以下、10月23日付公明新聞より転載

 

いじめ、友人関係などの悩み

 

いじめなど子どもの悩みに関して、公明党のリードで国の補助の下、30自治体で試行実施されてきたSNS(会員制交流サイト)を活用した児童生徒向けの相談事業――。文部科学省は来年度から全国展開をめざす方針を固め、来年度予算の概算要求に国の補助対象を全47都道府県・20政令指定都市に拡充することを明記した。党文科部会の浮島智子部会長(衆院議員)は、「まず概算要求に沿った予算確保をめざすとともに、各都道府県・政令市が実施に踏み切れるよう地方議員と連携したい」と語っている。

 

 


 

 

2020年度の情報通信白書によると、10代の若者の携帯電話の通話時間が1日で3.3分だった一方、SNSの利用時間は64.1分に上るなど、中高生のコミュニケーション手段はSNSが主流になっている。こうした中、文科省はSNSを対面や電話と並ぶ「相談体制の新たな柱」(同省児童生徒課)にしようと動き出す。

文科省は、SNS相談について、児童生徒の悩みに臨床心理士やSNS上の子どもの気持ちが分かる若者が対応し、自殺をほのめかすといった命に関わる緊急の相談の場合は警察や児童相談所などとも連携することを想定。都道府県や政令市が実施主体となるが、業務を民間団体などに委託する場合もある。国は相談員の人件費などの3分の1を補助する。

18年度から30自治体で試行実施されてきた相談では、主に民間の専門機関が対応。文科省によると、LINEを活用する自治体が多く、利用者の8割を中学・高校生が占め、女性の割合が高かった。

 

 

公明、試行実施へリード

党長野県青年局の調査が発端

 

各地で児童生徒向けのSNS相談が実施される発端となったのは、16年の秋冬に公明党長野県本部の青年局が独自に実施した、若者の自殺に関するアンケート調査だった。

この結果を基に、同青年局は17年2月、阿部守一知事に対し、LINEなどSNSを活用した若者の自殺対策を提案。この動きを本紙の報道を通して知ったLINE株式会社側から「長野県の若年者の自殺対策に協力したい」との申し出が同青年局に寄せられ、公明党が橋渡しする形で同年8月、長野県との連携協定が結ばれた。これを受け、全国初となるSNS相談が翌9月から始まった。

公明党は、この取り組みを国の政策に押し上げて全国で展開するため、首相への提言や国会質問などで政府に働き掛け、国の補助による18年度からの試行実施につながった。今後は、全国展開を強力に推進する。