一度失墜させてしまった市の信用を取り戻すためには、市職員全体が不祥事への意識を高め、法令に違反するような行為を絶対に発生させないという意識を常に持つことが不可欠であると考えます。
 職員一人ひとりが自ら課題を見つけ、解決に至るプロセスを提案し、実行していく能力を養成することで、現場からの提案の活性化、自己啓発、相互啓発、職場の活性化を図り、これまでのトップダウン型の組織風土から脱却していきたいと考えております。
 職員一人ひとりへの意識啓発を行っていく一方、事務の遂行は職員個人個人ではなく、組織として取り組んでいくという意識を基本に立ち返って見直すことも必要であると考えます。
 内部チェックや外部チェックの仕組みについて、市長部局同様、市立病院にも適用し、今後は日野市内部統制基本方針に基づいたチェック体制を整備していくなどの取組を進め、二度とこのようなことをさせないために、再発防止に向け全力を挙げて取り組んでまいります。
 以上でございます。

●馬場けんじ
 どうか今後、この組織風土等の改革をしっかりと進めていただきたいと思います。
 これまでも、副市長等を経験され、その後、何らかの役に就くという事例が様々あったかと思いますが、要職に就かれた方が職務の任期を終えるときは、そこでしっかりと身を引いてもらうということ。そして、次代を担う職員をもっと育成をしていく、もっと人を育てることが大事であるというふうふうに思います。そのような組織の改革も強く要望したいと思います。
 改めて、日野市民の皆様のため、公僕として仕事に打ち込める体制づくりを再構築していただきたいと思います。
 今回のことを教訓として、今後、二度とこのような事案、また事件、また疑念が起きることのないよう、しっかりと引き締めてやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 最後に、市長より、今後、二度とこのようなことが起きないようにするための再発防止、そして、今後の大いなる組織風土の改革ということも含め、明確なる御答弁をいただきたいと思います。

●市長(大坪冬彦君)  先ほど、企画部長より組織の取組については述べさせていただきました。問題は、それと職員の意識改革をどう絡めるかということであります。
 いろんなチェックの仕組み、そして内部統制の仕組みをつくる、これはできることだと思いますが、問題はそれを実際に機能するように、また、職員の日常に落とし込んで、どう機能させるかということが大切かなというふうに思っております。
 そのために、職員の生の声、現場の声に真摯に耳を傾けて、また、職員の日常のOJTを含めて、先ほど秋山議員から御指摘いただきましたような小集団活動も含めて、職員の日常的な基本的な業務に対するいろんな研修、そして啓発等を通じて、そういうものと今回の事件の反省を結びつけて、そして、それと初めて内部統制が結びつけることができるというふうに思っております。
 そういうような職場の改革、意識改革を通じて、実際のいろんな制度、そしてチェック体制を機能するものとして、有効なものとして機能させていくような、そんな努力が求められるのかなというふうに思っております。
 そのためには、かなり汗をかいていかなきゃならないし、いろんなチェックシステム、そして内部統制の仕組みについても、絵に描いた餅にしないための努力が求められていると思います。
 そうするためには、私どもが、私がしっかりと職員の一人ひとりに向き合って、今回のことを職員に分かる言葉で職員に語りかけ、また分かるような仕組み、そして日常的な働きかけをしていく必要があるかなと思っております。それをしなければ、恐らく組織風土は変わらないし、簡単には変わらないかなというふうに思っております。
 今回の事件というのは、ある意味、馬場議員が先ほど述べました、日野市の長年の歴史において功なり遂げた方が、その方々の力を借りて、いろんな組織運営をやっていくというところ、そこを安易に頼ってしまった負の歴史があると思います。今後はそういう負の歴史についてもしっかり反省をし、そうならないようにするためには、議員がおっしゃったような職員の力、仕事をする力、現場力、組織力を高める必要あるかなというふうに思っております。そうすることによって、そういうことを起こさないようにする。
 そのためには、先ほど申し上げましたような、今の職員の意識改革を、とりわけ若手の職員からしていく。そのためには、今回の真摯な反省に立って、いろんな制度等を職員のレベルに落とし込んでいく。それを地道に続けていくことが、これから求められるのかなと思っております。そのための努力をこれから一生懸命やっていきたいと思っております。
 以上です。

 

●馬場けんじ
 どうか市としての再発の防止、そして大いなるこの組織風土の改革、しっかりと行っていただきたいということを強く要望しまして質問を終わります。